歯ブラシだけでは60点

歯と歯の間のプラーク(細菌の塊)は、歯ブラシだけでは落とせません。
フロスを使わずに歯ブラシだけで磨いた場合、歯間部の約61%のプラークしか除去できていないという研究結果があります。

プラーク1mg(つまようじの先ですくった程度の量)あたりに1億もの細菌が含まれてるので、フロスを使わずにケアした歯間部に残った約40%のプラーク中の細菌数は計り知れないものです。

歯と歯の間のケアには、フロスや歯間ブラシの使用が欠かせません✩

参考:日歯保存誌、48、272(2005年)

歯と歯の間は汚れがたまりやすい!

歯の表面(平滑面)はツルツルしていてプラークがたまりにくいですが、噛み合わせの面や歯と歯ぐきの間、歯と歯の間といった隙間にはプラークがたまりやすいです。

その中でも、歯と歯の間にたまったプラークは歯が隣り合っている部分(隣接面)のむし歯の原因となったり、隣接面直下の歯ぐきの炎症(歯周病)の原因となります。
歯ブラシが入り込まない歯と歯の間のプラーク除去はフロスの使用が有効となります✩

デンタルフロスは歯磨きの前!?

フロスと歯ブラシでのケアの順序ですが、フロス→歯ブラシの順でケアした方がプラークの量が減少したという研究結果があります。
歯学部生25名を対象に行われた研究で、歯ブラシ→フロスの順にケアする場合よりもプラークが減少したとの結果が出ています。

また、同研究ではどちらの方が歯間部にフッ化物が残りやすいかも検証されており、こちらもフロス→歯ブラシの方が滞留しやすかったそうです。
フッ化物入りの歯磨き粉を使って歯磨きした後はキャップ一杯程度の量のお水でのうがいをおすすめしています。

フロスを先にしてしまった方がうがいの量が減るのでフッ化物が歯間部にも残りやすいということですね。
こちらの研究ではこのような結果が出ていますが、うがいの仕方やその方その方の歯並びなどといったお口の中の状況によっても異なると思われますので参考程度にお考えください。

参考: https://aap.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/JPER.17-0149

タイミングよりもデンタルフロスを使うことが大切

順番も気になるフロスの方法ですが、先に歯ブラシで磨いたからといって大きな問題は検出されていないです。
順番というよりはフロスを使っていない方はまずフロスを使ってケアをすること、使っている方はその方法などを変えていくことのほうが大切かもしれませんね✩

まとめ

日本の中ではまだまだ浸透していないフロス文化。海外ではお口の中のケアの一環として当然のように使用している国もあります。
フロスに興味を持ち始めた今がチャンス!

歯ブラシだけでのケアではどうしても限界がありますのでフロスでのケアも日常的に取り入れていきたいものです。使い方などは歯医者さんでも教えてもらえますよ。
使い方をマスターしてむし歯や歯周病を予防しましょう!