キシリトールって何?

キシリトール

キシリトールとは、代用甘味料のひとつの糖アルコールです。
白樺や樫(カシ)などの樹木から採取され、北欧で生産されています。

むし歯予防効果や安全性は、厚生労働省や世界保健機関(WHO)にも認められています
野菜や果物にも含まれている身近な素材ですが、ショ糖(砂糖の主成分)とほぼ同じ程度の甘さです。

一方でカロリーはショ糖に比べて低いので女性の場合、ダイエット中でも安心ですよ。
※ショ糖1gあたりのカロリーを100とした場合、キシリトールは75

キシリトールは血糖値を上げにくいので、糖尿病の方の食事にも長年使われている甘味料です。
稀にお腹がゆるくなる方もおられますが、食物繊維のように消化されにくいことが原因です。
少量からとりはじめれば身体が慣れていくようです。

キシリトールは虫歯予防に効果あり?

キシリトール 虫歯予防

・むし歯菌に酸を作らせない!

むし歯の原因の一つは、むし歯菌(ミュータンス菌)です。

ミュータンス菌は糖分をエサにして酸を作り出し、酸が歯を溶かすことでむし歯が進行しますが、キシリトールはミュータンス菌に分解されず 酸を作り出す原料にはなりません

ショ糖から作られる酸の量を100とすると、ラクトース(哺乳類の乳汁成分として存在)は約40、ソルビトール(じゃがいもやとうもろこしでんぷん由来の天然の糖アルコール)は約20に対し、キシリトールは0というデータがあります。

また、ミュータンス菌に直接働きかけ、むし歯の原因そのものを弱らせることでむし歯を予防します。

ミュータンス菌には、むし歯をつくる力の強い悪玉菌とむし歯をつくる力の弱い善玉菌の2種類があります。

キシリトールは、悪玉菌を減らし善玉菌を優勢にするのでむし歯になりにくい口腔内になります。

・歯の再石灰化を促進する

キシリトールはカルシウムと結合することにより、 歯の修復(再石灰化)※を促進 します。
※歯のカルシウム等が溶け出し、むし歯の始まりとなる脱灰の状態から元に戻す方向に働く力のこと

キシリトール配合のものを食べると味覚が刺激されるため唾液の分泌が促進します。

唾液には再石灰化作用、抗菌作用、浄化作用など歯にとっていい働きが沢山あるのでむし歯予防に繋がります。

キシリトールと砂糖のW使いに注意!

キシリトール 砂糖

〈キシリトール配合〉の表記があっても、砂糖や水あめなどむし歯の原因になる成分が配合されていることもあります。

ショ糖が含まれているとせっかくのキシリトールの効果が発揮されなくなるので注意しましょう。

〈キシリトールでむし歯予防!〉などと書いてある商品でも、本当に キシリトール以外の甘味量が使われていないか をよく確認することが大切です。

また、クエン酸や柑橘系の果汁ような酸も歯を溶かす方向に働くので、 酸を含んでいない製品 を選ぶこともポイントです。

キシリトールの効果的なとり方とは?

むし歯予防効果のあるキシリトールですが、毎日の食後や間食の後など、 回数を多くとると効果的 です。

1日あたりの摂取量の目安は5〜10g。
例えば甘味料としてキシリトール100%入りのガムの場合、4粒程度となります。

一度にまとめて摂取するのではなく、毎食後や間食後に分けてとるのがおすすめです。

キシリトールのおすすめ活用術!

キシリトール 活用

・歯磨きの後のご褒美タブレット

キシリトール配合製品として思い浮かびやすいのがガムですが、タブレットタイプの商品もあります。

治療中の歯があったりガムを噛めないお仕事中の時、まだ安全にガムを食べられない年齢のお子様に、タブレットタイプのキシリトール摂取という方法もあります。

もちろん甘いので、歯磨き後のご褒美に用意しておくとお子様もがんばって歯磨きをしてくれるかもしれませんよ♪

・ご飯から歯磨きの間のガム

食後すぐに歯磨きができない状況の時に、キシリトール配合のガムをとりいれることも有効です。

噛んでいると甘さはだんだんなくなってきますが10〜15分は噛んでいた方が効果的です。
よく噛んで唾液を出すようにしましょう。

・歯磨きができないタイミングでのおやつ

間食にチョコレートやキャラメルなど、ショ糖の多く含まれているものをとることも多いのではないでしょうか。

間食後に歯磨きができない時や外出中のおやつとしてキシリトール配合の製品をとりいれてみるといいかもしれません。

同じ甘いお菓子でもむし歯になりやすいものとむし歯予防効果のあるものがあるなら、効果のあるキシリトール配合のものを選んだ方がいいですよね♪

キシリトールは万能ではない

キシリトール 不安

このようにむし歯予防効果のあるキシリトールですが、プラーク(むし歯菌や歯周病原菌の塊)自体を取り除くことはできません。

もちろん進行したむし歯を治す効果もありませんので、 日頃の歯磨きは不可欠 です。

キシリトールを食べているからといって安心ではありませんので、歯磨きやフロスでのケア、歯科医院での予防処置(フッ素塗布など)も積極的に行いましょう✩

まとめ

世界一幸せな国といわれるフィンランドでは、国民の健康意識も高く、キシリトールの習慣がよく根付いています。

日本での歴史も約25年。

安全性の確認されているキシリトールをむし歯予防のひとつとして、上手にとり入れてみてはいかがでしょうか?