口内炎が原因でリンパまで痛むって本当？


口内炎とはお口の中に生じる炎症のことで、舌・頬・唇・歯茎などお口の中の粘膜にできる潰瘍です。

口内炎ができている時に喉や首のあたりが痛むことはありませんか？
口内炎はいくつかの種類があり、首のリンパ節が腫れることもあるんです。

リンパ節が腫れる口内炎は、ウイルスが原因のものがあります。
ウイルスが原因で口内炎ができ、ウイルスが増殖して喉やリンパまで到達し症状が出たと考えられます。

そのほか、5つの口内炎についてご紹介します。

口内炎の種類と症状


口内炎はそれぞれ原因や症状が異なります。

アフタ性口内炎

気が付いたらいつの間にかできていた口内炎の多くがアフタ性口内炎です。

見た目は白く小さな円状のできもので、周囲は赤く腫れ、食べ物や飲み物、舌で触るなどのちょっとした刺激で激しい痛みが生じやすいのが特徴です。

アフタ性口内炎ができる原因は、栄養バランスや睡眠不足など生活習慣の乱れが主な原因です。過労・ストレス・お酒の飲みすぎなどによってもできます。

基本的に1週間〜2週間で自然と治りますが、気になって舌や指で触ったり、噛んでしまうとなかなか治らないこともあります。
アフタ性口内炎は同じ場所に繰り返し起こることも特徴です。

カタル性口内炎

お口の中を噛んでしまったり、被せ物や矯正装置による物理的刺激が原因でできるのがカタル性口内炎です。

アレルギーや薬品による刺激、歯磨きが不十分でお口の中の衛生環境が乱れていることが原因でできる口内炎もカタル性口内炎に分類されます。

カタル性口内炎は何もしなければあまり痛みはなく、触れたり刺激が加わると痛みを感じることがあります。

ヘルペス性口内炎

ヘルペス性口内炎は、ヘルペスウイルス感染によって起こる口内炎です。

ヘルペス性口内炎は、代表的なウイルス感染による口内炎です。
接触感染や飛沫感染によって感染します。

特に乳幼児はヘルペスウイルスに感染しやすく、一度感染した全員がヘルペスウイルスが身体の奥に潜んで感染感（潜伏感染）しているといわれています。

ヘルペスウイルスに感染しても必ずしも症状が出るわけではありません。
疲れていたりストレスが溜まっている、風邪などの他の疾患にかかって免疫力が落ちたときになることが多く、健康な時は症状が出ない人が多いです。

ヘルペスウイルスによる口内炎ができているということは、免疫力が落ちて体内にヘルペスウイルスが増殖しているのかも。
増殖したヘルペスウイルスがリンパ節まで到達し痛みが出る可能性があります。

ヘルペスウイルスは、症状が治まっても体内から完全になくなったわけではありません。体内に潜伏し、再び免疫力が落ちると、症状が出てることがあります。


カンジダ性口内炎

カンジダ性口内炎は、カビの一種であるカンジダ菌の増殖が原因で起こる口内炎で、白いコケのような見た目をしています。
カンジダは日和見菌（ひよりみきん）で、身体が健康な時には増殖せず症状を起こしません。

しかし、身体の免疫力が落ちたときに増殖し、口内炎やカンジダ症を引き起こします。
ただれや痛みを伴い、剥がれたときに出血するなどの症状が見られ、カンジダ菌が喉まで繁殖すると、呼吸困難を起こす恐れがある点に注意が必要です。

綿棒などで擦ってとれる白いコケ状のものが舌についている、擦りとると出血する、舌がピリピリとする、味覚がおかしいなどの違和感を感じたら口腔内カンジダ症を疑いましょう。

ニコチン性口内炎

喫煙者に多いのががニコチン性口内炎です（長期間副流煙を吸い込んでいる人もニコチン性口内炎ができる可能性があります）。

煙草に含まれるニコチンが原因で、白っぽい口内炎ができます。
他の口内炎ほど激しい痛みはなく、ピリピリとした刺激を感じることがあります。

煙草の煙や熱、有害性物質によってお口の粘膜が刺激されることが原因で口内炎ができてしまいます。

ニコチン性口内炎の有効な予防方法は禁煙です。

口内炎ができたらどうしたらいい？


口内炎の種類によっては、腫れや痛みがあるだけでなく、リンパ節まで痛くなるなど辛い症状が出ることもあります。

口内炎ができてしまったら、なるべく早く治すためにどのように対応をしたらよいのでしょうか？

刺激を避け口内を清潔に保つ

基本的に口内炎に刺激が加わると治りが遅延します。

まずは、舌や指で口内炎を触らないようにしましょう。
辛いものや酸性のものなど、刺激物の飲食も控えるようにしてくださいね。

また、いつも以上にこまめに歯磨きをしてお口の中を清潔に保ち、口内炎に菌やウイルスが付着して悪化しないようにしてください。
歯磨きの時に、歯ブラシや歯磨き粉、マウスウォッシュが口内炎に当たると刺激となるので、慎重に磨くことがポイントです。

口内炎用の薬を用いる

口内炎の炎症を鎮めるための成分が配合されていたり、抗菌作用がある口内炎のお薬も市販されています。

薬の種類は、うがい薬・トローチ・軟膏・パッチなど豊富にあり、自分自身で使いやすいタイプのものを選んでください。
病院で処方してもらうこともできるので、自分で決められない場合は歯科医院で処方してもらいましょう！

口内炎を覆う軟膏やパッチを使う場合、寝ている間に口内炎が乾燥しないように付けることで長期的に薬を作用させて炎症を抑えることもできますよ。

うがい薬やトローチは、お口の中の菌やウイルスを減らすのに有効です。
つらい口内炎を少しでも緩和するために、口内炎の薬を使ってみてくださいね。


禁煙する

喫煙者に多いニコチン性口内炎の唯一の予防法は禁煙です。
煙草は口内炎の原因になるだけでなく、できてしまった口内炎の治癒が遅くなってしまいます。

さらに、タバコは虫歯や歯周病のリスクにもなるため、口内炎に限らず、お口の中の環境をよくするため禁煙することがおすすめです。

早めに歯科医院を受診する

口内炎の症状や特徴が自分では掴めないという場合、早めに歯科医院を受診してしまいましょう！
口内炎を診てもらうことで、口内炎に対するレーザー治療や口内炎のお薬を処方してもらうこともできます。
お口の中のクリーニングを受けることもできます。

万が一口内炎ではなく口腔がんだった場合、早期発見・治療にもつながりますので、たかが口内炎と思わずに通院して診断を受けてみてはいかがでしょうか。

まとめ

口内炎ができて喉や首のリンパ節まで痛むという場合、ウイルス感染の可能性があります。
ヘルペスウイルスの場合は、放っておくと発熱に加えて口内炎やリンパ節の痛みなど、ほかの症状が出てくることも考えられます。

口内炎ができているときは指や舌で触ったりせず、口腔内を清潔に保って、生活習慣を整えましょう！
1−2週間たっても治らない口内炎は、歯科医院で診断を受けて見てくださいね。