寝ている間のお口の中は菌が繁殖しやすい

なぜ朝起きた時に、お口の中が気持ち悪い、ねばねばするといった不快な感覚や、口臭を強く感じるのでしょうか？

口臭は時間帯や口にした食品、生活習慣などで変化します。

特に、朝起きたとき、お腹が空いているとき、緊張しているとき、疲れているときは「生理的口臭」に分類され口臭が強まります。

その中でも、寝起きの口臭は「モーニングブレス」とも呼ばれ、一日の中で最も強い口臭であると考えられているのです。

菌は、お口の中にある食べかすやはがれた口腔粘膜などに含まれるタンパク質成分を分解し、口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物というガスをたくさん作るのです。

ねばつきや口臭の原因菌を繁殖させないことが大切なのですが、寝ている間は唾液の分泌量が減って、最近に対する唾液の免疫機能や、菌を洗い流す唾液による自浄作用が弱まります。

唾液の作用が減ることにより、お口の中で菌がどんどん繁殖してしまい、朝起きたときにお口のねばつきがあったり口臭がきつくなったりするのです。

また、寝ている間に口呼吸をしているとお口の中が乾燥し、通常よりもさらに唾液の分泌量が減って、菌が繁殖しやすくなります。

菌の繁殖以外に口臭につながるものとして、前日にニンニクなどの強いにおいのする物を食べている場合があります。

これは、食べ物に含まれるにおいの成分が消化・吸収されて血液に運ばれ、肺で息と混ざることで口臭がきつくなるのです。

寝起きの口臭、気持ち悪さが気になる…

寝ている間のお口の状態が原因とはいえ、朝起きた時にお口の中が気持ち悪かったり、強い口臭を感じることは避けたいですよね。

寝起きのお口の不快感を改善する方法はないのでしょうか？

寝起きの不快感は、菌を繁殖させないためにお口の中を清潔にしたり、お口を乾燥させないようにするなどのポイントを抑えることで軽減することができるかもしれませんよ。

寝る前の歯磨きで、寝起きの口の中を改善！

お口の中のねばつきや口臭の原因となる菌を繁殖させないように、夜寝る前にしっかりと歯と舌の掃除を行いましょう。

日中は歯を磨く時間が十分に取れないという方も、寝る前に丁寧に歯磨きして食べかすを取り除くことで、寝起きの口臭などは改善されます。

特に口臭の原因菌は、歯と歯の間など磨きにくい所にも存在するので、歯ブラシに加えてフロスや歯間ブラシを使って、歯と歯のすき間もしっかりと磨くことをおすすめします。

虫歯や歯周病も口臭の原因となるため、日頃から歯磨きを徹底する習慣をつけましょう。今虫歯がある場合は、早めに治療を行ってくださいね。

マウスウォッシュを効果的に使用して

歯磨きの後に使用するマウスウォッシュには、菌の繁殖を抑えてくれる効果が含まれているものもあります。

歯磨きを丁寧に行っても、お口の中のすべての菌を除去できるわけではありません。
そこで、菌の繁殖を抑えてくれたり、殺菌作用のあるマウスウォッシュを使用することで菌によるお口の不快感を軽減することができるかもしれません。

使うタイミングですが、寝る直前がおすすめです。

お口の乾燥を予防

夜寝ている間は、お口が開いていたり、口呼吸になっていてお口の乾燥が促進されてしまっているかもしれません。

もしもお口の乾燥が酷いようであれば、口を閉じておくためのテープの利用などお口の乾燥を予防してみましょう。

また、年齢が上がったことによるお口の乾燥を感じる場合は、お口の中を潤すための保湿ジェルなどを使用してみても改善されるかもしれません。

寝起きすぐのケアもポイント

寝る前にお口のケアをすることで菌の繁殖は抑えられますが、就寝時は菌が繁殖しやすいものです。

朝起きた時のお口の中はとても汚い状態です。寝ている間に繁殖した菌を放置して過ごしていると、お口の中の不快感や口臭は強まってしまうかもしれません。

そこで、夜に繁殖したお口の中の菌を減らすために、朝起きたらまず歯磨きを行いましょう。歯磨きができない場合は、マウスウォッシュでのうがいをしましょう。

寝起きすぐの歯磨き粉はちょっと気持ちが悪い…という方は歯磨き粉なしでも問題ありません。歯ブラシで丁寧に歯の面を綺麗に磨きましょう。
マウスウォッシュが無い場合なら、水でのうがいをするようにしてくださいね。

朝食をとってから歯磨きをするという方もいるかと思いますが、菌を取り除く前に食事をしてしまうと、食事と一緒に繁殖した菌を飲み込んでしまいます。
何かを飲食する前に、まずはお口の中を清潔にしましょう。

寝起きのスキンシップは歯を磨いてから

寝起きのお口の中は菌が繁殖しているということは、パートナーや子供・家族と朝起きてすぐにスキンシップをとることを避けたほうがいいといえるでしょう。

特に、生まれたばかりの赤ちゃんはお口の中に虫歯の菌がいないことも多いですが、朝起きて菌がたくさん繁殖した人とスキンシップをしてしまうことで、感染してしまう可能性があります。

歯や歯茎の痛みや口臭などのお口の不快感を感じていない人も同様です。

自分自身が不快感を感じていなくても、お口の中の菌は多かれ少なかれ存在しています。スキンシップは歯磨きをしてお口の中を清潔にしてからのほうがいいかもしれませんね。

また、口臭は自分で感じていなくても、相手は気にしているかもしれませんので注意しておきましょう。