歯周病治療に使う薬ってどんなもの?


歯科医院においては、「ペリオフィール」や「ペリオクリン」といった、歯周病用の塗り薬を用いることがあります。
歯石や歯垢といった歯周病を悪化させる汚れを取り除いたうえで、薬を使うことにより、歯周病治療の補助的な役割を果たしてくれます。

また、歯周ポケットに薬剤を直接注入することにより、歯周病の原因となる菌の殺菌する局所薬物送達療法(LLDS)を行うことも多いです。

歯周ポケット内に薬を直接投与できるLLDSは、飲み薬などよりも直接作用し高い効果が見込めます。

歯医者さんで処方されるジスロマックとは


「ジスロマック」は歯周病菌を殺菌する効果を持つ抗生物質で、歯科医院にて処方される錠剤です。
1日1回のペースで、3日間にわたって服用することにより、歯周病菌の数を減らすことが期待できます。

また、ジスロマックではなく「ファンギゾンシロップ」という飲み薬が処方されることもあります。
こちらは、歯周病の原因の一つであるカビの「カンジダ菌」の胞子を取り除くことで、歯周病を改善する目的で用いられます。

歯周病改善は薬の活用と歯医者での歯周病治療!

これまで紹介してきたように、歯周病に対して効果を発揮する薬自体は存在します。

しかし、服用している最中は歯周病の症状を抑えることができても、投与期間が終わったら再発してしまいます。
薬だけで歯周病を完治させる方法は現時点では存在しないため、根本的な解決にはなりません。

具体的には、歯科医院で歯石や歯垢をしっかりと除去することによって歯周病菌を減らすことがポイントです。

市販薬でも歯周病に効果はあるの?


市販薬の中にも歯周病に効果があるものはあるかもしれませんが、それだけで歯周病治療が完了するわけではありません。
患者さん自身のお口の症状を確認したうえで、症状に応じた薬を選択していくと良いでしょう。

歯茎の腫れている場合

歯茎が腫れるような症状がある場合は、抗炎症作用がある薬を服用・塗布することによって、一時的に痛みや腫れを抑えることができます。

グリチルリチン酸二カリウムの成分含有のお薬や、プレドニゾロン等のステロイド軟膏お薬を選ぶとよいでしょう。

歯茎から出血がある場合

歯茎からの出血がみられる時は、組織修復作用がある薬を服用することで、対症療法を試みることができます。

この場合は、パンテノール、アラントインといった成分含有のお薬を選ぶと効果的です。
また、殺菌作用があるお薬を活用する方法も有効と考えられます。

歯茎が痛む場合

歯茎に痛みを感じる場合は、麻酔効果がある薬を服用するとよいでしょう。
ジブカイン塩酸塩やアミノ安息香酸エチル等の成分が含まれているお薬を活用することで、痛みの軽減が見込めるようになるでしょう。

まとめ

歯周病に効く薬は多々ありますが、薬による治療だけで歯周病を良くすることはできません。

お薬は対症療法がメインで、歯周病の原因となる歯垢や歯石を取り除くことも不可欠です。
市販薬による歯周病の症状改善には限界があるため、歯科医院を受診して歯科医師や歯科衛生士などのプロの手を借りて歯周病治療に積極的に取り組んでいきましょう。