糖尿病と口臭の関係

糖尿病患者に共通する特徴として、「甘酸っぱい口臭(アセトン臭)」が挙げられます。
糖質でなく脂肪やタンパク質が代わりにエネルギー源として分解されてできる「ケトン体」が糖尿病患者の甘酸っぱい口臭の原因物質です。

糖尿病になるとドライマウスにもなり、口臭が強くなることも


糖尿病になると、当然ながら血糖値も高くなります。

糖代謝の異常により尿量も多くなり唾液腺の障害が生じて唾液量の減少が起こります。
唾液が少なくなったお口の中は乾燥し、ドライマウスへとつながっていきます。

唾液の分泌量が減少すると、口の中に生息する細菌の量が増えるため、口臭が強くなってしまうだけでなく、虫歯や歯周病にも罹りやすくなります。

歯周病になると歯周病原菌が血糖値を下げるインスリンの働きを悪くするため、糖尿病の病態の悪化につながります。
糖尿病が悪化して唾液の分泌がさらに悪くなり歯周病も悪化する…という、相互の悪循環をもたらします。

糖尿病であることに早めに気づいて、お口の中のケアと共に適切な治療を早期に受ける必要があります。

糖尿病の治療をすれば口臭は改善される?

糖尿病の発病により甘酸っぱい口臭がどのように生じるのかを解説しましたが、糖尿病の治療を行うことによって、糖尿病患者特有の口臭を抑えることは可能です。

ただし、口臭の原因は糖尿病ではなく歯周病の可能性も高いです。
糖尿病の治療を行うだけではなく、歯周病治療も受けて、ご自身での生活習慣の改善もしっかりと行うことも、口臭を減らすためには非常に有効です。

まとめ

「口臭が甘酸っぱい感じがする」と思われる方は糖尿病の可能性が考えられます。
糖尿病かな?と思ったら、糖尿病内科を受診し、歯科での検診も受けるようにしましょう。

糖尿病は口臭や歯周病以外にも神経障害、腎症、網膜症などのさまざまな合併症を引き起こす生活習慣病です。
糖尿病特有の口臭が出ている場合、病気がかなり進行している可能性が高いので、すぐに内科を受診するようにしましょう。