口腔粘膜にできる血種
口腔粘膜に血腫ができる原因の一つとして、口の中が傷つくことが挙げられます。
ストレスが原因で無意識に頬の内側や舌を噛んでしまったり、誤って頬や唇を噛んでしまったりすると、血腫が生じる可能性があるのです。
また、矯正器具の金属が粘膜に引っかかって傷ができたり、入れ歯や被せものによって粘膜が傷ついたりすると血種ができることがあります。
外傷のほかにも、アレルギー反応によって血種が発症するケースもあるのです。
特に食べ物にアレルギーがある場合、食べたときに口腔内にアレルゲンが直接触れるため、口腔粘膜に血種ができる可能性が高まります。
口腔粘膜血腫を悪化させないためにできること
口腔内にできる血腫は多くの場合、1週間程度で症状が改善し、治癒していきます。
1週間以上が経っても血種がある、できたときよりも血種が日に日に大きくなっていく場合は速やかに歯科医院で血種を診てもらいましょう。
血種が治らない場合はがんの疑いがあります。
また、矯正器具や被せ物や入れ歯で血種ができている場合は使い続けていると粘膜の刺激物となり、慢性的な刺激はがんの原因にもなり得ます。
歯科医院で矯正器具や被せ物、入れ歯の調整をしてもらって、血腫になる原因を取り除きましょう。
血腫が気になるからといって、舌や指で患部に触れると細菌感染などにより血腫が悪化する可能性があります。
歯磨きの際にも歯ブラシがなるべく当たらないようにし、血種が破れてしまわないように注意しましょう。
血種は破れなくても、血腫の内容物は次第に体内に吸収されます。破れることで細菌が入り込んだり痛みを感じる原因となるため潰さないようにしましょう。
歯科医院を受診する目安はいつ?
同じ部位に繰り返し血腫ができる場合は、歯並びや噛み合わせが悪いことや被せ物・入れ歯の形が原因であるとも考えられるため、歯科医院で治療を受けましょう。
先にも記載しましたが、慢性的な粘膜への刺激は口腔がんの原因となると考えられています。
血種くらい…痛みはないし…と思わず、治療を受けましょう。
また、血腫の数が多い場合は、ストレスや癖で無意識のうちに噛んだことが原因とは考えにくいでしょう。
傷による血腫ではない場合はなんらかの病気が原因である可能性が出てくるため、放置せずに歯科医院で原因を突き止めてみてください。
他にも、潰れた血腫からの出血がしばらく経っても止まらなかったり、血腫が一気に大きくなったりした場合は速やかに歯科医院を受診してください。
血腫が1か月以上改善しない場合は早めに受診しよう
「頬の内側を噛む癖はない」「矯正器具は装着していない」「アレルゲンとなる食材を摂取していない」といったように、一般的に血腫の原因に一切心当たりがない場合は、口腔がんかもしれません。
口腔がんを発症すると、頬の内側や歯茎に硬い血腫が現れることがあります。白血病を発症した場合はなかなか改善しない血腫がができることがあるのです。
がんや白血病は早期発見が非常に重要となるため、1か月以上にわたって血腫の症状が改善しない場合は、歯科(口腔外科)や内科を受診しましょう。
まとめ
口腔粘膜血種(血豆)は通常であれば1週間程度で自然治癒しますが、1カ月以上が経過しても改善がみられない場合は、他の病気が原因である疑いも出てきます。
がんや白血病が原因の血腫は、放置していると命にかかわる危険があります。
なかなか血腫が治らなかったり、血腫からの出血が止まらなかったりする場合は歯科であれば口腔外科を受診し、血種を診てもらいましょう。