【根の治療】:「保険診療」と「自由診療」の違い


根の治療:保険診療の場合

一般的に、保険治療の中では赤字部門と言われている治療です。手間や時間がかかるうえ、消耗品も多く必要になります。

そういった原因により、その中でもなるべく時間をかけずに一度の治療を終わらせざるを得なかったり、理想と現実が交差する治療となってしまったりすることが多いのが一般的です。
ですので、一度の治療時間を15~30分で複数回に分けるため、何度もご来院いただく必要があります。

また、使用する薬剤は、保険で決められたものしか使用できません。(現在の保険診療が開始されたのが昭和23年で、歯科の分野においては、その頃に指定されたままの薬剤もあり、保険診療での指定薬剤の中には、ハウスシック症候群の原因を疑われるホルムアルデヒド成分が含まれるものもあります)

根の治療:自由診療の場合

保険診療で決められた方法や薬剤などではなく、世界的に見てエビデンスのある方法や、グローバルスタンダードな方法を取り入れることができます。

一人の患者さんにかけられる時間も、使用薬剤も、保険診療に比べて制約が少ないので、少ない治療回数で再発のリスクを軽減させる治療方法をご提案することができます。

【歯周病治療】:「保険診療」と「自由診療」の違い


病気の改善には、原因の細菌の除去、専門家の指導の下でご自身でのプラークコントロールの習得が不可欠となります。

歯石の原因になるプラークの堆積は、歯の表面に付着するバイオフィルムにより起こるとの見解もあり、歯石が付着するそもそもの前、バイオフィルムの除去を行うことがより効果的な歯周病予防だと考えられています。

歯周病治療:保険診療の場合

歯周病治療では、地域によってルールが違うことがあります。東京近郊では、歯石の除去をご希望の患者さんが来院されても、一度で上下の歯石をお取りすることは、できない決まりになっています。

流れで申しますと、

【1】 歯周病の進行度合いの検査
【2】上下を2回に分けて、歯石の除去を行う
【3】歯周病の治り具合の検査
【4】1. 歯周病がもともとそれほど進行しておらず、病状の改善が見られた場合、ここでひとまず終了となります。
 2. 歯周病の治りが悪いところは、ブロックに分けて、ポケットの中の歯石を小さな刃物を使って掻把(そうは)します。
【5】ポケットの中の歯石を掻把した後、再度、歯周病の治り具合の検査を行います。
 1. 歯周病の改善が見られれば、ここでひとまず治療は一段落します。
 2. 歯周病の治りが悪いところは、外科治療の適応となります。

この中で、1か月に一度、約15分、歯科衛生士によるプラークコントロールやブラッシングなどの指導をお受けいただけます。
また、2か月に一度、専門的な器具による歯の表面のクリーニングをお受けいただけます。

歯周病治療:自由診療の場合

自由診療では、保険診療のような制約がないため、まず、一度に上下の歯石の除去を行うことができます。
プラークの付着の原因となるバイオフィルムに着目したクリーニングを合わせることにより、歯周病の改善が、早くなる方法などもあります。

また、お一人の患者さんにかけられる治療時間も、保険診療に比べて制約がありませんので、マイクロスコープを使用し、しっかりとポケットの中の歯石除去を行うことができるので、外科治療を行わなくても、早期にポケットの改善がみられることが多いです。

どうしてもご自身でのプラークコントロールが難しい方には、患者さんのご都合に合わせて、マメに専門的なクリーニングを受けていただくことが可能になりますので、歯肉に炎症が起きる前に(歯石やプラークによる炎症)、歯周病をコントロールすることができます。
(※バイオフィルムの除去や、マイクロスコープを使用した歯周病治療は、取扱いのない診療室もあります。)


短期集中治療について総括


歯科における短期集中治療は、口の中の細菌由来の炎症を早期に治癒させることを目標にした治療です。

ですので、お忙しい方のみならず(当院では、海外在住の方の一時帰国中の治療、お仕事のスケジュールが忙しく何度も通院できない方の治療、ご自分やご家族の結婚式前にお口元を綺麗に治しておかれたい方、などが多いです)、お口の中の細菌感染が原因で起こるといわれているさまざまな病気(動脈硬化、心疾患、糖尿病の悪化など)や、早産、出産時の低体重児のリスクを低減されたい方にもおすすめできます。