■脳の仕組みってどうなっているの?

認知症には脳の働きが大きくかかわっていますが、脳の成長や仕組みはどのようになっているのでしょう。

脳の神経細胞は20歳前後にピークを迎えたあとゆるやかに下降していき、65歳からはさらに顕著に低下していきます。

脳は、脳幹・小脳・大脳の3つに大別されます。

脳幹は呼吸、循環など生命維持装置、小脳は運動や姿勢の維持など運動調節機能、そして、脳全体の80%を占めている大脳は最も発達した脳の部位で、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉の4つに分化しています。



大脳は人間の生活に欠かせない部分で、思考や判断し行動する機能を司る「前頭葉」、知覚や感覚を司る「頭頂葉」、視覚を司る「後頭葉」、聴覚や記憶を司る「側頭葉」の4つの領域があります。

このうちの「前頭葉」の大部分を占めるのが「前頭前野」です。
これまでの研究から前頭前野は人間にとって、思考や意思決定、行動抑制、など、人間らしい生活を送るうえで大切な部分とされています。

脳の活動を計測するには、前頭前野が使われているのか確認することが大切です。
前頭前野にセンサーを当てて血流を測ると、脳活動を数値化し可視化できることに注目し、開発された装置が脳活動測定器『NeUup』です。

■光トポグラフィ技術を応用した脳活動測定器『NeUup』

脳活動測定器『NeUup』は、脳の健康維持を目的に新しい技術を使って開発されました。
今まで、自分の脳がどれくらい活動しているか分からない、脳トレしているけれどはたして脳が活動しているのだろうか、という疑問を数値化することで分かりやすく示し、気づきを与えてくれます。

ヘッドセットを装着して3種類のタスクを実行している間の脳の血流を計測し、スコアやレベルで表すことで、前頭前野の脳活動をセルフチェックできます。


脳が活動していると神経細胞が活性化し、酸素と糖分が必要となります。
その酸素を運んでいるヘモグロビンの量により脳の血流の上昇などの変化が分かり、脳が使われていると判断できます。

脳の血流の変化を知るために、『NeUup』では、光トポグラフィ技術という最新の技術を使っています。
光トポグラフィ技術とは、脳に到達した光の一部が反射して戻ってくる仕組みを利用したもので、身体に害のない安全な近赤外光を利用した技術です。


額にあてた近赤外光からUターンしてくる一部の反応を正確にきれいに出す技術も必要で、とてもハイテクな技術を利用しています。

■企画開発は脳科学カンパニー

企画開発は株式会社 NeU(ニュー)。

“脳トレ”生みの親である川島隆太博士(NeU 取締役CTO兼東北大学教授)の脳科学の知見と、日立の精密計測技術が融合した会社で、見えないものを見える化し、『ソリューションを提供する』ことをメインとしています。

脳活動を簡便な装置で可視化できないか― それが研究開発の動機となり、最新の技術光トポグラフィを使って様々な製品開発を行っています。

実際に脳がどのように反応し活動しているか、光トポグラフィであればリアルタイムに脳の反応を見ることができるので一目瞭然です。
脳の活動をリアルに見えるようにすることで、脳が本当に活動している、という実感をもってもらえるようにしたい、と『NeUup』がうまれました。

自分の脳に関心をもち、脳がどれくらい活動しているのか、その結果何を意識すればいいのか、というチャンスが生まれることが大切だと考え、気づきを与えるために制作したそうです。

■前頭前野の脳活動をセルフチェック

脳の仕組みで説明したように、前頭前野が認知機能に関連性が高いことが分かっています。
脳トレをしているときに、実際に、その脳トレが前頭前野に有効に働いているかどうかを知るために、脳トレをしながら脳活動を測定します。

さらに脳の働きの中でも、「頭の回転速度」「記憶力」「注意力」の3つが、何歳になっても必要な脳の機能とされています。

『NeUup』はこの3つの能力別にスコアを表示することができ、また年代別のランキングを知ることができます。
脳の機能を定期的に測定し、自分の脳の状態や認知機能を知ることで、客観的なチェッカーになり変化に気づきやすくなります。

また、脳活動は加齢に影響されていますが、体調のよしあしでも影響を受けます。
抑うつ状態が続くと脳活動が低下することが分かっているので、身体の不調だけではなくメンタルの不調に対しての変化も測れ、体調のバロメーターとして活用することができます。

1.脳のトレーニングで脳(前頭前野)が実際に使われているのか確認する
2.自分の脳にどの分野のトレーニングが必要か、が分かる

■脳を測りながら鍛える!脳トレサービス

脳も筋肉と同じように、使って鍛えないと衰えてしまいます。
脳を適切にトレーニングすることにより、脳の体積も増えることが近年の研究にて分かってきています。

また、脳トレする際には、自分のレベルにあった脳トレをすることがとても大切です。
簡単な脳トレをしても、脳に負荷がかかっていないのであまり効果が期待できません。

脳活動センサー×専用アプリ『Active Brain CLUB』

脳にも個人差があり、個人に適したコンテンツは人それぞれです。

『Active Brain CLUB』は、脳活動が見えるセンサーを使ったアプリケーションで、自分の脳を活動させる脳トレを行ったり、また日常生活の中でもどのような作業が適度な負荷を与える行動となるのか、つまり日常生活の中の脳を鍛えるコンテンツ探し等ができます。

・脳活動の変化をスマホ画面の色で表示
・脳科学に基づいた脳トレアプリケーションを遂行できる
・日々の生活の場面の脳の活性化が分かる。
・学習中の脳が活性化する最適な学習スタイルを発見できる
・脳トレドリル、読書、将棋、麻雀、カラオケ、料理、体操、仕事中などの脳活動を見える化


■脳トレで大脳皮質の体積が増加する

川島隆太博士(NeU取締役CTO兼東北大学教授)の研究でも分かってきているように、正しい脳トレで大脳皮質の体積が増加します。

20歳前後で脳の神経細胞の成長はピークを迎えますが、脳トレをすることで脳トレで鍛える部分である前頭前野の体積が増えることが脳科学による検証では分かってきております。
働く人や学習する人にとっても、集中力・創造性など地頭力の向上が期待できます。

また、認知症にならないようにしたい方、認知症になった方へのトレーニング方法として、デイサービスで脳トレを連続して取り入れることで、早ければ約1~3ヶ月で認知機能の改善が見られる例も出てきています。

■健康寿命を延ばすために脳トレを取り入れましょう

2040年には65歳以上の高齢者が3人に1人になる超高齢化社会となっていきますが、心身共に健康な健康寿命を延ばすために、ぜひ脳活動の定期的な計測、自分にあった脳トレをするようにしましょう!

脳の計測装置を使いながら、脳トレを行い、自分自身の脳の健康につながる気づきを得てもらうきっかけになるといいですね。