口が曲がって見える原因


口が曲がって見えるのには、歯並びや噛むときの癖が関係している場合があります。
それぞれの内容や原因について見ていきましょう。

歯並びが悪い

歯並びが悪いままだと上下の歯がうまく噛み合わず、噛み合わせも悪くなります。
噛み合わせの悪化は顎周辺の筋力や骨格のバランスの崩れなどをもたらすため、口が曲がって見えるようになります。

歯並びが悪くなる原因は、先天的なものと後天的なものに大きく分かれます。
先天的な原因とされているものとして、顎や歯の大きさ、骨格の歪みなどが挙げられます。

一方、横向きに寝る、うつ伏せで寝るなどの癖や生活習慣によるものは後天的なものとなります。
正しい姿勢で眠れていないと、顎や歯に余計な負担がかかる場合があります。

このほか、虫歯や歯周病に罹り歯の形態が変わり動揺して位置が変わることなどによって歯並びが悪くなることも後天的な原因として挙げられます。

片噛みをしている

食事をしているとき、無意識に左右どちらかの顎だけで噛んでいる「噛み癖」はありませんか?
片方の歯ばかりで噛む癖を習性を「片噛み」といいます。

片噛みは単なる癖によるもののほか、歯並びの悪さ、噛み合わせの悪さ、それに虫歯ができたことで痛くない・噛みにくくない健康な歯の方だけで食べてしまうことなどが原因です。

片噛みは片方の顎ばかり使って食べるで、噛む側の顎の筋肉が発達し、使われていない側の顎の筋肉は衰えます。
結果、顔のバランスが崩れて口が曲がって見えることがあります。

口が曲がってるかたの特徴

口角・目の位置の高さが異なる

口が曲がっていると思っても、微妙な違いではご自身で判断がつきにくいかもしれません。
そこで、顔のバランスを見る方法として有効なのが、口角や目の位置の高さを比較する方法です。
口角や目の位置の高さを左右で比べ、高さが異なる場合は口が歪んでいることがわかりやすいでしょう。

鏡でご自身の顔を確認するほか、写真で見る場合には顔の中央に線を引くことでよりわかりやすくなります。
マスクで顔の一部を隠すという方法でも、目の左右の高さを確認できます。

フェイスラインが非対称

顔が歪んでいると、噛むときの顎の動きがスムーズでないこともあります。
片噛みの癖があると、普段噛む方の顎の筋肉が発達するため、フェイスラインが非対称になり顔が歪んで見えてしまうのです。

フェイスラインは顔全体で見ると左右が対称かどうかわかりにくくなりますが、唇は目安になります。
口角の左右の高さを比較することで、フェイスラインの歪みを確認しやすくなります。

片側の顎に痛みが生じる

普段から、片側の顎だけ痛みを感じることはありませんか?
もしそうである場合、片側の顎だけ使っていることで負荷がかかってしまっている可能性があります。
片方の顎にだけ負荷がかかると、左右の顎の筋肉を使うバランスも崩れてしまうので、顔の歪みにもつながり口が曲がって見えてしまいます。

片側の顎にだけ痛みがある場合は、顎関節症の疑いがありますので歯科医院などの医療機関をなるべく早く受診するとよいでしょう。

口の歪みに気付いたらまずは歯科医院を受診しよう


歯の病気を早期発見・早期治療できる

繰り返しになりますが、口が曲がっている原因のひとつに片噛みがあり、虫歯や歯周病の痛みなどによって片方の顎でしか噛まなくなることも一つの要因として挙げられます。
もし、あなたの片噛みが歯の痛みによるものであれば、虫歯や歯周病を治療するチャンスでもあります。

片噛みの原因となっているかもしれない虫歯や歯周病を放置してしまうと、どのようなリスクがあるのでしょうか。

虫歯を放置するとその歯がボロボロになってしまうだけでなく、ほかの歯の虫歯も進行させてしまうおそれがあります。
さらに、虫歯の原因となる細菌が血流に乗って全身を巡り、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気を引き起こすおそれもあるといわれています。

また、歯肉が腫れたり出血したりする歯周病は、そのまま放置すると歯周組織が細菌によって溶かされてしまい、最悪の場合は歯が抜け落ちてしまいます。

歯周病を放置するリスクは、それだけにとどまりません。
炎症を繰り返すことによって毒性物質が全身を巡り、糖尿病や心筋梗塞といった重大な病気にも関わることも。

口の歪みの原因となる虫歯や歯周病を早期発見・早期治療につなげましょう。

歯列矯正で口の歪みを解消できる

歯科医院では、歯並び・噛み合わせを改善する「歯列矯正」という治療があります。
もし、歯並びが原因で口が曲がって見える場合は、歯列矯正によって口の歪みが解消される可能性があります。

歯列矯正で歯並びが良くなるということは、噛み合わせも正しくなっていくことにつながっていきます。
歯列矯正をすると歯磨きがしやすくなって虫歯や歯周病の予防につながるほか、食べ物をしっかり食べられるので消化が良くなる、といったさまざまなメリットがあります。
もちろん、口元の見た目も美しくなります。

歯列矯正をする際の矯正装置には、マウスピース型装置とマルチブラケット装置の2種類があります。

マウスピース型装置は、その名のとおりマウスピースの形状をした装置で歯を動かすものです。
装置が透明なので装着しても目立たちにくいほか、ご自身で取り外して食事や歯磨きを普段どおり行えます。

マルチブラケット装置は、歯に取り付けた小さな装置にワイヤーを通すというものです。
一般的な金属製の装置だとギラギラして口元が目立ちますが、歯をしっかり動かせるので治療期間が短くなります。

それぞれ異なるメリットがあるので、ご自身のニーズに合った治療方法を選択するためにも歯科医師としっかり相談しましょう。

顎の病気の早期発見につながる

顎に痛みがあるという場合は、顎関節症の可能性があります。
ご自身では顎の違和感を客観的に評価しにくいかと思いますので、まずは歯科医院を受診してください。
歯に問題がない場合は顎関節症を疑って検査をするので、早期発見につながります。

もし、上下顎の大きさや位置のバランスが崩れている顎変形症とよばれるような大きな異常が見られた場合、下の前歯が上の前歯より前方に位置する下顎前突症、上の前歯が下の前歯より大きく位置する上顎前突症、奥歯だけが噛み合って前歯は噛み合わず上下前歯の間に隙間ができてしまう開咬症などが一例として挙げられます。
症状によっては、口腔外科を受診する必要があります。

まとめ

口が曲がって見えてしまう原因は、さまざまなものが考えられます。
虫歯や歯周病、歯並びや顎の問題は、どれも歯科医院で診察できるものです。
もし、口が曲がって見えることが気になったら、ほかのお口の症状とともに歯科医院に相談してみましょう。
お口の病気の早期発見・早期治療につなげられるかもしれません。