<紫外線はマスクでブロックできない!?>


普段マスクをしていると、皮膚が覆われているので紫外線がブロックされていそうに感じます。しかし、それは直射日光を浴びていないというだけで感覚的な話。実際のところ、マスクには日焼け止め効果はほとんどありません。

地上に届く紫外線の種類には、主にA波とB波の2種類が存在します。紫外線A波(UVA)が肌の奥まで到達してじわじわとシワなどを増やす波長。一方、紫外線B波(UVB)は肌表面を焼いてシミの原因になる波長です。

マスクをしても、UVAもUVBもブロックされてません!つまり、マスクをしているからといって油断して日焼け止めを塗らずに外出すると、シミ・シワの原因となる紫外線を直接顔に浴びているのと同じということです。

紫外線防止の観点からマスクをしたいのであれば、UVカット素材を使っているマスクを選ぶことをお勧めします。(市販のUVカット素材のマスクには、その旨が表記されて販売されています!)


<日焼け止めの選び方>


では、数ある日焼け止めの中から、自分に合った日焼け止めをどのように選ぶと良いでしょうか。成分の観点から考えてみましょう。

まず、日焼け止めには「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2種類が存在します(以後、吸収剤・散乱剤と表記)。これらのメリット・デメリットを把握しておくと、自分に合った日焼け止めを選ぶことができます。

まず、吸収剤のメリットは、高い日焼け止め効果があることです。「SPF50・PA++++」のように紫外線防止効果が高いものには、吸収剤が使われていることが多いです。一方デメリットは、肌に負担をかけがちであること。また、吸収剤は化学反応を使用して紫外線をブロックするという特徴があるため、一度化学反応が起きてしまうとその後紫外線をブロックする効果はありません。そのため、こまめな塗り直しが必要になります。


次に、散乱剤のメリットは、比較的肌に優しいということです。私個人の体験なのですが、どうしても日焼けしたくなくて、吸収剤を使用した日焼け止めを毎日使っていた期間がありました。しかし、かえってものすごい肌荒れに!その後散乱剤の日焼け止めに変えた結果、肌荒れが治ったという経験があります。(ちなみに、後日吸収剤の日焼け止めに戻した結果、また肌荒れにぶり返し。一概にその成分が原因とは言えないのですが、個人的には印象的な出来事でした。)

一方デメリットは、きしみや白うきするものが多いことですが、最近は以前よりクリーミーで白くなりにくいものが販売されています。またその白さを活用して、トーンアップ効果のある下地として販売するメーカーもあります。

いずれにせよ、ライフスタイルや肌質に合わせて日焼け止めを選ぶことが大事です。個人的なおすすめは、日常用には散乱剤の日焼け止めを使用して肌の負担を抑え、アウトドア時には吸収剤の日焼け止めでしっかり紫外線をブロックすることです。複数の日焼け止めを使い分けるのも1つの方法です。


<焼かない!効果的な日焼け止めの塗り方>


日焼け止めを塗るとき、皆さんはどのように塗っているでしょうか。私のサロンでよく見るのが、指先でチョコチョコ塗っている方。この塗り方は、塗りムラが出やすい上に、量が不十分なことが大半です。以下に私がおすすめする塗り方の3ステップをご紹介します!

1. 500円玉ほどの日焼け止めを手のひらに出す

2. 両手を擦り合わせて、手のひらに広げる

3. 顔の外側から顔を包み込むように日焼け止めを押し広げる

ポイントは3ステップ目!日焼け止めを「顔の外側から塗る」ということです。顔の外側は帽子を被っていても日差しがあたりやすく、また当たっていることにすら本人が気づかない場所です。そのせいか、私の感覚では年配の女性は顔の側面にシミがある方がとても多いです。

一概には言えませんが、顔の側面に大きくはっきりとしたシミが多い原因の1つに、多くの女性が顔の側面まで気が回っていないこともあるのではと推測しています。先ほどおすすめしたように、鏡で見えにくい側面から先に日焼け止めを塗ることで、塗り忘れやムラを防ぐことができます。良かったら日々のケアに取り入れてみてください。


<マスクでも日焼け止めは必須!>

マスクをしていれば、なんとなく日焼けを防げているような気がするものです。しかし、実際は不織布タイプのマスクには紫外線防止の効果はなく、どうしてもマスクで紫外線をブロックしたい場合は、紫外線防止効果のある素材のマスクを使用することが得策です。

また、普段から日焼け止めを顔にムラなく塗ることで紫外線を防止しましょう。その時には、ライフスタイルに合った日焼け止めを選び、忘れがちな顔の側面から塗ることで、日常生活からシミ・シワになりにくいケアを心がけたいものですね。