口臭は男女差あり!”若い女性”は男性よりも…

口臭は男女差あり!

口臭は誰にでもあるもの。

ですが、近年の研究では口臭に男女差が存在することがわかってきました。

口臭が一定の基準値を超えている人の割合を算出した2019年のデータでは、男性が8.3%に対して女性が17.9%と、女性の割合が2倍以上となっています。

年齢では、中高齢層(40~69歳)の女性が24.1%と最も多く、およそ4人に1人が口臭の基準値を超えているんです。

また、若年層(20~39歳)の女性が11.5%と2番目に多く、中高齢層の男性(9.3%)を上回る結果に。

意外にも、中高齢の男性よりも若い女性の方が口臭が強い傾向にあるという数字が出ています。

参考:口臭白書2019

なぜ女性のほうが口臭が強くなるのでしょうか?
実は、歯磨きの仕方や磨き残し、お口への意識などとは関係がない、女性特有のお口の臭いの原因があるのです。

口臭の男女差はホルモンが原因!?

口臭の男女差はホルモンが原因!?

女性ホルモンが口臭を強くする

女性の方が口臭が強くなる大きな理由として、女性ホルモン(エストロゲン)の存在が考えられます。

例えば、歯周病は女性の方が多いと言われています。
それは、女性ホルモンの分泌量の変化によってお口の中の唾液量や血液環境などに影響が出るためです。

唾液の分泌が減ると口臭が増加するので、女性ホルモンの分泌が変動するとさらに口臭が強くなる可能性があるのです。

女性ホルモンは月経周期や妊娠などによって分泌量が大きく変化します。
女性ホルモンが増加する時期は唾液の分泌量が減るほか、女性ホルモンを栄養素とする歯周病菌が増殖するため、歯周病になりやすかったり口臭も強くなったりするのです。

月に1~2度、ふと口臭が気になるタイミングがあるのは、生理周期や女性ホルモンの周期によるものかもしれませんね。

とりわけホルモンのバランスが変動しやすい、思春期・妊娠前後・更年期といった時期には、より口臭にも変化が出やすくなります。

「口が臭い女性=口が汚い女性」ではない

「口が臭い女性=口が汚い女性」ではない

ホルモンを理由とした口臭はあくまで生理的口臭(※1)であり、お口の中の疾患が原因となる病的口臭と歯異なります。

口が臭い=口が汚い/歯磨き不足と思われがちですが、それは間違い
女性ホルモンの乱れによる生理的口臭は、お口の中がいくらきれいでも起こることがあるんです。

もちろん、お口の中が汚ければ口臭はより強くなりますので、口臭が気になったら一度お口の中を徹底的にきれいにすることは効果的です。
ですが、日ごろから定期検診を受けたりきれいにしているのであれば、もっときれいにしなきゃ、と思いつめないようにしてくださいね。
ホルモンバランスによる口臭

口臭が気になる方は多いかと思いますが、ホルモンバランスの乱れによる口臭は必要以上に過敏になる必要はありません

ですが、生理的口臭だと思い込んでいると、虫歯や歯周病が原因の病的口臭を見逃してしまうことも。
口臭が気になった時は、まずは一度歯科医院で検診を受けて虫歯や歯周病がないかを確認してみてくださいね。

※1…生理現象によって起こる口臭。詳しくは下記にて紹介。

口臭は相手にわかってしまう?

口臭は相手にわかってしまう?

