骨粗鬆症の症状とは?

骨粗鬆症の症状とは?

骨粗鬆症は、骨の量が減って内部が粗くなり、骨折しやすくなる、または骨折した状態を指します。

人間は18歳ごろを境にして骨量がだんだん減っていきます。

そのため、骨が減ること自体は誰にでも起こりうることですが、骨量が2~3割も減ってもろくなったとき、骨粗鬆症と診断されることがあります。
骨粗鬆症は進行すると、骨折によって寝たきりになる場合もあります。

お年寄りに多い病気のため、高齢化が進んでいる日本では骨粗鬆症の予防が課題となっています。

骨粗鬆症は年齢のほかに、カルシウムの摂取不足も原因のひとつとされています。
骨も代謝するため、新しい骨を作るのにカルシウムが必要となりますが、骨を新しく作るための栄養が不足すると、骨からカルシウムが減少して骨が粗くなってしまいます。

また、性別で見ると女性に多い病気とされています。
閉経によって女性ホルモンの分泌が減少することや、男性よりも骨が細いことなどが理由として挙げられます。

骨粗鬆症にかかると歯周病も進行する?

骨粗鬆症にかかると歯周病も同時に進行する?

骨粗鬆症が骨に関連する病気である一方、歯茎が炎症を起こす歯周病も、進行すると歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かしてしまう病気です。

歯槽骨が局所的に吸収されることと骨粗鬆症には因果関係が存在するのか、1960年代から研究が行なわれてきました。
このような調査から、閉経後の女性で骨粗鬆症にかかっている人は歯槽骨の吸収が進行している割合が高く、また歯周ポケット(歯と歯茎の間にできる隙間)の出血率も高いということがわかってきました。

こうしたことから、骨粗鬆症にかかると歯槽骨ももろくなり、その結果歯周病が進行するのではないかという説があります。

骨粗鬆症は女性ホルモンであるエストロゲンの分泌低下が原因とされています。このエストロゲンには、骨の破壊や歯周組織の炎症を抑える働きもあります。

エストロゲンの減少によって歯周ポケットで骨吸収性サイトカイン(TNF-α、IL-6)の産生が進み、歯周組織の炎症が速く進行するというメカニズムが考えられています。

また、関節リウマチを抑える薬物が骨吸収性サイトカインの働きを抑制することも報告されています。

研究課題は残るものの、歯周病予防は重要!

歯周病予防は重要!

骨粗鬆症と歯周病に関連があるのではないかという研究結果もある一方、関連性が低い、または関連性が無いと否定する報告もあり、明確なことはまだわかっていません。
サンプルが不足しているほか、年齢や性別、喫煙などの条件を考慮した報告も少なく、課題は残っています。

しかし、両者の関連を示す研究結果が出ていることは無視できないものであり、骨粗鬆症の方は歯周病も予防しておくと良いでしょう。
歯周病は進行すると歯が抜け落ちてしまいます。

骨粗鬆症が原因で骨折をした際に食事やお話の機能も低下してしまうと、QOL(生活の質)が著しく下がってしまいます。
また、骨粗鬆症でない方も、歯周病の予防に努めることが大切です。

心身ともに元気に過ごせる時間を少しでも延ばすつもりで、今のうちから健康を意識した生活作りをしましょう。

定期的に歯科医院を受診することも忘れないでくださいね!