糖尿病はどんな病気?

糖尿病は、血液中のブドウ糖の量、いわゆる血糖値のコントロールが上手くいかなくなる病気です。

どういうことかというと、まず食事で摂取した糖質は体内でブドウ糖となり、血液中を流れます。これが血糖です。
この時、通常は膵臓から出るインスリンというホルモンの働きで、ブドウ糖は細胞に吸収されるため、食事により増加した血糖は時間経過とともに少なくなっていくのです。

しかし、インスリン自体の分泌量が少なかったり、インスリンそのものの働きが悪かったりする場合、ブドウ糖をうまく細胞に取り込めず、血液中の糖が細胞に吸収されないままになってしまいます。
こうして血糖値が高い状態が慢性的に続くのが糖尿病です。糖尿病には、大きく分けて1型と2型があります。

1型糖尿病

自己の抗体によってインスリンを分泌する膵頭の細胞が破壊されることで血糖値をコントロールできない糖尿病です。

10代などの若い方に多く見られ、血糖値を下げるために子どもの時からインスリンを注射する必要があります。

2型糖尿病

食べすぎ・飲みすぎや運動不足など生活習慣の乱れ、ストレスが原因となり、膵臓の働きが弱まるなどして生じる糖尿病です。

生活習慣病として認知されており、40歳以上の方に多く見られます。治療は食事・運動などの生活習慣の見直し(食事療法・運動療法)が主です。
必要に応じて、インスリン注射や血糖降下剤による治療が行われます。

糖尿病になったら食べてはいけないものってあるの?

糖尿病の治療では、血糖値をコントロールするために食事療法を行っていきます。原則、食べてはいけない物はありません。
血糖値が上がりやすい食品・飲料はあるものの、それらを一切避けて生活するわけではないのです。

食事療法は画一的なものではなく、患者さんの肥満度、日々の活動量、年齢など様々な要素から、エネルギー摂取量や栄養バランスを考えていきます。
何でも好きなように食べて良いというわけではないものの、間食したり、アルコールを飲んだりということも、血糖値をコントロールできる範囲であれば可能です。

糖尿病になりやすい食べ物は?

尿病が悪化したりするため注意が必要です。

基本的に、糖質の多い食品は血糖値が上がりやすくなります。
具体的には以下のような食品は糖質が多いため、食べる量に注意しましょう。
砂糖が入っていない食品でも、糖質やでんぷん質が含まれています。

<血糖値を上げやすい食品・飲料>

ごはん、パン、麺類、餅、とうもろこし、コーンフレーク、芋類、かぼちゃ、栗、豆類(大豆以外)、魚肉ソーセージ、饅頭、ケーキ、アイス、シャーベット、クッキー、せんべい、おかき、ジュース、砂糖入りコーヒー・紅茶、飴など

一方で、上昇した血糖値を下げる食品や飲料もあるのです。
例えば、ミネラルが豊富に含まれる食品を摂取することでインスリンの分泌がスムーズになるなど、血糖値の上昇を抑えてくれます。

<上昇した血糖値を下げる食品・飲料>

玉ねぎ、オクラ、ミニトマト、バナナ、五穀、大豆、ナッツ類、ハイカカオチョコレート(カカオ成分70%以上)、ヨーグルト(無糖)、牛乳、緑茶、コーヒー(無糖)など

まとめ

運動不足なうえに、食べすぎ・飲みすぎとなると、糖尿病になるリスクが高まります。
また、日々のストレスが糖尿病の原因になることも。
上昇した血糖値を下げる食品・飲料もありますので、血糖値が気になるという方は日々の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

ご自身の生活習慣が糖尿病になるリスクを高めていないかを見直すことで、将来も変わらずにおいしい物をたくさん食べられる生活に繋がります。

また、糖尿病の初期症状として、「最近、汗をかきやすくなった」「足の先が痺れる感じがする」「喉が渇きやすい」などがあり、他にも「最近何もしていないのに体重が減ってきた」「甘い口臭がする」など、ブドウ糖を上手くエネルギーとして代謝できていないことで起こる症状も出てきます。
糖尿病になった場合には、食べてはいけない物は原則ないものの、食事による栄養コントロールと日々の運動が不可欠です。
食事療法や運動療法を行いながら、うまく付き合っていきましょう。