避難袋に歯ブラシを!災害時に備えておきたい口腔ケアグッズ

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近年は地震や台風、大雨など、各地域で大規模な災害が発生しています。災害リスクへの関心が高まっている中、避難場所や経路の確認、食料や飲料の備蓄のほかに、非常用の避難袋を用意することも、家庭でできる防災として推奨されています。

避難袋にぜひ加えておきたいのが、歯ブラシやマウスウォッシュなどの口腔ケアグッズです。避難先では水が使えなかったり歯ブラシがなかったりすることも想定され、口の中が乾いて虫歯になりやすい状態になる恐れがあります。また、入れ歯を使っている方は、避難先で痛みが出て食事をとれなくなる可能性もあります。

避難袋にはどのような口腔ケアグッズを用意しておけば良いかをご紹介します。

①あなたのご家庭は避難袋を用意していますか?

大きな災害は、いつ起こるかわかりません。予報が出る大雨や台風でも、想像以上の規模になって自宅が被災することもありえます。非常時に持ち出すべきものをひとつの袋やリュックサックなどにまとめておけば、いざという時に慌てることなく避難できます。

避難袋に入れておくものとしては、

・飲料水、食料品
・貴重品(現金、印鑑、健康保険証など)
・救急品(包帯、常備薬など)
・防災グッズ(携帯ラジオ、懐中電灯、携帯電話の充電器など)
・衣類
・衛生用品

などが挙げられます。
そのほか、ご家庭に応じて必要なものがあるか、普段から話し合ってみるといいでしょう。

②避難所では水や物資が限られているかもしれません

災害発生後に国や自治体の支援が機能し始めるのは概ね4日目以降とされており、それまでは自治体が保管している備蓄を使うことになります。しかし、それだけでは水や食料の供給が充分でない場合も考えられるほか、個々人が必要とする物資を用意できない可能性もあります。そのため、普段通りの生活を送るのは難しいと思った方がよいでしょう。

例えば、日常的に使用しているトイレも、水が流れないと衛生的な問題が発生します。さらに、大勢が集まる避難所ではプライバシーの確保も難しくなり、大きなストレスを抱えながら過ごすことになるかもしれません。

③避難時に口腔ケアが必要な理由

避難場所での生活において後回しになりがちなのが、歯磨きなどの口腔ケアです。歯ブラシや水もない状況では、口の中を清潔に保つのが困難です。

「ちょっとくらい歯を磨かなくても健康に影響はないだろう」と思われる方もいるかもしれません。しかし、口腔ケアができない状況では、口の中の渇き、口臭、口内炎や歯肉炎、さらには歯痛など、あらゆるリスクが上昇します。虫歯にかかっている方は、症状が進行するリスクをより高めてしまいます。

高齢者の場合は、入れ歯などの義歯を紛失してしまうことも考えられます。これでは普段どおりに食事をとれなくなるほか、誤嚥性肺炎を招きやすくなるので注意が必要です。義歯を紛失しないようしっかり管理するほか、普段からかみ合わせを調整しておきましょう。また、避難場所で「お口の体操」を行い、口腔機能が低下しないように努めることも大切です。

お子さんにとって大きなリスクになるのは、避難所の食事です。お菓子やチョコレートなど簡易的で甘いものが供給される場合が多く、虫歯を発症しやすい傾向にあります。また、日常のリズムを奪われることは、お子さんにとって非常に大きなストレスになります。お子さんの言うことに傾聴することも大切ですし、普段の習慣をなるべく崩さないように保つこともストレスを軽減させる方法のひとつです。避難所の中やその周辺など、安全が確保できる場所で遊ばせるほか、おもちゃを与えることも日常を取り戻す工夫です。こうすることで、お子さんが精神的な安定を図ることができます。

④避難袋に入れておきたい口腔ケアグッズ

水が充分に使えない状況でも使用できる口腔ケアグッズをご紹介します。

歯ブラシは避難袋にぜひ入れておきたいグッズのひとつです。歯肉などが痛む可能性を考慮し、柔らかめの歯ブラシを選ぶとよいでしょう。

また、水が使えないときでも口をゆすげるよう、ノンアルコール系のマウスウォッシュもぜひ用意してください。携帯できる小さなものも販売されているほか、イソジンガーグルなどのうがい薬も洗口の際に効果的です。

キシリトールガムも非常時に持っておきたいグッズです。ガムを噛むとたくさんの唾液が出てきますが、これが口の中の汚れを洗い出します。ガムがない場合は、耳の下あたりをマッサージすると唾液が分泌されます。

避難場所で歯ブラシがない場合は、少量の水でしっかりうがいをするか、ハンカチなどの布を指に巻いて歯の汚れを落とすという方法があります。

普段は歯磨き剤などを使っているという場合は、避難場所では注意が必要です。歯磨き剤は口をゆすぐときにたくさんの水を必要としますので、水が少ない場合は使用せず、上記のようなケアで対処するとよいでしょう。

避難袋では後回しになりがちな口腔ケアグッズですが、虫歯や誤嚥性肺炎などのリスクを避けるためにもぜひ用意しておきたいものです。スペースを取らないコンパクトなアイテムも多数あるので、避難袋を見直す際に検討してみてはいかがでしょうか?

歯科医師:古川 雄亮 先生
歯科医師:古川 雄亮 先生

国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事。

歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

[参照URL] https://www.nature.com/articles/s41598-019-51077-0

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