虫歯でボロボロでも治療できるの?

デンタルケアに必要な道具

もしあなたの歯が虫歯でボロボロだとしても、歯医者さんできちんと治療はできます。
歯医者さんでは歯がボロボロになってしまっている患者さんはよく来院します。
お口の中がボロボロだな、と思っても気にせず歯医者さんに行って大丈夫です。

歯医者さんに来る患者さんの中には、痛みに対する応急処置を希望して来院するけれどよくみると全体がボロボロ、なんて方も多いんです。
「歯がボロボロになっているかもしれない」「治療が必要なお口の中になっている」ということを患者さんが意識していることが大切です。

歯医者さんが怖いという患者さんには、できる限り痛みを感じにくいようにしたり、急に大きな治療はせずに歯医者さんに慣れるように歯石取りなど少しずつ治療を進めていくなどの工夫をしながら治療をすることもできます (他に、全身をリラックスさせる麻酔をかけて治療を受ける方法(静脈内鎮静法や笑気麻酔)もあります)。

いきなり全部の歯の治療をすることはなかなか難しいですが、少しずつ患者さんのペースに合わせて治療しお口の機能が回復するようにしていきます。

一般の歯科では対応してもらえないこともありますが、歯医者さんが怖い患者さんの対応を得意とする歯医者さんも増えてきています。
歯医者さんが怖いな…と感じる方は、歯科医院のホームページなどで患者さんへの対応を詳しく説明していたり、歯医者さんが怖い方への対応を記載している歯科医院を選んでみると良いかもしれませんね。

歯医者さんが怖くても、通院やお口の中の治療を諦める必要はありません。

ボロボロの歯の治療方法

形成した歯

では、ボロボロになってしまった歯を治療する方法をご紹介します。
歯科医院の方針や歯の状態によってはご紹介する治療法が当てはまらないこともありますが、どんな治療をするのかがわかれば怖さが軽減されることも。
参考にしてみてくださいね。

虫歯が小さく軽度であれば虫歯の部分を削り取り、レジン(歯科用レジン・歯科用プラスチック)と呼ばれる白いプラスチックの詰め物をして、歯を修復する方法があります。

また、虫歯によって歯が大きく欠けている場合には虫歯を削り取ったあと、形を整えて銀歯やセラミックと呼ばれる素材などを被せる補綴(ほてつ)治療を行います。
この場合、被せる素材で保険診療か自費診療かが異なり、費用が大きく変わるため歯科医師の先生と相談してくださいね。

虫歯が進み、神経が死んでしまったり神経を抜く処置が必要な場合は歯の根の治療をしてから歯全体を覆う被せ物をすることになります。
また、削らなくても良いほど小さな虫歯(エナメル質う蝕)は虫歯予防に効果的なフッ素の塗布やブラッシング指導に留めて削らないことが多いです。

ボロボロの歯の治療費は高くなる?

ボロボロの歯の治療費は高くなる?

「歯がボロボロだと治療費が高そう…」と心配になりますよね。
基本的に日本の歯医者さんでは公的医療保険を適用した治療を受けることができますので、患者さんは治療にかかった費用の1~3割を負担するだけで済みますよ。

不安な場合は、治療を始める前にお口の中で治療が必要な部分、その治療にかかる患者さんの負担金額を聞いてみるといいかもしれませんね。

被せ物にセラミックやジルコニアなど自費治療(患者さんが全額自己負担の治療)を選択した場合は費用が高額になりますので、治療を受ける前に歯医者さんと相談しましょう。

もし、短期で一気に治療したいという場合は、1度で集中的に治療を進めるプランを用意している歯医者さんもあります。
その場合、治療に公的医療保険が適用されないケースがほとんどですのでよく確認してみてくださいね。

歯が残せないくらいボロボロな場合

残せないくらいボロボロな歯

虫歯が進行すると、歯の根っこしか残っていない状態になることもあります。
歯の根が残せると診断された場合は、歯の根の治療を行い、その後差し歯などで治療を行います。

歯の根も虫歯になっている、歯の根が割れているなどは、歯を抜いて入れ歯やブリッジ、インプラントなどの治療が必要になります。
入れ歯やブリッジは公的医療保険を適用して治療を受けることができますが、インプラントは自費治療ですので希望する場合は事前に費用をよく確認してください。

歯医者さんが怖い方は、抜歯(歯を抜く)も怖いと感じるかもしれません。
ですが、抜歯しなければいけない歯を残していると、顎の骨の中に菌が入り込み、より痛みを感じたり大変な治療が必要になることもあるのです。

抜歯は局所麻酔をかけて行うので、抜く時に痛みを感じることはほとんどないでしょう。
抜歯が怖い場合は、よりしっかりと麻酔をかけてもらえるかもしれないので歯医者さんに伝えてみてくださいね。

虫歯を放置しているとどうなる?

