内視鏡検査とは

内視鏡検査は、先端に小型のカメラがついた細い柔軟なチューブ(内視鏡)を口や鼻、または肛門から挿入し、胃や腸などの消化器官内部を観察し検査をすることを指します。

内視鏡検査は大きく2種類分けられ、胃内視鏡検査と呼ばれる上部消化管内視鏡と、大腸内視鏡検査と呼ばれる下部消化管内視鏡があります。

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)

内視鏡検査と聞くと胃カメラを想像する方が多いと思いますが、厳密には内視鏡カメラと胃カメラは別物ですが、胃の中を観察・検査するという観点では同じ目的といえます。 (2021年時点では、上部内視鏡検査、上部消化管内視鏡検査、上部消化器管内視鏡、胃内視鏡検査、胃カメラは用語は違いますが同じ検査を指しています)

検査の方法としては、柔らかい電子スコープを用いて検査します。スコープの先端に装着されているカメラで食道・胃・十二指腸などの上部消化器官をモニターに写し出して直接観察し診断する検査です。異常な状態が見つかった場合は組織採取を行ったり、ポリープが見つかった場合は切除を行ったりします。

上部内視鏡検査には、口から挿入する経口内視鏡と鼻から挿入する経鼻内視鏡があります。経鼻内視鏡検査は経口内視鏡検査と比較して、苦しくない・痛みの少ない検査方法です。

分かること

咽頭…咽頭腫瘍
食道…食道がん、逆流性食道炎・食道裂孔ヘルニア、食道静脈瘤、食道異物・咽頭異物
胃…胃がん、スキルス胃がん、胃腺腫、ピロリ菌感染、胃潰瘍、胃炎、ポリープ、胃粘膜下腫瘍
十二指腸…十二指腸がん、十二指腸潰瘍、十二指腸腺腫、IgA血管炎(ヘノッホ・シェーライン紫斑病)

…など

検査時間

一般的に前処置に20~30分程度、検査自体は10分程度の時間となっています。

検査の流れ

-検査前

検査前日は夜9時ごろまでに食事を済ませ、検査当日は朝から検査終了まで絶食となります。

-検査

診療室にて検査の内容、流れの説明を受けます。
最初に検査時にしっかりと観察できるよう、消泡剤という胃の中の泡を消す液体を飲みます。(胃の活動を抑制するブスコパンと呼ばれる筋肉注射を行う場合もあります)

経鼻内視鏡の場合、鼻からの出血を防ぐための薬や鼻の通りをよくするための薬を投与します。その後、粘膜麻酔剤を数回に分けてスプレーで噴霧する方法やネラトンチューブという細く柔らかい管にゼリー状の麻酔剤をつけて鼻の中に挿入する方法などで局所麻酔をしていきます。 鼻腔の開きが十分な場合は、ゼリー状の麻酔剤を鼻の中に注入するだけの場合もあります。

経口内視鏡検査の場合、スコープを通す際の苦しさや負担を軽減させるために、のどにゼリー状の麻酔などを用いて咽頭麻酔を行います。この際に不安や痛みを和らげるため、鎮静剤(静脈麻酔)の点滴を行う場合もあります。鎮静剤は通常2~3分で効きはじめ、リラックスした状態をつくってから検査を開始します。

細いチューブ状のカメラを鼻もしくは口から挿入し、身体の中を観察していきます。カメラで観察を行う時間は5~10分程度で、鎮静剤を使用した場合はうとうとした状態で診察が進むので痛みや苦しさを感じることなく、気づいたら検査は終わっていることがほとんどでしょう。

-検査後

検査後はリカバリールームにてしばらく安静にします。鎮静剤を使用しない場合は10分程度、鎮静剤を使用した場合は20~30分程度休みます。

その後、実際撮影された画像を見ながら検査結果を説明してもらい終了となります。検査終了後は麻酔が効いているため熱いものや刺激の強い食事は控えましょう。また、組織やポリープを切除した場合は2時間程度食事を控え、やはり刺激の強くない食事をとりましょう。

検査費用

上部消化管内視鏡検査だけで行う場合は、3割の自己負担では6,000円程度。異常部位の切除を行うと10,000円~20,000円程度が一般的です。

下部消化管内視鏡(大腸カメラ)

検査の方法としては、柔らかい電子スコープを用いて検査します。スコープの先端に装着されているカメラを肛門から挿入して大腸全域(盲腸から直腸まで)の粘膜をモニターに写し出し、直接観察し診断する検査です。

健康診断や人間ドッグで便潜血が陽性になった方や身近な血縁者に大腸ポリープや大腸がんの方がいる方などにおすすめされている検査です。

大腸の検査は「痛くてつらいから二度としたくない」というのを耳にしたこともあるかもしれません。痛みの原因として、腸はグニャグニャと曲がっており、形態が変化し動きやすい構造のためスコープがうまく挿入できず痛みを伴うこと挙げられます。また、スコープを奥に進める際、空気を入れながら検査を行う影響で腸に過剰な圧がかかり痛みが出ることも原因とされています。

しかし、下部消化管内視鏡検査は熟練した医師が行えば、決して苦しい検査ではありません。また検査を欠かさずに、早期に発見すれば、大腸がんは内視鏡にて切除、完治が可能です。

分かること

大腸…大腸がん、大腸ポリープ、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)、虚血性大腸炎、大腸憩室症

…など

検査時間

カメラが入っている時間はおおよそ10~15分程度で、ポリープ切除などを行うと多少長くなります。

検査の流れ

-検査前

検査前日は胃カメラの時と同様に夜9時ごろまでに食事を済ませ、検査当日は朝から検査終了まで絶食となります。 検査を行う病院によっては、夕食に検査食を食べるところもあります。 検査当日は水分は摂取しても問題ありませんが、検査の前処置として、検査の4~5時間前に腸管洗浄剤を服用し、宿便の除去を行います。

検査を受ける施設に到着したら、受付を済ませ検査着に着替え、診療室にて検査の内容、流れの説明を受けます。 検査台にひざを少し折り曲げた状態で横になり、おなかを楽にします。内視鏡を挿入する肛門に局所麻酔を行い、腸の動きを抑える鎮痙剤の注射をします。また、不安な気持ちや緊張が強い方には苦痛を感じにくくするため、鎮静剤を使用することもあります。

-検査中

内視鏡を肛門から挿入し、大腸全体を観察します。検査自体は15分前後で終了します。
病変があれば、生検という細胞の検査を行ったり、ポリープがあればその場で切除する場合もありますので検査時間が少し伸びることもあります。

-検査後

リカバリールームで休養した後に、検査結果の説明を受け帰宅となります。
腸の動きを抑制している注射を行っているので、検査後1時間程度の食事は控えましょう。こちらも胃カメラと同様に、組織やポリープを切除した場合は2時間程度食事を控え、やはり刺激の強くない食事をとりましょう。

検査費用

病理診断の有無、ポリープ切除の有無で費用は大きく異なります。 観察のみの場合で、3割の自己負担では7,000~10,000円程度、ポリープ切除などの処置を行った場合は20,000円~30,000円程度が一般的です。

内視鏡検査を受けよう

内視鏡検査は苦しい、痛いなどのイメージがある方も少なくですが、現在では検査に用いるカメラの進化や鎮静剤の使用などで痛みや苦しみなど軽減されています。

胃がん検診の場合では、50歳以上の人を対象として、胃部X線検査(バリウム検査)もしくは胃内視鏡検査を1年に1回行うことが推奨されています。また、大腸がん検診の場合では、40歳以上の人を対象として、1年に1回受診することが勧められています。 内視鏡検査を上手に活用していきましょう。