乳歯・永久歯は歯の総称
一般に子供の歯と言われてるのが乳歯、乳歯が抜けて生え変わった大人の歯を永久歯といいます。
全部で20本の乳歯、親知らずを入れて32本の永久歯のそれぞれ1本1本にも名前がついていますよ。
左右対称、上下ともに同じ名前なので同じ名前の歯はそれぞれ4本ずつあります。
『前歯』の名前と役割
正中から数えて3番目までの歯を総称して前歯(ぜんし)といいます。
主に物を噛み切る時に活躍します。
中切歯(ちゅうせっし)
正中から数えて1本目
の歯です。
食べ物を噛み切る際に活躍します。
顔の印象を決める大切なパーツでもあるので、是非ともむし歯にならないようにケアしたい部分です。
発音にも影響します。サ行やタ行の発音時に意識してみると舌が歯の裏に当たっているのが分かるかと思います。
前歯がなかったり隙間があったりすると空気が漏れて上手く話せないことがあります。
側切歯(そくせっし)
正中から数えて2本目の歯です。
中切歯より小さく、中切歯同様食べ物を噛み切るのに役立ちます。
中切歯と同じく平べったい形の歯です。
犬歯(けんし)
正中から数えて3本目 の歯です。
乳歯から永久歯に生え変わる際に前歯→奥歯→犬歯の順に生え変わるので生えてくるスペースがない場合は八重歯と呼ばれるように他の歯より前方に重なって生えてくることがあります。
糸切り歯と呼ばれることもあり、他の歯に比べて先が尖っています。
この形が食べ物を切り裂くのに役立ちます。
また根っこが長く丈夫なので噛み合わせの基本の歯となります。切歯や奥歯にかかる負担を軽減してくれる役割があります。
『奥歯』の名前と役割
正中から数えて4番目以降の歯を総称して臼歯(きゅうし)といいます。
食べ物をかみ砕くのに役立ちます。
第一小臼歯(だいいちしょうきゅうし)
正中から数えて4本目 の歯です。
矯正治療の際に抜かれることの多い歯ですが、最近では歯ぎしりやくいしばりから歯を守ったりする大切な歯との見解もあります。
歯列矯正を始める場合は歯医者さんとしっかり相談したいところです。
第二小臼歯(だいにしょうきゅうし)
正中から数えて5本目の歯
です。
噛み合わせの面に見られる中心結節という突起が1〜4%の確率で発生しやすい歯です。
この中心結節は、突起の中に神経が入り込んでいることが多く、噛んだ時の衝撃で突起が折れてしまうと歯の神経が露出して痛みを伴うことがあります。
補強したり少しずつ削っていく等の対処法もありますので鏡でみて突起がありそうな方は一度歯医者さんに相談してみましょう。
第一大臼歯(だいいちだいきゅうし)
正中から数えて6本目
の歯です。
5〜6歳頃に生えてくるので6歳臼歯と呼ばれることもあります。
まだ乳歯の残っているうちに生えてくる歯で、生えてきたことに気づきづらかったり奥にあって磨きにくかったりとむし歯のリスクが高いので注意が必要です。
永久歯の中で一番大きく、噛む力が強いのが特徴です。
第二大臼歯(だいにだいきゅうし)
正中から数えて7本目 の歯です。
乳歯列から永久歯列に生え変わる12歳頃に生えてくるので12歳臼歯と呼ばれることもあります。
親知らずが生えてこない場合、一番奥の歯にあたります。
第三大臼歯・親知らず(だいさんだいきゅうし・おやしらず)
正中から数えて8本目 の歯です。
親知らずとしておなじみの歯ですが、現代日本人の顎は昔と比べて小さくなってきており生えてくるスペースがなく、大人になってからも歯ぐきの下に埋まったままや斜めに生えて歯ぐきから少し顔を出すだけのこともあります。
智歯 とも言われ、しっかり磨けていないと親知らず周りの歯ぐきが腫れて痛くなる智歯周囲炎という状態になることもあります。
20歳を過ぎた頃を目安に歯医者さんでレントゲン写真を撮ってもらいどんな状態になっているのか診てもらうといいかもしれません。
ちなみに英語ではWisdom-tooth と言われており、大人になって物事の分別がつくようになった頃に生える歯という意味のようです。
詳しく伝えるために知っておきたい!
歯が痛くなった時、歯医者さんに「奥歯が痛いです。」とだけ伝えることはありませんか?
実際に患者さんからもそのように訴えられることがありますが、上下左右どちらの、どの奥歯が痛いのかが分からないケースがあります。
痛みのある部分を的確に伝えて適切な治療を受けるためにも歯科的な呼び方を知っておくといいかもしれません。
上顎・下顎(じょうがく・かがく)
歯科的には上の顎を上顎(じょうがく)、下の顎を下顎(かがく)と呼んでいます。
もちろん、(うわあご)、(したあご)と言っても伝わりますよ♪
右側・左側(うそく・さそく)
歯科的には右側の歯を右側(うそく)、左側の歯を左側(さそく)と呼んでいます。
もちろん、(みぎがわ)、(ひだりがわ)でも伝わります。
組み合わせると…
「上 or 下」顎「右 or 左」側 ◯◯歯
と組み合わせて表現します。
例えば右上の前から4番目の歯だと、
上顎右側第一小臼歯(じょうがくうそくだいいちしょうきゅうし)
左下の1番前の歯だと、
下顎左側中切歯(かがくさそくちゅうせっし)
といいます。
他にも右上4番、左下1番という表現もあります。
歯医者さんで先生や衛生士さんが検診や歯周病の検査の最中に言っていることが少し分かると面白いかもしれないですね!
まとめ
意外と知らないことも多い歯の名前や特徴。
自分の身体の大切な一部のことを少しでも理解しておくと健康の維持、増進に繋がります。
基本的には前述した歯が全て揃うことが多いですが、先天的に欠如していたり過剰に生えていることもあります。
何も症状がなくても、今後の予防のために一度歯医者さんでみてもらうといいですね。