口臭は、相手の顔からおよそ30㎝以内だと相手に不快な思いをさせてしまう、とされています。

通常の会話ややり取りをしている距離感であれば、相手の口臭を感じることは少ないでしょう。
もし少し口臭があったとしても、それがあまりに強い口臭でさえなければ相手に気付かれる可能性は低いと言えそうですね。

逆に、相手に指摘されない限りは強い口臭ではないということです。
  会話をしていて口臭が気になるかどうか、家族や気が置けない友人に聞いてみてもいいかもしれません。

口臭測定器

それでも「相手が指摘しないだけで臭いのかも…」と気になる方は、簡易口臭測定器を使ってみてはいかがでしょうか。
  簡易口臭測定器は、自分の口臭の度合いを客観的に数値で示してくれるものです。
実際に出た数値に応じて対応を考えていくと、より安心して日常生活を送っていけるでしょう。

知っておきたい口臭の基礎知識

生理的口臭

生理的口臭

唾液はお口の中の汚れを洗い流す浄化作用を持っており、お口の中での最近の増殖を抑制する効果があります。
  逆に言うと、唾液の分泌量が減少する起床直後や空腹、緊張しているシーンなどでは、お口の中の細菌が増加し、口臭も強くなる傾向があるのです。

また、先にもご紹介しましたが、女性ホルモンのバランスが乱れることにより唾液の量が減っていると口臭が強くなりがちです。

あくまで生理現象や食事などの要素が原因で発生する口臭で、いずれも時間が経てば自然と弱まっていきますよ。

病的口臭

病気などの身体的なトラブルが原因となって発生する口臭を病的口臭と言います。

病的口臭の代表的なものは、虫歯や歯周病などお口の中の病気が原因の物です。
  また、入れ歯や詰め物があっていない場合や、歯垢、歯石、舌苔(ぜったい)、さらには口腔がんも病的口臭の原因です。

そのほか、胃や腸など内臓の疾患や糖尿病、便秘、慢性鼻炎、蓄膿症、肝機能の低下が口臭を引き起こすことも。

気になる臭い、本当にしてる?自分だけが感じてる口臭では、お口の中以外からくる口臭の特徴がまとめられていますのでぜひ参考にしてみてくださいね。

男女別!おすすめの口臭ケア

男女別!おすすめの口臭ケア

男女におすすめ!口臭ケア

男性の口臭はホルモンに左右されることはあまりなく、多くが病的口臭です。
男性が口臭が気になった場合は、まずはお口の中をきれいにすることから始めましょう。

虫歯や歯周病の治療を受ける

虫歯や歯周病の治療を受ける

虫歯と歯周病は口臭の大きな原因です。
まずは歯科医院でチェックを受け、最後までしっかり治療しましょう。

虫歯や歯周病を治療していないと、いくらきれいに磨いても口臭はなくなりませんよ。

歯磨きを徹底する

歯磨きを徹底する

歯磨きの徹底は虫歯や歯周病の予防になります。

また、歯垢や歯石など口臭の原因を取り除いたり予防することができますよ。
病的口臭を改善するためには、お口の中の清潔は欠かせません。

時間をかけて磨いているから、自分ではしっかり磨いているつもり、という方でも実はたくさん磨き残しがあるケースが多いんです。
歯科医院で歯磨き指導を受けたり、磨き残しがあるかどうかのチェックを受けて、歯磨きの仕方を一度見直してみてくださいね。

舌苔を落とす

舌苔を落とす

舌苔は口臭の大きな原因の一つ。

舌を前に出した時に真っ白になっている場合は、舌苔を取り除きましょう。
歯ブラシで強く磨くと舌が傷ついたり、痛みが出る原因になってしまいます。
舌磨きや舌ブラシと呼ばれる、舌苔を取り除くためのグッズを使うようにしましょう。

また、舌苔はすべてを完全に取り切ることはできません。
表面に付いた、舌ブラシで簡単に取れる舌苔を取り除く程度にしてくださいね。

ストレスを溜め込まない

ストレスを溜め込まない

ストレスを感じている時には自律神経のバランスが崩れて唾液の分泌量が減少するため、口臭が発生しやすくなってしまいます。

精神面の悪化は口臭がなくても口臭があると思いこんでしまう口臭(心因性口臭)などの原因にもなります。口臭予防の観点からも、可能な限りストレスを溜め込まないようにしてみましょう。