虫歯を放置しているとどうなる?

虫歯はケガとは違い、自然に治ることはありません。
痛みがなくなってもそれは虫歯が進行して神経が壊死したからであり、そのまま放っておくとさまざまな症状を引き起こすおそれがあります。

虫歯の原因となる細菌は歯の内部を侵していき、重度の場合は歯根の先端に膿ができて激しく痛みます。
膿の除去が難しいケースでは、抜歯や歯根の患部を切除しなければなりません。

また、炎症などによって口臭が発生するほか、細菌が溜まって副鼻腔炎を起こすこともあります。

虫歯により歯を失ってしまうと、硬いものなどが食べにくくなります。
食生活に偏りが出たり噛む力が弱まったりすることで、全身の健康が衰えることにもなりかねません。
噛むことができなくなると、認知症の可能性が高まるという報告もあるんです。

また、顎の骨が減少して変形したり、歯がなくなって頬がこけたりと、見た目に違和感が出ることもあります。

さらに、虫歯菌は血管を通って全身を巡り、脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクを高めると考えられています。

お口の疾患は全身の疾患につながる可能性があるため、虫歯は放置しないようにしてくださいね。
治療の途中でやめてしまうことも同様に危険です。

歯医者さんが怖い!そんな時にできること

虫歯菌と闘う歯のイラスト

治療が必要でも、どんな治療をするかがわかっても、歯医者さんに行くのは怖いですよね。
単純に痛みが怖いこともあれば、トラウマによって怖く感じるケースもあり、治療中の姿勢・音・まぶしさが辛い方など様々。

歯医者さんでは、歯医者さんが怖い患者さんが来院されることを想定しているところもたくさんあります。

まずは、歯医者さんに治療が不安である、または怖いということを伝えるようにしましょう。
患者さんの気持ちや怖いと感じるポイントを知ることでより患者さんの気持ちや恐怖に寄り添った治療ができるため、歯医者さんにとっても知りたいことなんです。

理由はわからないけど歯医者さんが怖い、というのも大丈夫です。
歯医者さんは治療しながら怖いかどうかを患者さんに確認しながら行うので、まずはよく歯医者さんと話しをする時間をとってみてくださいね。

最初の通院でいきなり歯医者さんの椅子に座り治療を受けたり検査をするのが怖い場合は、「カウンセリングだけ受けたい」と伝えてみましょう。
そのカウンセリングを断る歯医者さんや、カウンセリングの時に配慮が足りなかったと感じる歯医者さんは、あまり合っていないのかもしれません。

カウンセリング風景

歯医者さんと話して「この歯医者さんなら大丈夫かも」と思える歯医者さんの元で治療を受けるか、何度か繰り返し話をして信頼関係を築いてから治療を始めるのも一つの方法です。
不安を抱えたままの治療は、より怖さを増すかもしれないので注意してくださいね。

いきなり治療の難しい歯からスタートするのではなく、簡単に処置できる歯から始めてもらうのも、治療に慣れていくうえのコツになります。
たくさん治療が必要な場合は、一気に全部治すのではなく、余裕を持った計画を立てましょう。

なるべく苦手な歯医者さんに行く回数は減らしたいかもしれませんが、予定を詰めて無理に治療を受けているとそのことがストレスとなり通えなくなってしまうことも。
歯医者さんと相談しながら無理のないペースで通うようにしましょう。

まとめ

虫歯や歯周病は放置するとそれだけ進行して症状が重くなってしまうので、早めに歯医者さんで治療を受けていただきたいと思います。

もし歯医者さんが怖く躊躇してしまう場合は、治療時の痛みや手順など不安な点を事前にまとめておきましょう。
不安な点をメモにまとめて歯医者さんに答えを書いてもらったり、自分でメモを取りながら歯医者さんと話しておくと、家に帰ってからもう一度考えるときに役立ちますよ。

治療期間中に再び通うのが怖くなっても、独断で通院を止めないようにしましょう。
治療の内容によっては、途中でやめてしまうとお口の中がよりボロボロになってしまったり、後から大きな治療が必要になってしまうこともあります。

途中で治療が辛くなったと伝えても、怒られたり通院を拒否されることはありません。
もしも歯医者さんに伝えづらければ、ほかの歯医者さんのスタッフに話してみてください。

今までコンプレックスになっていたお口の中がきれいになれば、悩みが軽減してこれまで以上に明るく過ごせるようになるかもしれません。
ぜひ、歯医者さんに相談してみてください。