①口臭の原因

口臭の原因には、さまざまなものが考えられます。 まず考えられるのが、にんにくやネギ、アルコールなどの、臭いが強い食事の摂取です。習慣的な喫煙も口臭の原因となります。食品や嗜好品などの外部要因が口臭の原因として挙げられます。 このほかに多く挙げられるのは、お口の中や体の環境に関連する内部要因です。

歯周病

歯周病の原因となる細菌はメチルメルカプタンジメチルサルファイドという物質を発生させますが、これらは口臭の原因にもなります。また、歯垢から発生する硫化水素も、口臭につながります。
歯周病が重症化すると、膿が歯茎から出て悪臭を発することもあります。
また、マスクをすることが増え、お口の中に空気が入る機会が減少していることから、空気を嫌う歯周病原因菌がお口の中で繁殖しやすくなっている可能性も考えられます。

虫歯

虫歯で歯に穴が開いたりすると、そこに食べカスが溜まって歯垢が繁殖し、発酵して臭いの強いガスを発生させます。
また、虫歯を放置すると神経が腐ったり、歯根から膿が発生したりして、悪臭を出すおそれがあります。

全身疾患

全身の病気が原因で口臭が出る可能性もあります。
呼吸器系や消化器系の病気のほか、糖尿病、肝硬変なども、それぞれ異なるタイプの臭いを発します。

原因 臭い
呼吸器系
(肺癌、肺腫瘍)
タンパク質の壊疽臭
消化器系
(胃癌、食道気管)
耳鼻咽喉系
(扁桃炎、咽頭膿瘍、咽頭癌)
咽頭、気管支、肺のカンジタ感染
甘いにおい
糖尿病
アセトン臭
肝硬変、肝臓癌
アンモニア臭
トリメチルアミン尿症
魚臭
引用:日本臨床歯周病学会(2020/10/14現在)

口腔乾燥

いわゆるドライマウスと呼ばれる症状で、お口の中の唾液の分泌量が減って乾燥するため、お口の中がネバついて口臭を発することがあります。マスクをすることによって呼吸がしづらくなり、口呼吸をしているとお口の中が乾燥する原因となります。
お口の中が乾燥すると、歯垢(プラーク)に含まれる空気好む菌(好気性菌)が増える傾向にあるといわれています。
歯垢に含まれる好気性菌が増えると、歯肉に炎症が起き、歯と歯茎の隙間(ポケット)が深くなります。深くなったポケットには空気が入りにくいため、空気を嫌う(嫌気性菌)歯周病菌が増え、歯周病が進行する原因となります。
進行した歯周病は口臭の原因です。

ホルモンバランスの乱れ

女性の場合、排卵日や月経前、月経中といった時期に、ホルモンバランスの乱れによって口臭が出ることがあります。

舌苔

最も多いとされる口臭の原因で、舌の表面に付着した白い苔(こけ)がべったりと付着して口臭が起こります。細菌や真菌(カビ)が集まり、口臭の原因になるとされています。舌ブラシを使用して舌を優しくブラッシングすることで、舌苔が取れて口臭が改善する場合があります。

口臭のほとんどは歯周病や虫歯が原因といわれています。 細菌や歯垢などが原因の口臭は、メチルメルカプタンやジメチルサルファイド、硫化水素といったガスが混合しているため、独特で不快な臭いがします。

②口臭のセルフケア

口臭の多くは口内環境によるものであり、日々の口腔ケアでお口の中が清潔であれば、口臭を減らすことができる場合があります。
口臭の原因で最も多いとされる歯周病や虫歯は、毎日歯磨きをしっかり行なうことで歯垢を取り除き、歯周病や虫歯が進行するのを防ぐことができます。
歯磨きの際に口臭ケアに効果があるとされる歯磨き粉を使用したり、マウスウォッシュやデンタルフロスを使ったりすることで、歯垢や食べカスなどの汚れをよりきれいに取ることができます。外出時には、マスクを付ける前にマウスウォッシュで口をゆすぐとお口の中の細菌が増えにくくなります。
また、舌の表面に細菌などが付着する舌苔は、舌専用のブラシを使用することで無理なく丁寧に汚れだけを除去できるようになります。
ドライマウスが気になるという方は、上顎の奥歯や顎の下などにある唾液腺をマッサージすることで、唾液腺が出やすくなってお口の中が潤います。

また、臭いの強い食事やお酒をよく飲むという方は、息をリフレッシュさせるエチケットグッズを常備するとよいでしょう。喫煙が原因で口臭が出るという場合は、禁煙を検討してください。 また、家庭で口臭の強さを測れる商品も販売されています。歯科医院でも口臭をチェックができますが、日々気軽に知りたいと時は家庭用のアイテムを使用してみるのもよいのではないでしょうか。

③口臭が改善しない場合は歯科医院を受診しましょう

セルフケアだけでは口臭が改善しない場合、歯科医院でお口の中の環境をチェックすることをおすすめします。
歯周病や虫歯は、進行してしまうとセルフケアだけでは改善できません。汚れが残ったままにしていると症状が悪いほうへ進行してしまいます。
歯周病の場合、歯石の付着、また、歯の下の方にまで歯石の付着範囲が広がっていると、セルフケアでは除去できません。そのまま放置すると、歯茎が炎症を起こし膿が出て口臭が強くなる原因となります。
歯科医院で歯周病の治療することで、口臭が弱くなる可能性があります。また、口臭だけでなく、将来にわたってお口の健康を維持する意味でも、歯周病や虫歯は治療しましょう。
また、定期検診を受けるようにして歯周病や虫歯などの早期発見に努めたり、TBI(Tooth Brushing Instruction)と呼ばれるいわゆる歯磨き指導を歯科医師・歯科衛生士から受けることで、セルフケアが向上します。
口臭の少ない環境を維持するためにも、歯科医院での定期検診に通うとよいでしょう。

④臭いの原因がマスクにあることも

原因がお口の中ではなく全身疾患に関連する可能性がある場合は、病院で診断を受けるようにしてください。
お口や全身の症状などが原因ではなく、口臭測定器でも口臭が測定されない場合は、マスクそのものが呼吸によって臭っている場合があります。長い時間マスクを装着しなければいけない場合は、こまめに新しいマスクに取り替えるなどの工夫をするとよいでしょう。
口臭を自覚するということは、お口の中の関連した疾患を示唆している可能性があります。
コロナの流行で歯科医院へ行きづらい、感染が怖いと感じるかもしれませんが、お口の健康のためにも、歯科医院へ相談・通院してみましょう。