3種類の認知症と発症する原因


まず、認知症には種類があることを説明します。

認知症には主に3タイプあり、アルツハイマー型、血管型、レビー小体型認知症が存在します。

その中でも多いのが、アルツハイマー型で全体の60%以上を占めているという研究報告もあります。
残りの血管型とレビー小体型は各々20%です。

物忘れが多くなったから認知症というわけではありません。
物忘れは年齢を重ねることにより脳の機能が低下していることも関係しています。

認知症の判断基準としてよく使われるのが、時計描画試験(CDT)です。
CDTを行い認知症の検査をしますが、認知症の方がCDTを受けると、時計のイラストを描けなくなることが多々みられます。

ご家族が認知症かも?と心配であれば、時計のイラストを試しに描かせてみるのも良いかもしれません。

歯周病が認知症の原因となる脳内炎症に関わっている


認知症では脳の認知機能が低下しています。
認知機能が低下する原因は様々です。 色々な諸説がありますが、下記に認知機能が低下する原因を紹介します。

  • 脳の免疫細胞であるミクログリアという細胞の活性

  • 脳内の血流障害

  • 脳の障害(外傷や脳梗塞)

  • 脳内タンパク質のアミロイドベータの蓄積

  • 脳内の過剰な炎症(ストレスなども含む)

脳内に過剰な炎症があると認知症を引き起こす可能性があると述べましたが、実は歯周病原菌が脳内で発生する炎症に関わっており、認知症を引き起こす原因になるのではないかと考えられています。

歯周病原菌が口だけではなく認知症患者の脳内に存在


アルツハイマー型認知症を持つ患者さんはP.G.(ポルフィロモナス・ジンジバリス)という歯周病の発症に強く関連している菌の細胞外膜が脳内で発見されたことが報告されています。

さらに、アルツハイマー型認知症の患者さんは健常者に比べて歯周病原菌の抗体価(歯周病原菌と戦う抗体の数)が増加しているという報告もあります。

歯周病原因菌が口の中から血流を通じて脳内に到達し、何らかの悪さをしているのかもしれません。

歯周病が認知症をもたらし得るメカニズム


歯周病原菌が脳内で過剰な炎症を引き起こすことを紹介しましたが、その詳しいメカニズムを紹介します。
歯周病が認知症を引き起こすキーとなるのは、脳内の免疫細胞であるミクログリアによる働きです。

まず、歯周病である歯茎の血管から血流で脳内に歯周病原菌が到達します。
歯周病原最近が脳内に到達後、脳内免疫細胞のミクログリアが活性化され、炎症性サイトカインを発生させます。
炎症性サイトカインは炎症を引き起こすので、脳内で炎症が起こるというわけです。

さらに、ミクログリアはアミロイドベータという脳内の老廃物の蓄積と産生を促し、認知機能を低下させるという研究報告もあります。

歯周病原菌は脳内で炎症を起こしたり、アミロイドベータの産生を促進させたりすることで、認知症の発症に大きく関連しているのかもしれませんね。

*少し難しい内容なので、頭の片隅に入れておく程度で構いません。

認知症予防のためにも歯周病をしっかりと治療!


認知症を患っている人の脳に歯周病菌が存在するということは、歯周病が認知症の発症に大きく関わっている可能性は高いことを皆さんも想像したのではないでしょうか。

歯周病と認知症の関連性について今後の研究で更に明らかになっていくことでしょう。
歯周病をお持ちの方は口の中の健康のためにも、歯周病治療をかかりつけの歯医者さんで受けましょう。

また、歯周病は認知症だけではなく、脳梗塞やがんなど様々な疾患を引き起こすという研究報告がされています。
歯周病は全身の健康に大きな影響を与えることが考えられるので、定期的に歯医者さんを受診し、口の中の健康を維持しましょう。