口腔カンジダ菌とは?

口腔カンジダ症は、「カンジダ・アルビカンス」と呼ばれるカビによって起こります。
カンジダ菌は、お口の中に常在している菌で、ほかの菌と共存しているものです。
それでは、体内にもとからいるカンジダ菌が、なぜ口腔カンジダ症の原因となるのでしょうか。
口腔カンジダ菌は、普段はある範囲の数で口腔内にひそんでいますが、抗がん剤などによる免疫力の低下や、消毒薬による過度なうがい、口腔乾燥などによって常在菌のバランスが崩れることにより、異常に増殖してしまうことがあります。こうした体の変化によって、もともと体内にいるカンジダ菌が口腔カンジダ症の発症原因となり得ます。

口腔カンジダ症には、「急性型」と「慢性型」があります。また、それ以外にも存在する口腔カンジダ症の種類をご紹介します。

急性偽膜性(ぎまくせい)カンジダ症


画像引用:公益社団法人 日本口腔外科学会(2020-11-19)

「白いカンジダ症」とも呼ばれるもので、白い偽膜や白苔と呼ばれるカスなどが、口腔内の粘膜に付着します。ガーゼなどで拭い取ることができるものの、粘膜には発赤やびらんが残るとされています。

急性萎縮性カンジダ症(紅斑性カンジダ症)

画像引用:大阪医科大学 口腔科学教室 (2020-11-19)

「赤いカンジダ症」とも呼ばれています。舌が赤くなり、ヒリヒリしたり痛みを感じたりします。

慢性肥厚性(ひこうせい)カンジダ症

「厚いカンジダ症」とも呼ばれています。こちらは 粘膜が厚く硬くなるという特徴があるほか、白苔は拭い取りにくくなっています。

慢性萎縮性カンジダ症

画像引用:大阪医科大学 口腔科学教室 (2020-11-19)

「義歯性カンジダ症」、「義歯性口内炎」とも呼ばれます。入れ歯が接している粘膜が赤くただれたり、口内炎のような症状が出ます。無症状なことも多いですが、むくんだり痛みが出たりすることもあります。

口角炎、剥離性口唇炎、潰瘍性カンジダ症など

口角炎や口唇炎は、口腔カンジダ菌が原因で発症することがあります。 また、口腔カンジダ症は性病と間違われることがありますが、実際はそうとは限りません。もちろん、性病によって口腔内にカンジダ菌が増殖し、発症する可能性はありますが、基本的には口腔内には常にカンジダ菌が常在菌として存在しており、菌のバランスが崩れることによって発症します。 ですが、HIV感染症で免疫力が落ちたときに、偽膜性カンジダ症などが発症しやすい傾向にあります。

これって口腔カンジダ症?

口腔カンジダ症の症状には、どのようなものがあるのでしょうか。チェックリストを見ながら、思い当たる症状がないか確認してみましょう。

□口の粘膜(舌や頬、唇の裏側、顎の裏側)に白い苔(コケ)のようなものがたくさん付着している(拭うと剥がれる)
□食べているときに口内が痛む
□舌が赤く、ヒリヒリとした痛みを感じる
□食べ物の味が感じにくい
□入れ歯が接している粘膜部分がむくんでいる、または痛い
□口腔内の粘膜に腫れ物などがみられる
□小さな水胞のような口内炎が複数できている

2つ以上当てはまる場合は口腔カンジダ症の可能性がありますので、早めに歯科、口腔外科を受診してください。

口腔カンジダ症は感染する?

カンジダ菌は口腔内の常在菌であり、全身が健康な状態であれば、異常な増殖をするということはあまりありません。
また、真菌はヒトからヒトへ感染する菌ですが、ステロイドの服用や傷口がある場合、感染のリスクは低いとされており、問題にはならないと考えられています。

ですが、皮膚と皮膚や粘膜と粘膜が強く接触すると感染リスクがあがるとされていますので、夫婦間や親子間では感染しないよう、特に注意が必要です。

口腔カンジダ症の治療法は?

口腔カンジダ菌はいわゆるカビ菌のため、治療は基本的に抗真菌薬の服用となります。このほか、炎症を抑えるために適度な免疫抑制作用のあるうがい薬を使うこともあります。ステロイド軟膏を塗り続けると、粘膜の免疫機能の低下をもたらすことや、ポビドンヨードやアルコールによるうがいは菌交代現象により口腔カンジダ症を進行させる可能性があるため、市販のうがい薬についても担当医に相談してから使用してください。
服薬などによる治療は短期間で症状を改善させ、落ち着いたら速やかに休薬することが望まれます。

口腔カンジダ症で使用される抗真菌薬の例は、以下のとおりです。

・ミコナゾール
フロリードゲル経口用2%…口腔内にまんべんなく塗り広げ、ゆっくりと飲み込む
オラビ錠口腔用50mg…上顎の歯肉に付着させる

・イトラコナゾール
イトリゾールカプセル50…食後に内服する
イトリゾール内用液1%…を空腹時に内服する

・アムホテリシンB
ファンギゾンシロップ100mg/mL、ハリゾンシロップ100mg/mL…口腔内にまんべんなく塗り広げ、ゆっくりと飲み込む

・アズレンスルホン酸ナトリウム水和物
アズレン含嗽液…口腔内に長く含ませてうがいし、口内炎を抑える

口腔カンジダ症を防ぐためには

まずはお口の中を清潔に保つことが大切です。
近年、口腔カンジダ症が見られる方の傾向として、高齢者になり入れ歯を装着している方がみられるようになってきました。入れ歯が接着している粘膜は唾液が入り込みにくいために殺菌作用が少なく、カンジダ菌が増殖しやすいとされています。入れ歯は毎食後外して専用のブラシなどで洗い、1日1回は洗浄剤にもつけるようにしましょう。

また、歯磨き粉には研磨剤入りのものが多く販売されていますが、研磨剤は入れ歯に細かい傷がついてカンジダ菌が増殖する温床となってしまうため、研磨剤を含まない歯磨き粉を選ぶようにしてください。

カンジダは糖質が大好きですので、野菜やタンパク質を中心とした食事を摂取するように心掛けましょう。腸内環境と口腔内環境は相関しているので、腸内環境を整えることも重要です。腸内環境を整える食品を例にあげると、味噌やヨーグルトなどの発酵食品、ココナッツオイル、キャベツなど様々です。

口腔カンジダ症は常在菌によるものなので、症状が出ていなければ治療しなくても良い場合があります。ただし、慢性化すると処置が大変になる可能性もありますので、口腔内の変化に気付いた場合は早めに歯科や口腔外科に相談するようにしましょう。

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