妊娠初期に歯が痛くなる原因は5つ!


1.虫歯

妊娠初期はつわりや食べ物の嗜好の偏りが起こり、虫歯ができやすくなります。

また、妊娠前からあった虫歯が進行して痛みだしてしまうことも。

2.歯周病

妊娠中は女性ホルモンの影響で歯茎が腫れる、赤くなる、出血するなど歯周病の症状が出やすくなります(妊娠性歯肉炎)。
妊娠性歯肉炎から歯周病に進行してしまう可能性も十分にあります。

また、妊娠前から軽度歯周病にかかっていると妊娠のタイミングによって進行し、痛みが出ることもあります。

3.妊娠性エプーリス

妊娠性エプーリスとは、妊娠中、口内の粘膜に生じる良性のシコリを指します。
頻繁に起こるものではなく、発症するのは妊婦さんの数%です。 妊娠性エプーリスは、女性ホルモンの増加に伴って、歯肉のコラーゲンが増殖したものと考えられています。

主に上顎前歯部の歯肉に生じるもので、歯周病のような症状が現れます。
出産後に消えることが多いため、基本的に外科処置は行われませんが、あまりにも気になる場合は歯科医に相談してみましょう。

4.妊娠性歯痛

妊娠初期の女性ホルモンのバランスの変化により、歯の痛みを強く感じることがあります。
これは虫歯ではなく、「妊娠性歯痛」と呼ばれるものです。

妊娠中はホルモンバランスの影響で、血液量が約3~5割程度増加するため、歯の神経の充血や圧迫が起こり、鋭い歯の痛みの原因に繋がります。
これは妊娠中延々続くわけではなく、一般的には妊娠して約半年ほど経過すれば、痛みが和らいでいく傾向にあります。

5.そのほか歯科疾患

そのほか、歯の神経が炎症を起こしていたり、歯の根の先に病巣がある場合に強い痛みが出ることがあります。

また、生えていない親知らずが痛みだすこともあるようです。

妊娠中の歯の痛みの対処法


妊娠中は、つわりがあったり身体を思うように動かせなかったりするため、歯が痛んでもすぐに治療を受けられない場合も。
歯科医院へ行けるようになるまでは、次のような対処法を試してみてください。

1.患部を冷やす

まずは、患部を優しく冷やしてあげましょう。
冷やすことで血流が穏やかになる・神経が麻痺するため、一時的ではありますが、痛みが緩和されます。

急激に冷やすとかえって痛みが強くなることもありますので、水で濡らしたタオルを当てるなどで少しずつ冷やしてくださいね。
保冷剤を使う場合は直接当てず、タオルでくるむなどして冷たさを調整しましょう。

2.しっかり歯磨きをする

虫歯で生じた歯の穴に食べ物が詰まっていると、神経が圧迫されて痛みにつながります。
歯ブラシを丁寧に当てて、汚れを一度しっかり取り除きましょう。

ウォーターピックやつまようじ、先端のとがったもので汚れを取り除こうとすると余計に痛むことがあるので避けてくださいね。

また歯磨きも辛い場合は、フッ素やキシリトールが入ったガムを噛んだり、お茶を飲んだりしましょう。

3.刺激のある食べ物を避ける

つわりの時は酸っぱいものを食べたくなることが多いようですが、酸が虫歯を刺激してしまい痛みが出ることがあります。
また、辛いものや熱いものも歯茎や虫歯を刺激し、痛みの原因に。

歯に痛みがある場合は、お口の中に刺激を加える食べ物や飲み物は避けておきましょう。

歯科医院で応急処置だけ受けることはできる?


痛みの原因にもよりますが、妊婦さんでも痛みの原因の診断や応急処置を受けることは可能です。

処置が難しくても、妊娠中に飲んでも比較的安全だと言われているアセトアミノフェン系の痛み止めを処方してもらえるなど、何らかの対処をしてもらえる可能性が高いでしょう。

歯周病は早産や低体重児の出産に繋がるとも言われており、痛みを自己判断で放置しているのは出産への危険性もあります。
できることなら、少しでも辛くない時を狙って応急処置を受けに歯科医院へ行くのがおすすめです。

歯科治療はつわりがおさまってからでOK

応急処置は妊娠初期でも受けられますが、しっかりとした治療はつわりがおさまり、安定期に入ってからで構いません。

歯科治療は、口を開けた状態が長くなる場合や仰向けにならないといけない場合もあるといったことから、身体の負担になるためです。
流産の危険性もあるため、必要最低限の処置を受けるだけにとどめておきたいですね。

妊娠中でもすぐに歯科医院へ行くべき痛みは⁉


食事をとれないほどの痛みや、眠れないほどの痛みがある場合は早めに歯科医院へ通院しましょう。

お母さんのストレスは赤ちゃんに悪影響し、母体のストレスホルモンが子宮の収縮や血流の圧下を招き、赤ちゃんの栄養不良や低体重児出産の原因になるとも言われています。

痛みは精神的にも身体的にも大きなストレスを与えます。 妊娠初期はまだ流産の可能性も高く、ストレスはできる限り少なくする方が良いでしょう。

また、食事がとれないと赤ちゃんへの栄養が足りなくなることも考えられます。
ちょっと気になる、少し痛いくらいなら様子見でも構いませんが、日常生活に支障をきたす痛みならば早めに歯科医院を受診することをおすすめします。


妊娠前にお口の検査を受けておくことがベストですが、それでも予期せぬ痛みが起きてしまうこともあります。
妊娠中はいろいろな事が不安になりがちですが、まずはできることを考えてみましょう。

お口の不安が出た場合は、歯科医院への通院は難しくても電話で相談してみることもできます。
赤ちゃんを守るためにも、お母さんのお口の中を大切にしてくださいね。