非歯原性良性腫瘍とは?

良性腫瘍は、体のさまざまな部位にできる可能性があり、頭頸部に発生することもあるのです。

お口の中にも良性腫瘍ができる場合があり、歯や歯周組織に由来しない腫瘍が発生することもあります。「非歯原性良性腫瘍(ひしげんせいりょうせいしゅよう)」と呼ばれます。

発生部位によっては歯にも痛みを感じることもあります。また、歯だけでなく顔面などにも痛みを感じるケースもあるのです。

歯が原因ではない歯痛には下記があります。

・三叉神経痛などの発作性神経障害性疼痛

・帯状疱疹性神経痛、帯状疱疹後神経痛などの持続性神経障害性疼痛

・片頭痛や群発頭痛などの神経血管性頭痛

・上顎洞疾患(蓄膿症)

・狭心症などの心臓疾患

・筋や筋膜痛

・身体表現性障害、統合失調症、大うつ病性障害などの精神疾患

・非定型歯痛を含む特発性歯痛

もし、虫歯や歯周病がないにもかかわらず歯に痛みを感じる場合は、上記が原因かもしれません。

非歯原性良性腫瘍の主な種類

非歯原性良性腫瘍には、たくさんの種類があります。その中でも主要なものが「上皮性腫瘍」と「非上皮性腫瘍」です。両方の腫瘍にどんな違いがあるのか説明していきます。

上皮性腫瘍

上皮性腫瘍とは上皮にできる腫瘍のことで、非歯原性良性腫瘍で代表的なものとしては乳頭腫(にゅうとうしゅ)があります。

乳頭腫とは粘膜の表面にできたイボの腫瘍性増殖のことです。

一般的には舌や口の中の上部分(天井)の口蓋(こうがい)、頬の粘膜、口唇、歯槽堤(しそうてい)などに腫瘍ができますが、上皮性腫瘍自体は比較的珍しい疾患とされています。

非上皮性腫瘍

非上皮性腫瘍とは、上皮以外の組織にできる腫瘍のこと。「上皮以外の組織」には筋肉や血管、骨、血液などが挙げられます。

非上皮性の非歯原性良性腫瘍でも血管やリンパ管のほか、筋、脂肪、骨、軟骨、線維、神経系などに生じます。

上皮にできる腫瘍とは異なり、自身では中々気づけない場所にできる場合もあります。歯科治療を受けたときのレントゲン撮影などで発見されるケースもあります。

腫瘍の大きさや場所によっては、顔が変形したように見えるでしょう。外見でも変化がわかる場合は、腫瘍が大きくなっている可能性があります。

非歯原性良性腫瘍は危険性がないって本当?

完全に摘出すれば基本的に再発しない

良性の腫瘍は完全に摘出することで、ほとんど再発しないといわれます。完全に摘出できなかったとしても、悪性腫瘍に比べ再発する確率は低いでしょう。また、悪性腫瘍のように他の組織に転移することは基本的にないため、生命に大きな影響を及ぼす可能性はありません。

*まれに良性腫瘍が悪性化する場合もあります。非歯原性良性腫瘍が発見されたら摘出してもらいましょう。

腫瘍が大きくなりすぎなければ機能障害はない

非歯原性良性腫瘍は、周囲の組織を圧迫するほど大きくならなければ、機能障害は起きません。まだ小さい段階で早期発見できれば、緊急で手術を受ける必要はないでしょう。

ご自身のスケジュールを考慮しながら医師と相談し、余裕があるときに摘出してもらっても良いでしょう。

一部の血管腫やリンパ管腫は摘出できない

非歯原性良性腫瘍が見つかったときの治療方法としては、基本的に腫瘍を摘出します。ただし、血管腫やリンパ管腫では難しく、血管腫の治療ですが、硬化剤という特殊な薬剤を注入して炎症を起こし腫瘍を縮小させる硬化療法などが行われます。

まとめ

歯と関係なくできる腫瘍「非歯原性良性腫瘍」は、生命に大きな影響をすぐに与えるわけではありません。完全に摘出すれば再発は少なく、転移もしないでしょう。

ただし、腫瘍が大きくなりすぎると顔が変形することがあり、まれに悪性化することもあるため、小さいうちに早めに完全に摘出しておくのが体の負担も小さく得策です。

お口の中に腫瘍が見られたら慌てず、歯科医院や口腔外科のある病院などで診てもらいましょう。