紫外線とは?

紫外線

紫外線とは、太陽から地球(地表)にまで届く光の一種。

紫外線と聞くと悪い影響ばかりが注目されがちですが、私たちの体に必要なビタミンDなどの生成に不可欠な光でもあるので、毎日適度に日光を浴びることも大切です。

しかしその反面、肌老化(光老化)の約80%が紫外線の影響によるものだとも言われています。紫外線は波長の長さで3種類に分けられますが、特にUV-AとUV-Bは肌老化の原因をつくる紫外線になります。

・UV-A

紫外線の中でもっとも波長が長く、地表に届く紫外線の約9割をしめています。UV-Aは、雲もガラスも通り抜ける特性があるため、曇りの日や室内にいるときも浴びる紫外線です。UV-Aによる紫外線ダメージが蓄積すると、真皮内のコラーゲンやエラスチンが破壊され、しわやたるみの原因になります。

日焼け止めに記されている「PA」とは、UV-Aの防止力をあらわすもので「+」の数が多いほど防止力にも期待ができます。

・UV-B

ほとんどは大気圏で吸収されるUV-Bですが、一部は地表にまで到達します。UV-Aのように雲やガラスは通り抜けないものの、散乱性があるため、あらゆる角度から私たちの肌に届くのです。主に7~8月にかけて増え、皮膚や目の表面に作用することで、シミや炎症の原因をつくります。

日焼け止めに記されている「SPF」は、UV-Bの防止力をあらわすもので、高い数値ほど防止力にも期待ができます。

・UV-C

有害なUV-Cですが、大気圏でほとんどのUV-Bと一緒に吸収されるため、地表まで届くことはありません。


紫外線によるダメージとは?

紫外線 ダメージ

私たちの体にとって必要な紫外線ですが、強い紫外線ダメージを受け続けると炎症やシミ、さらにはしわやたるみ、免疫機能の低下の原因をつくる原因にもなります。

・しわ、たるみ

真皮まで届く紫外線(UV-A)ダメージは、肌の弾力に必要なコラーゲンやエラスチンを破壊する可能性があります。また、コラーゲンやエラスチンを産生する線維芽細胞がダメージを受けると、産生の働き自体が衰え、コラーゲンとエラスチンの減少や質の低下などにもつながる場合も!紫外線ダメージにより真皮の弾力がなくなると、しわやたるみの原因にもつながってしまうのです。

・シミ、そばかす

通常、紫外線を浴びると表皮でメラニンが生成され、ダメージを肌内部まで届けないための防御機能としての役割を果たします。そして、ターンオーバーとともに役目を終えたメラニンは剥がれ落ちていくのですが、強い紫外線ダメージにより過剰にメラニンが生成されたり、ターンオーバーが乱れたりすると、そのまま炎症やシミ(色素沈着)となって肌表面に残ってしまうのです。

・免疫機能の低下

肌の表皮に存在するランゲルハンス細胞には、皮膚に異物が侵入するとリンパ節に指令を出し、アレルギー反応を起こすことで異物を取り除くという働きがあります。このランゲルハンス細胞も紫外線の影響を受けやすいため、ダメージを受けてしまうと外部からの遺物に反応ができなくなり、一時的に免疫力も低下。口内炎やニキビ、傷などが治りにくくなってしまうのです。


紫外線による肌ダメージのケア方法

肌ダメージ ケア

紫外線による肌ダメージには、事前の対策とダメージを受けた後のケアが大切です。紫外線を浴びたからといって、すぐにしわやたるみ、シミができるわけではないので、諦めずにケアを行ってみてくださいね!

・保湿・保水は多めにする

肌の乾燥と聞くと冬をイメージする人も多いかと思いますが、実は夏も肌が乾燥しやすい時期のひとつです。

特に夏は、汗をかくことで肌がうるおい不足になり、角質層の水分を保持しようと皮脂が過剰分泌されることでインナードライ肌になりがち。さらに紫外線を浴びることでバリア機能も低下しやすいので、肌が十分なうるおいを保持できない状態になっている可能性もあるのです。

乾燥する冬はもちろん、紫外線を浴びやすい夏も乾燥が気になる季節なので、保湿ケアは1年を通して心がけたいお手入れなのですね!

