唾石ってなに?

唾液は、唾液腺から分泌されます。唾液腺に、脱落した上皮や細菌などのほか、カルシウムによる石ができることがあり、この石を「唾石」といいます。
ほとんどの場合は下顎の下にある顎下腺にできるとされ、その割合は約95%だとする研究もあります。耳の前にある耳下腺や舌の下になる舌下腺にできることは、ほとんどありません。
石の大きさや形なども人それぞれで、触診によって唾石を確認できることもあれば、レントゲンやCTなどの画像診断により、個数やより正確な部位を知ることもあります。
顎下腺に現れる理由としては、顎下腺の排出管の形状で急に細くなるところがあり、唾石のような固形物が一旦できると詰まって排出されにくいからではないかとされています。

唾石症とは

「唾石症」は、唾石ができたことにより生じる病気を指します。
無症状のケースもありますが、場合によっては食事中に腫れや痛みが出たりすることがあります。食事の際に顎下腺から唾液が多く分泌されますが、食事のときに分泌される唾液が唾石によって止められるために流入に影響し、痛みが出ると考えられます。食事の後は、腫れや痛みが戻るというケースもあるようです。
好発する層としては、40~50代の男性にやや多く見られ、喫煙者はより多い傾向にあります。また、飲酒の習慣が与える影響も問題視されており、こうした嗜好が唾液分泌の状態や性状を変えている可能性が指摘されています。一方で、子どもや高齢者にはあまり見られないという特徴もあります。

無症状の場合、本人が自覚がないまま唾石が残っており、画像診断によって偶然発見されることもあります。ただ、レントゲンでは確認できない唾石もあるので、より正確な検査となればCTがおすすめです。

自然に改善することもある唾石症ですが、腫れが頻発して痛みも悪化するということもあります。中には腫れたときにゴルフボールのように硬くなったというものもあるので、だんだん痛みや腫れがひどくなるようであれば、かかりつけ医などに相談することをおすすめします。

唾石症の治療方法について

ごく小さな唾石であれば、自然に流出する可能性が高いとされています。その場合は症状を沈静化して経過観察するか、唾石が移動してきたところで摘出するといった方法があります。

しかし、唾石が途中で詰まってしまう場合は、局所麻酔をして舌と歯の間にある粘膜を切開することもあります。この場合の手術に必要な時間は20分程度で、半日入院となることもあります。また、内視鏡を使った治療もあり、直径4ミリ程度までであれば、体への負担を抑えて唾石を摘出することができます。

唾石が大きく、しかも奥深くで詰まって炎症を繰り返しているケースでは、全身麻酔をしたうえで唾液腺ごと摘出する手術をする方法も選択肢に挙げられます。この場合、2週間ほどの入院が必要となることがあります。唾液腺を摘出してもすぐに大きな問題はありませんが、経過とともに唾液の分泌量が減ったり、口内が乾燥しやすくなったりすることがあります。

近年は「体外衝撃波法」と呼ばれる方法を用いることもあります。体外衝撃波法はメスを使わない比較的新しい治療方法で、尿路結石を治療するときにも使用されます。 これは衝撃波を使った治療方法で、特殊な装置により体内の石を粉砕することで、石が自然に排出されるようにします。

あまり広く知られていない唾石症ですが、ひどくなると全身麻酔による手術をしなければならない病気です。食事のときなどに舌の裏側や喉周辺の痛みが続くようなことがあれば、歯科口腔外科や耳鼻咽喉科などを受診するようにしてください。