気付かぬうちに進行してしまう「大人の虫歯」

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皆さんは歯の健康に自信がありますか?「最近は歯が痛くないから、虫歯はないと思う」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実に成人の9割以上が虫歯にかかっているといわれています。国内全体で見れば、子供の虫歯は減少、大人の残存歯数は増加している傾向にあるものの、「大人の虫歯」はなかなかなくなりません。
大人の虫歯のリスクはどのようなものがあるのか、そしてどのようにケアをしていけばよいのかをご紹介します。

1. 大人の虫歯とは?

大人の歯が無くなる原因として、歯を支える周囲の骨(歯槽骨)が溶けて無くなる歯周病が挙げられますが、2番目に虫歯、3番目に歯が折れること(破折)が歯を失う主な原因となっています。
しかし、多くの大人が虫歯にかかっているという現状では、虫歯を早期に発見・治療し、予防することも考えていかなければならないでしょう。虫歯も歯周病と同じく、重症化(歯の根っこにウミが溜まる、歯の冠が虫歯で無くなるなど)があれば、歯を抜く必要性が高くなります。

また、子供と大人とで虫歯のタイプが若干異なります。子供の虫歯の特徴ですが、乳歯は虫歯に対する抵抗力が弱く、虫歯の進行が早いです。
さらに、親の育て方にも大きく影響されます。ミルクやポカリスエットのような虫歯菌のえさとなる糖分の入った飲料水を哺乳瓶(ほにゅうびん)に入れ子供の口にくわえたままにすると、特に前歯が虫歯になりやすくなります(専門用語でボトルカリエス)。また、口の中の環境も悪くなり、虫歯が広範囲に拡がりやすいです(専門用語でランパントカリエス)。
大人の虫歯の特徴として、永久歯にそれほど深くない虫歯が広範囲に広がっている「広く浅い」タイプになります。

大人の虫歯は子供に比べれば軽いものが多く、痛みをそれほど感じることが少ないかもしれません。虫歯があることにも気付かず、虫歯が進行してしまうのです。

2. 大人の虫歯の特徴

虫歯は、歯垢の中に潜伏している細菌が糖分を代謝して酸を出します。その酸が歯を溶かすことで虫歯が起こります。これは子供も大人も変わりません。
大人の虫歯の特徴としては、以下の3点が挙げられます。

・歯の根の部分の虫歯の進行が早い

歯周病や加齢によって歯茎が下がってしまい、歯の根が露出しやすくなります。歯の根は歯の冠の表面よりも柔らかいセメント質でできているので、細菌がそこから侵入すると症状が早く進行します。

・横に生えてきた親知らずが原因

年齢が経つにつれ親知らずが成長すると、斜めや真横に生えて隣の歯にぶつかり生えないことがあります。親知らずと接触する面は歯ブラシで磨きづらく、親知らずと手前の歯が虫歯になってしまうことがあります。

・詰め物・被せ物をした歯の中から虫歯(二次カリエス)に

大人は歯を治療してきた積み重ねで、口の中に詰め物や被せ物がたくさんある方もいます。詰め物・被せ物はすき間から細菌が入りやすいだけでなく、内部で気付かないうちに虫歯が進行していることがあります(専門用語で二次カリエス)。特に神経が死んだ歯であれば痛みが途中で出なくなることも多いので、虫歯の発見が遅れ治療が長引く可能性が高くなります。

3. 虫歯予防のために歯磨きはしっかり行いましょう

大人の虫歯は自覚症状が出にくいことが多いため、普段から歯の健康を意識した歯磨きが大切です。虫歯予防に適したセルフケアを見ていきましょう。

・フッ化物配合の歯磨き粉

フッ化物は歯質を強くして虫歯になりにくくする物質です。歯磨き粉の中には、このフッ化物を配合した商品が販売されています。初期の虫歯であれば、フッ化物の働きによって治癒力を高める再石灰化や、虫歯が酸を出すのを抑える効果も期待できます。

・就寝前は念入りに磨きましょう

虫歯の原因となる細菌は、寝ているとき(唾液が少なくなる時間)に口の中で繁殖します。そのため、歯磨きとして非常に大切なタイミングは「就寝前」です。寝る前には時間をかけて隅々まで磨き、細菌を減らして眠りにつくとよいでしょう。ヘッドが小さいタフトブラシで、歯の溝や奥歯の側面などを磨くのも効果的です。

・歯と歯のすき間にはデンタルフロス・歯間ブラシを使用

歯ブラシで丁寧に磨くといっても、どうしてもブラシが届かないところが出てきます。特に歯と歯の間は食べカスたまりやすいスペースですが、デンタルフロスであれば歯間に細い糸を通し、狭いところの汚れもしっかり取り除けます。また、歯間ブラシもおすすめです。

大人虫歯のセルフケア、いかがだったでしょうか?毎日の歯磨きをサポートするデンタルグッズにはさまざまな種類があります。あなたに合った磨き方を見つけてみてください。セルフケアができているかを定期的に歯医者さんに確認してもらいましょう。

歯科医師:古川 雄亮 先生
歯科医師:古川 雄亮 先生

国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事。

歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

[参照URL] https://www.nature.com/articles/s41598-019-51077-0

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