やけどの症状
「口のやけど」と一口に言っても、やけどする部位はさまざまです。
特にやけどすることが多いのは、唇・お口の天井部分(口蓋)・頬の粘膜・舌なんだとか。
口の中でしてしまうやけどの多くは比較的軽症なⅠ度のやけど。
次の症状の中から1つ、何か症状が出ている状態です。
・赤くなる
・ヒリヒリ痛む
・皮や粘膜が剥がれる
・水膨れ
・味覚がにぶくなる
・口内炎
お口の中をやけどしたと思っても、痛みが強くなければやけどの状態をしっかり観察しない人も多いのではないでしょうか。
でも、治りが早いお口の中とはいえ、やけどはやけどです。
やけどを放置しておくのは良くありません。
ではどのような処置を行えばよいのでしょうか。
口の中のやけどの正しい応急処置方法
軽度のやけどであれば、一般的なやけどと同じようにとにかく冷やしましょう。
まずは冷水で口をゆすぎ、口の中に残っている食べ物や細菌を洗い流してください。
お口の中の汚れを軽く取り除いたら、再度冷水や氷を口に含んで冷やします。
氷はお口の中の頬や舌にくっついてしまったり、水ぶくれを破いてしまったりしてやけどを悪化させることがあるので、できるだけ冷水で冷やすようにしてくださいね。
水ぶくれは破いたりせず、できるだけ触らないようにそっとしておきましょう。
よく冷やした後はお口の中が乾燥しないように注意してください。
また、やけどのあとは食事も気をつけましょう。
強い刺激がある食べ物、硬いもしくは辛味や酸味がある食べ物を食べるのはNGです。
もちろん、やけどしたところに熱い食べ物や飲み物が当たるのも痛みが強くなる原因に。
しばらくは刺激が少なく、熱くないものを食べておきましょう。炎症や痛みがひどい場合は、鎮痛剤を服用してください。
ただし、鎮痛剤が必要なほど強く痛むやけどはかなり酷い状態の可能性が高いです。
夜中などすぐに通院できない場合は鎮痛剤を服用し、やけどの状態チェックのために通院することをおすすめします。
鎮痛剤を飲めば痛くないから、と何日も放置しないようにしてくださいね。
やけどは放置していいの?
軽度なら自然治癒することも多いですが、悪化をさせない、早く治すためにも応急処置をしてほしいと思います。
あまりに痛んだり、長期間治らない場合は重度のやけどの可能性がありますので、病院で状態を確認してもらいましょう。
皮膚のやけどと同様、場合によっては内部までやけどしてしまい、人間が本来持つ自己治癒力では治らないほどになっているかもしれません。
治らないまま毎日食べたり飲んだりすることで、どんどん悪化しているかも。
やけどの傷口を放っておくことで、そこから細菌感染してしまうことも考えられます。
お口の中の治癒力は高いですが、早めに治すためにもやけどもきちんと対処することが大切ですよ。
また、やけどに似た痛みや症状が出る病気は、例えば“舌痛症”があります。
発症者は若い女性に多く、ストレスなどの心理的なものが要因の一つと考えられていますが、その原因や根本的な治療法はまだはっきりとはわかっていません。
舌痛症を発症すると、特に舌の見た目に異常は無いけれど、舌にやけどと似た痛みが出現します。
悪化した場合は日常生活に支障をきたすほど強い痛みを伴い、味覚障害や口腔乾燥を起こすことも。
ただのやけどと思わず、痛みが続く場合や気になる場合は病院を受診してくださいね。
口の中の治癒力は高い⁉やけどが治るまでの目安
口の中の傷ややけどは、他の部分の傷ややけどに比べて早く治ると言われていますが、実際にはわかっていません。
やけどの治りを促すにはよく保湿しておくことが大切。
お口の中は水分が多く、やけどの処置としては良い環境なんです。
そのため、個人や重症度によって差はありますが、口のやけどは数日から1週間程度で治ることが多いでしょう。
それ以上たっても治らない場合は、酷いやけどかも。
通院してチェックを受けてくださいね。
また、いくらお口の中の治癒力が高くても、大きな水ぶくれや粘膜がただれてしまう、えぐれてしまうようなやけどは治すのは難しいです。
ちょっとしたやけど以外は放置しないようにしてください。
まとめ
冬は熱い料理や温かい飲み物を飲む機会も増え、それに伴いやけどすることも増えがちです。
皮膚とは違い、お口の中は見えづらいためついつい放置してしまいがちですが、同じようにダメージを受けているのです。
軽度のやけどであれば自然治癒することが多いですが、痛みなどの不快な症状が長く続くかもしれません。
応急処置を行うことで傷の悪化を防ぎ、普段通りに食事や会話することが早い治癒への近道かもしれません。
お口の中のやけどもよく見て、必要な処置をしてくださいね。