歯周病のセルフチェック
お口の中の状況をチェック
歯周病の症状の一つとして、口臭が強まることがあります。
口臭が気になったり、他人から口臭について指摘されたことがある人は、歯周病が原因かもしれません。
朝起きたら口の中がネバネバしていたり、歯磨きや硬いものを食べた後に血が出たりする場合も、歯周病による病的口臭可能性が高いでしょう。
お口の中の小さな異変は、歯周病のサインかもしれません。
歯肉の状態をチェック
歯肉の状態も、歯周病のセルフチェックにおける重要なポイントです。
歯肉が赤く腫れたり、ブヨブヨしていたり、歯肉を押したり歯磨きをした際に血や膿が出る場合、歯周病の可能性がかなり高いですよ。
また、歯が以前よりも長くなったように感じる、という場合も注意が必要です。
実は、歯肉炎になると一度は歯肉が腫れて膨れて見えますが、歯周炎では歯を支える骨が吸収され歯茎が下がる歯肉退縮が起こるのです。
歯と歯の隙間が大きくなっている場合も要チェックです。
歯の状態をチェック
最後に、歯の状態もチェックしておきましょう。
例えば、歯と歯の間に物が詰まりやすくなったり、歯並びが変わったように感じる場合、歯周病が進行している可能性があると考えられます。
また、歯が揺れていたり、歯が浮いたような感覚がある場合も、歯周病により歯を支える骨が溶けて歯がぐらついていることが考えられます。
歯科医院でしっかりチェックしてもらってくださいね。
歯周病になるまでの過程1・2
1.歯肉炎
歯周病が発生する前の段階で、歯肉だけに症状が出ている状態を「歯肉炎」といいます。
歯肉炎が進行すると歯周炎へと進行していきます。
歯肉炎では、歯肉が薄いピンク色から赤色になり、歯と歯の間の歯肉がロール状に丸みを帯びて膨らむことがあります。
また、ブラッシング途中に歯茎から出血したり、腫れた歯と歯肉の間に歯垢が溜まりやすくなります。
この段階であれば、歯肉の間にある歯垢を歯磨きなどで除去することによって、歯周炎になる前に改善することができます。
2.歯周炎
歯肉炎が改善がなされないと、歯周病の次の段階の「歯周炎」へと移行します。
ブラッシングで出血や膿が出てくるだけでなく、歯肉の腫れもひどくなることもあるでしょう。
歯垢による歯周組織の破壊も進行し、歯茎が下がると歯と歯の間の隙間が広がっていきます。
食べ物が詰まりやすくなることに加え、歯肉が退縮し、歯が長く見えるようにもなります。
加えて、「歯周ポケット」と呼ばれる、歯と歯肉の間にできたスキマもできて、歯垢がさらに溜まりやすくなり、歯周病も進行しやすくなります。
歯周病になりやすい人の特徴3選
喫煙者である
タバコに含まれる化学物質は、歯肉の血行を悪くしたり、歯肉が硬くなります。
喫煙をすると歯周病の予兆となりうる出血や腫れなどの症状がわかりづらくなることがあり、歯周病の進行に気づきにくくなってしまいます。
また、血管末梢の血流が悪くなるため、歯周病が進行しやすくなります。
喫煙者は非喫煙者に比べて歯周病になりやすくなるというだけでなく、歯周病治療の難易度も上がります。
糖尿病を患っている
糖尿病を患っている場合も、歯周病に大きな注意を払う必要です。
血糖値が高くなると免疫機能が下がり、歯周病による歯を支える骨の吸収が促進されやすくなります。
さらに、歯周病細菌から出る炎症物質は、体の中で血糖値を下げる働きを持つ「インスリン」の働きを妨害してしまいます。
歯周病の進行は、糖尿病の血糖値のコントロールを難しくします。
歯周病と糖尿病は相関しており、悪循環に陥りやすい関係にあるため、どちらも悪化しないように注意が必要です。
妊娠
妊娠している場合、歯周病に人一倍気をつける必要があります。
妊娠中に分泌されるエストロゲンという女性ホルモンは歯周病原細菌の増殖を促すため、歯周病にかかる可能性が高くなります。
特にプロゲステロンが産生されやすい妊娠中期から後期にかけて「妊娠性歯肉炎」が起こりやすくなります。
加えて、歯周病の炎症によって、血流を通して子宮を収縮させる炎症物質が分泌されます。
歯周病による子宮の収縮により早産や低体重児の出産に繋がるという研究結果が報告されています。
ご自身だけでなく、お子さんの健康にも影響を及ぼす可能性が高いため、妊娠前後における歯周病予防は非常に重要といえます。
まとめ
歯周病は歯を失う可能性が高い恐ろしい病気ですが、早期に気づくことが可能です。
今回紹介したセルフチェックにおいて、歯茎の出血や腫れ、動揺など歯周病の特徴に該当する点が複数あった場合は、早めに歯科医院で診察を受けておくといいかもしれません。
セルフチェックも大切ですが、基本的には定期的に歯科医院を受診して、歯周病の早期発見・治療を心がけましょう。