紫外線を浴びたあとは、いつもよりも保湿と保水を多めに意識した保湿ケアを行ってみましょう。

紫外線を浴びた後の肌はバリア機能が低下し、炎症等により刺激も受けやすい状態になっています。そのため、使用するスキンケアアイテムは敏感肌用の商品がおすすめ。

迷った時は、比較的敏感肌でも使いやすく、高い保湿効果に期待ができるヒト型セラミドの「セラミドNG」や「セラミドNP」や、低刺激ながらも肌をやわらかくし、皮脂膜のような役割を果たしてくれる「スクワラン」が配合されたスキンケアアイテムを選んでみてくださいね。

・季節ごとの紫外線対策をする

7~8月は、UV-Bが特に強い時期である反面、UV-Aは1年を通して私たちの体に降り注いでいます。そのため季節ごとに紫外線対策の方法を変えることも重要です。

春先から夏は、徐々にUV-AとUV-Bの量も増えるので、日焼け止めはもちろん、日傘やサングラスなど、紫外線対策グッズを取り入れるようにしましょう。この時期は気温もあがり、汗で日焼け止めも流れやすいので、汗や水に強いウォータープルーフタイプの商品を選ぶのがおすすめです。

また、ターンオーバーのサイクルは約28日であると言われているため、1番紫外線が強い夏の時期に生成されたメラニンは、初秋かけてターンオーバーとともに表面化してきます。

表面化したメラニンがシミなどの色素沈着となって残らないためにも、初秋はメラニン排出をサポートしてくれる美白コスメを取り入れるようにしましょう。

美白コスメの中には、薄いメラニンに働きかける「ビタミンC誘導体」やメラニンの排出をサポートする「プラセンタ」。ターンオーバーを促しメラニンの排出をサポートする「レチノール」などが配合された商品もあるので、夏の終わりから初秋にかけては、これらの美白コスメを使用するのがおすすめです。

そして冬であっても紫外線は降り注いでいるため、日焼け止めを怠ることなく毎日塗る習慣をつけてくださいね。

※美白コスメとは…「メラニンの生成を防ぎ、シミやそばかすを防ぐ」化粧品のこと

・日焼け止めはこまめに塗り直す

日焼け止め

紫外線対策に必須の日焼け止めですが、一言で日焼け止めといっても商品の種類は豊富。購入する時は商品の記載内容を確認しつつ、使用シーンを意識しながら自分に合ったものを選びましょう。

室内で過ごす日や軽い散歩や買い物程度であれば、【SPF20/PA++】程度の日焼け止めで十分です。日中に軽い運動をするのであれば、【SPF30/PA+++】程度あると安心できるでしょう。また、日常生活で使用するのであれば、さらっとしてなじみやすいジェルやミルクタイプの日焼け止めがおすすめです。

反対に、炎天下の中でのレジャーや、紫外線の反射率が高い雪のある場所(ウィンタースポーツ)に出かけるときは、【SPF50/PA++++】が必須!テクスチャーもウォータープルーフのクリームタイプを選び、汗対策も行いましょう。

また、いくら汗や水に強いタイプであっても、摩擦等で日焼け止めは落ちてしまうので、2~3時間ごとのこまめな塗り直しが大切です。メイクの上から日焼け止めを塗りなおすのが難しい時は、スプレータイプの日焼け止めやUVカット効果のあるファンデーションをうまく利用してみてくださいね。


1年を通して紫外線ダメージのケアを意識しよう!

1年を通して私たちの肌に降り注ぐ紫外線は、季節やシーンに合わせた対策やケアを行うことが何よりも大切です。未来の肌にしわやたるみ、シミを残さないためにも、自分が無理して続けられる紫外線対策や紫外線ダメージのケア方法を見つけてみてくださいね。