歯周病と歯槽膿漏の違い
歯茎のケアグッズで「歯周病ケア」と「歯槽膿漏ケア」の2つを見たことはありませんか?
そろそろ歯茎のケアを始めよう…と思ったときに、どちらを選んでいいか迷った方も多いはず。
なんとなく歯槽膿漏のほうが重度に感じますよね。
でも、実際は歯周病と歯槽膿漏は、同じ意味として使われています。
歯磨き粉のテレビCMなどで「歯槽膿漏を防ぐ」と言っているのは、すなわち歯周病予防のことになります。
どちらも歯茎からの出血や腫れを抑え、歯茎を健康な状態に保つことを目的としているはずです。
歯周病は、歯と歯茎の間(歯周ポケット)で細菌が繁殖し、周囲が炎症を起こしてしまう病気です。
初期段階では自覚症状がないので気づきにくく、進行すると炎症がひどくなり出血するほか、歯が抜け落ちることもあります。
なぜ同じ意味の単語が別々で使われているのでしょうか?
歯周病は、歯周病という単語が広まる前は歯槽膿漏と呼ばれており、正確には「歯槽膿漏症」という名前がついていました。
なので、少し年齢が上の方は、歯周病より歯槽膿漏のほうがよく聞いたことのあるかもしれませんね。
歯周病と歯槽膿漏は同じ意味ですが、特に「歯茎からの膿が出る状態を予防する」という意味で使われていることもあります。
実際はこれも歯周病が重度になると膿が出てくる症状のことであり、歯周病予防でも同じ効果が期待できますよ。
歯肉炎は歯周病の初期段階
歯周病の初期段階を歯肉炎といい、歯茎が少し腫れて歯磨きのときに出血することがあります。
歯を支える顎の骨は溶ける前で、歯茎の炎症のみを起こしている状態です。
歯肉炎を起こす原因は、歯と歯茎の間に歯垢(プラーク)という細菌の塊が付着することとされています。
いわゆる毎日の歯磨き不足が原因のお口の中の状態不良ですね。
歯肉炎の段階であれば歯医者さんでの治療をしっかり受けることで、歯周病へと進行を予防し、改善することができます。
歯周炎は歯周病がある程度進行した状態
歯周炎も程度によって段階が異なりますが、細菌が歯を支えている歯槽骨や歯茎にまで影響します。
歯周炎は歯槽骨を溶かし、重度になると歯が大きくグラついてきます。
最悪の場合は、歯の周りの骨がほとんどすべて溶けてしまい、抜歯が必要になることも。
また、歯磨きの際に出血するだけでなく、膿が出てくることがあります。
歯茎が下がることで歯と歯の隙間が大きくなり目立つようになるので、口元を見たときにそうした所見が現れたら要注意です。
歯茎の腫れや出血が気になったら歯医者さんで相談を!
歯周病は進行段階によって呼び名が異なり、ごく初期は歯肉炎、歯肉炎が進行すると歯周炎になります。
歯肉炎の段階であれば、歯医者さんで歯垢を取り除くことで早期に改善することは可能です。
しかし、放置してしまうと歯を支える骨が溶けてしまう歯周病に進行してしまいます。
歯周病になれば、治療が難しくなり時間もかかります。
歯周病を予防するためには毎日の歯磨きを丁寧に行うほか、定期的に歯医者さんで検診を受けることが必要不可欠です。
歯磨きのたびに出血する、歯がぐらつく気がする、歯茎の色が赤や紫など色味が悪い、などお口の中の異変に気が付いたらすぐに歯科医院にかかるようにしてくださいね。