知覚過敏になる年齢は?何歳から?
知覚過敏は20~50代の人が多いとされていますが、10代やそれ以外の年代でも知覚過敏になることがあります(一般的には高齢になるにつれて軽減していく傾向にあります)。
調査によると、初めて「知覚過敏かも」と感じる人の多くは20代前半。
若い時から知覚過敏に悩まされる人は多いようです。
一方、知覚過敏を自覚していて何も対策していない人は70%にも及ぶといわれています。
知覚過敏の対策の方法がわからないことや、対策をしても効果が出るかわからないことが理由だそう。
では、年齢毎にできる簡単な知覚過敏対処法をご紹介します!
まずは、知覚過敏になる原因を確認してみましょう。
よくある知覚過敏
まず、エナメル質の内側にある象牙質には、象牙細管という目に見えない極細の管が無数に存在しています。
象牙細管の先は歯の空洞(歯の神経や血管が収納されている箇所)まで繋がっています。
エナメル質には神経が通っておらず外界からの刺激を遮断するため、歯の神経に刺激が加わることはほとんどなく、痛みを感じることは普段ありません。
ただし、何らかの知覚過敏が起こる原因により象牙質がむき出しになったりすると歯の神経まで刺激が達しやすくなり、瞬間的に鋭い痛みを感じやすくなります。これが知覚過敏です。
※年齢を重ねると知覚過敏が減少する理由ですが、歯が石灰化していくことにより象牙細管がふさがってくるため、知覚過敏が減少すると考えられています。
知覚過敏になる原因
年齢との相関が高いとはいえ、知覚過敏のある人とない人とではどのような違いがあるのでしょうか。
知覚過敏は、主に象牙質が露出することで起きやすくなります。
象牙質が露出する理由として虫歯をイメージする方が多いのではないでしょうか。
もちろん、虫歯で歯の表面を守っているエナメル質が溶けると象牙質が露出するので、これも知覚過敏の原因です。
ですが、虫歯でなくても知覚過敏になる人が非常に多いのです。
虫歯以外の知覚過敏の原因の1つ目は、歯茎が下がることで象牙質が露出すること。
歯の根はエナメル質ではなくセメント質に覆われています。
セメント質はエナメル質も軟らかく、削れたりすり減ってしまいやすいのです。
歯茎が下がり、歯の根が露出して歯ブラシの圧が強いなどの理由でセメント質が削れると象牙質が露出し、知覚過敏の原因となります。
知覚過敏になる原因の2つ目は、不適切な歯磨きです。
力強く歯磨きをしてしまうと、歯は少しずつ削れてしまいます。
硬い歯ブラシを使っていることや、歯ブラシでゴシゴシと磨いていることは歯が削れてしまう原因です。
さらに、歯磨き粉に含まれる大きな粒子の研磨剤(歯の着色汚れを落とすために配合されている成分)が歯を削ってしまうこともあります。
また、ブラシの先が強く歯茎に当たると歯茎が下がる原因にも。
知覚過敏になる原因の3つ目は噛み合わせや食いしばりです。
強い噛み合わせや食いしばりは、エナメル質に負荷がかかり、歯の根元の部分から欠けてしまうことがあるのです。
これを楔状欠損(WSD)といい、根元が三角にかけてしまい、そこから刺激が伝わることで知覚過敏になります。
毎日時間をかけてしっかり歯磨きをしているのに知覚過敏になった、という方は食いしばりが原因かもしれませんね。
年齢が上がってからの知覚過敏は違う!?
若い頃に知覚過敏を経験するケースが多いですが、30代から40代になってくると歯周病が原因で歯茎が下がってきてしまうことによる知覚過敏が増えてきます。
歯茎が下がり歯の根本が露出してセメント質が現れ、軟らかいセメント質が歯ブラシなどで摩耗して象牙質が露出して知覚過敏の症状が起きてしまいます。
また、歯は長い間使うことでエナメル質が徐々にすり減っていき、噛む力が強いと割れたり欠けたりすることもあります。
結果的に、象牙質が露出して知覚過敏になってしまうこともあるのです。
年齢ごとの知覚過敏対策
よくある知覚過敏対策
知覚過敏に悩んでいたら、どのような対策を打てばよいのでしょうか?
まずは手軽に、知覚過敏をケアする歯磨きグッズを選んでみてください。
価格はさまざまですが、値段も安く知覚過敏ケアを謳っているグッズはたくさんありますよ。
例えば、歯磨き粉では「硝酸カリウム」「乳酸アルミニウム」が含まれているものを選んでみてください。
これらの成分は、象牙細管を塞いで神経への刺激を遮断し知覚過敏を抑制する効果が期待できます。
「研磨剤」が含まれている歯磨き粉はエナメル質を削ってしまうので、使用しないようにすることも大切です。
強く磨きすぎず、小さく優しく歯ブラシを動かすなど、適切なブラッシングを心がけましょう。
研磨剤の入っていない歯磨き粉を使う場合でも、歯磨きの時間を長くしすぎないことも大切です。
しっかり歯磨きをする事は大切ですが、やりすぎもよくないのです。
もちろん、自力で対策する以外に、歯科医院で知覚過敏治療用の薬液を塗布してもらうなどの治療も受けられます。
歯の表面に膜を張るような状態になり、神経への刺激を軽減できます。
また、歯が欠けて穴になっている場合はプラスチック(レジン)を埋めて刺激を遮断することも可能です。
そのほか、歯の消しゴムや歯を白くする効果を謳う製品の使用を中断してみましょう。
歯を白くするグッズは、歯の表面にある刺激から守ってくれるペリクルという膜を剥がしてしまうことがあります。
知覚過敏の症状が強い場合はホームホワイトニングも染みるのと使用を控えるように指示書きをされているので控えた方が良いですね。
歯科医院に行くほど歯がしみてはいないけど対策をしておきたい、という場合は、歯磨き粉や歯ブラシなど普段使っている口腔ケアグッズを少し変えてみてはいかがでしょうか。
歯が欠けている、歯茎が最近下がっているなど目に見えて変化がある場合は、歯科医院に相談してみてくださいね。
高齢になってからしたい知覚過敏対策
高齢になると、加齢や歯周病などにより歯茎が下がることによってセメント質や象牙質が露出する可能性が高くなります。
歯が咬む力で欠けたりすることも年々増えていくので歯がしみる症状が出るかもしれません。
高齢者の方で知覚過敏がある場合、歯科医院で痛みの原因が虫歯なのか知覚過敏なのかを診断してもらい、知覚過敏であれば、知覚過敏のお薬の塗布やプラスチックで露出している歯の根を覆ったり、被せ物をしたりすることで痛みを防げるでしょう。
まとめ
知覚過敏の理由にはさまざまなものが考えられますが、原因は年齢、歯磨きの仕方、噛み合わせなど人によってそれぞれです。
原因がわからない知覚過敏のまま自分自身で対処を続けていると、実は虫歯だった、実は歯周病だったなどのトラブルに気がつけない可能性も。
まずは一度歯科医院で診断を受けてみてほしいと思います。