日本歯周病学会とは
正式名称は「特定非営利活動法人 日本歯周病学会」。
ホームページ内の学会の紹介によると、「歯周病を克服することにより自分の歯を1本でも多く残すことを目的に1957年に設立された学術団体」でと紹介されています。
同学会の会員総数は、2021年5月31日現在で11,907名。
会員の構成としては、大学の臨床講座に所属している方、開業歯科医師、歯科衛生士が多く所属しています。
主な活動内容としては、歯周病に関する研究を行って成果を歯周病の予防や治療法の開発などに活かしていくことなどが挙げられます。
その他にも、高齢化社会に対応した歯周病治療のための指針作成や、アジアンパシフィック地域との交流、若手研究者への支援などを行っています。
日本歯周病学会の認定医ってどんな資格なの?
日本歯周病学会では、歯周病治療に対する専門知識と技術をもつ歯科医師の育成を行っています。
そして、歯周病への的確な治療ができる優秀であると認められる歯科医師を“認定”しています。
具体的には、「認定医」「歯周病専門医」「指導医」という3つの認定制度が設けられています。
いずれも日本歯周病学会に所属している会員で、それぞれ要件を満たした歯科医師のみが資格取得することができますよ。
取得後は、同学会のホームページの名簿一覧に資格保有者として掲載されます。
資格の概要としては以下の通りです。
認定医
日本歯周病学会が認めた研修施設に3年以上所属し、高度な歯周病治療の知識と技術を有している歯科医師が認定医試験に合格する必要があります。
資格取得のためには、症例報告書の提出や、日本歯周病学会学術大会における教育講演の受講なども必須です。
歯周病専門医
認定医取得後、研修施設でさらに2年間研修を行い、専門的な歯周病治療の知識と技術を有している歯科医師が専門医試験に合格する必要があります。
重度の歯周病患者さんを含む10症例の症例報告書の提出などが必要であり、試験はケースプレゼンテーションと口頭試問から成るなど難易度が高く、日本の歯科医師の1.2%ほどが所得している資格です。
指導医
歯周病専門医の取得後7年間、学会および地域での指導的な研修を行った経験をもつ歯科医師であること。
そのうえで、指導医試験に合格すると指導医になることができます。
試験の他、症例報告書の提出や教育講演への出席も必要です。
また、書籍の執筆や学会での発表などが評価対象となります。
歯周病専門医などを育成する立場にあり、日本の歯科医師の0.3%ほどが指導医と認められています。
歯科衛生士も認定制度がある
日本歯周病学会には、歯科医師だけでなく歯科衛生士の認定制度もあります。
「認定歯科衛生士」というもので、歯周病への対応を的確かつ効率的に実施し、患者さんの健康管理に貢献できる有能な歯科衛生士を認定する制度です。
取得には歯科衛生士の免許を保有し、5年以上または同等の臨床経験や、30単位以上の実務経験単位と教育研修単位などが必要となります。
試験ではケースプレゼンテーションと口頭試問があり、審査に合格すると認定歯科衛生士として認定されます。
歯医者さん選びの参考に
今回ご紹介した認定医や歯周病専門医などの資格は、日本歯周病学会が定める要件を満たし、かつ取得することを希望した歯科医師のみが取得できるものです。
歯周病専門医は、症例報告書の提出やケースプレゼンテーション、口頭試問が行われるなど、取得ハードルも高く設定されています。
歯科医院を探すうえでの判断材料の一つにしてみてはいかがでしょうか。
ですが、資格だけで歯科医院を決めることはおすすめしません。
地域での評判を調べたり、実際に歯科医師や歯科衛生士がどんな人なのかを自分の目で確かめて信頼できる歯科医院を見つけてくださいね。