食事に注意してみる

食事に注意してみる

食材によっては、食べることで口臭の原因になるものも。食べ物によって起こる口臭を、外因性口臭と言います。

口臭が気になるようであれば、ニンニクやネギといった口臭に繋がる食材はできる限り避けるのも効果的です。

禁煙・禁酒

禁煙・禁酒

タバコやアルコールは身体に悪いというだけでなく、口臭を悪化させることにもつながります。

お口の中をケアしても口臭が治らない場合は、原因はお口の中ではなく、胃や腸など全身の病気が原因となっている可能性が考えられます。
また、口臭が一度気になると不安で常に口臭がしている気がしてしまうこともあるんです。

お口の中をきれいにしても口臭が治らない場合は、お口の中のケアは続けつつ、別の口臭の原因を探してみてくださいね。

女性におすすめ!口臭ケア

女性におすすめ!口臭ケア

女性ホルモンのバランスの乱れによる口臭は、病的口臭の対策をしてもなくならないものです。

女性が口臭が気になった時におすすめの口臭ケアをご紹介します!

こまめにマウスウォッシュを使う

こまめにマウスウォッシュを使う

マウスウォッシュはお口の中をすっきりさせるほか、お口の中の細菌の繁殖を抑制するこうかがあるものもあり、口臭をケアすることができます。
歯磨きをした後に使うことがおすすめです。

唾液が出るマッサージを行う

唾液が出るマッサージを行う

女性の生理的口臭の大きな原因は唾液の減少。

そこで、唾液分泌促進効果のあるマッサージを行うと効果的な口臭対策になりますよ。

入れ歯が外れやすいのは 口腔乾燥(ドライマウス)が原因かも!では、唾液マッサージのやり方をご紹介していますので、取り入れてみてくださいね。

水分補給をこまめに行う

水分補給をこまめに行う

お口の中が乾燥すると雑菌の増殖につながり、それによって口臭も増します。

水分不足は口臭だけでなく熱中症などの症状を引き起こす危険性もあるため、お口や喉の渇きを感じた時はこまめに水分補給をしておくと安心です。

ガムやタブレットを食べる

ガムやタブレットを食べる

お口の中の乾燥が強くて気になる、乾いて歯に唇や頬が張り付くなどの場合は、ガムやタブレットを食べることで唾液の分泌を促すことができます。
また、ガムを噛む動きでお口の中が刺激され、唾液が分泌しやすくなります。

甘い飴やガム、お菓子を食べ続けてしまうと虫歯の原因になるため、こまめに食べたい方はキシリトール配合のものを選ぶのがおすすめですよ。

ホルモンバランスを整える

ホルモンバランスを整える

口臭の原因となるホルモンバランスの変動をある程度制御することができれば、口臭の抑制につながります。

ホルモンバランスを完全にコントロールすることはほぼ不可能ですが、生活環境を整えたり、通院したりすることによって、ホルモンの変動を少なくしていくことも重要となります。

マスクスプレーを使う

マスクスプレーを使う

マスクをしている時は、自分自身で吐き出した息を吸い込むため口臭が気になるもの。
また、息に含まれる水分(唾液を含む)がマスクに染み込むためマスクが臭い原因になることが。

殺菌効果のあるマスクスプレーは、除菌や抗菌の効果と良い香りで気になるマスクの臭いを解消することができますよ。

また、マスクの臭いが気になる時はマスクに雑菌が繁殖しているかも。
  臭いが気になったら新しいマスクに交換しましょう。

まとめ

ホルモンが原因となる女性の生理的口臭は完全な対策は難しいものです。
妊娠や睡眠などにより唾液が減少し、口臭が出るのは歯科がのないことであり、気にしすぎないことも大切です。

虫歯や歯周病などによる病的口臭につながらないよう、お口の中のケアをしっかりと行い、歯科医院で定期検診を受けてお口の中の良い状態を保てるようにしてくださいね。