ロイテリ菌による歯周病効果
ロイテリ菌は乳酸菌の一種。
乳酸菌というと、腸内の悪玉菌の繁殖を抑えて善玉菌を増やす役割が有名ですね。
でも、乳酸菌は腸内環境を整える働きだけではありません。
ピロリ菌を減少させたりアレルギー症状を緩和するなど様々な効果があります。
その中のひとつとして、歯周病の抑制や改善効果があるという研究結果が出ているのがロイテリ菌なのです。
現在歯周病に罹っている方や歯周病が気になる・予防したい方は、ぜひロイテリ菌の効果について知っておきましょう!
具体的な効果とは?
ロイテリ菌には、お口の中に次のような効果があると考えられています。
・歯周病菌の減少(増殖の抑制)
・口臭の減少
・朝のお口のネバネバ感の減少
・歯茎の炎症の改善
ただし、人工的に取り入れたロイテリ菌を含む乳酸菌は人の体に定着せず、1週間ほどでなくなるともいわれており、効果を持続させるためには定期的に取り入れる必要があります。
そこで、簡単に継続的に取り入れる方法をご紹介します!
簡単:ロイテリ菌の取り入れ方
ロイテリ菌を取り入れ方は様々ですが、ロイテリ菌が配合されたタブレットが多く販売されています。
乳酸菌そのものは医薬品ではありませんので、医薬部外品として市販されているものや歯科医院で取り扱われているタブレット等を購入してみてはいかがでしょうか。
タブレットは1日1回1錠、噛まずに最後まで舐めるようにしましょう。
最後まで舐めることができる年齢になれば、ロイテリ菌タブレットを取り入れることができますよ(噛んでしまうお子様には推奨されていません)。
食べたり飲んだりするとロイテリ菌が唾や水分で流されてしまうため、タブレットは寝る前に舐めると良いといわれています。
また、ヨーグルトやサプリメントなども販売されていますので、生活習慣に合った方法でロイテリ菌を取り入れていきましょう!
歯周病治療との併用で更に効果を発揮
歯周病治療に効果が期待されているロイテリ菌ですが、舐めるだけで歯周病が治るものではなく、従来の歯周病治療である毎日の歯磨きや歯石取りなどの歯周病治療は欠かせません。
じゃあロイテリ菌は使わなくても変わらない…わけではないのです!
ロイテリ菌は従来の歯周病治療と併せて服用することで、これまでの歯周病治療の効果をより発揮させる効果があるといわれているんです。
歯周病治療をより効果的に進められれば、歯周病進行による歯茎の下がりが緩和できたり、歯周病改善による口臭が改善されるなどの良い効果が期待できますよ。
もちろん、歯周病治療を行わずにロイテリ菌を取り入れても効果はありますが、それだけで歯周病が治るかどうかは実証されていません。
歯周病治療と併せて、もしくは歯周病の予防として取り入れてみてくださいね。
歯周病に対する治療方法
これまで歯周病は、お口の中の清掃(歯石やプラークの除去)を軸に、併せて抗菌剤を使用する方法が主な治療として行われてきました。
しかし、ロイテリ菌が発見されたことにより、抗生剤を使わないバクテリアセラピー(細菌療法)が注目されているんです。
抗生剤を使用しないこと、そして副作用がほとんどないとされる乳酸菌を使用することで身体に優しく歯周病治療ができるんです。
抗菌療法
これまでの歯周病治療では、既にお口の中にいる菌に対して、汚れの除去だけでなく抗菌剤による抗菌療法が行われてきました。
ところが近年、抗菌剤に対して耐性を持った菌が現れており、効果がみられないケースも報告されています。
また、妊婦や重度の全身疾患を持つ患者さんには抗菌剤を適応できない場合もあります。
バクテリアセラピーによる治療
そこで注目されたのが、バクテリアセラピーという治療方法です。
乳酸菌などの細菌を投与してお口の中にいる善玉菌の割合を増やすことで、お口の中にいる虫歯や歯周病の原因となる細菌を減らしていくのです。
バクテリアセラピーであれば耐性を持った菌がないうえに安全性が高く、多くの患者さんに使用できます。
歯周病は完治ができないともいわれていますが、小康状態になったあともロイテリ菌を継続して取り入れることで再発防止も期待できますよ。
ロイテリ菌は歯周病に対する効果だけじゃない
ロイテリ菌は、歯周病以外にも全身にさまざまな効果があることがわかっています。
乳酸菌には様々な効果があるとご紹介しましたが、歯周病に対する効果と全身に対する効果を持ち合わせているものも。
ロイテリ菌は歯周病の抑制・予防効果のほかに、
・ピロリ菌の抑制
・口臭の原因菌の抑制
・アレルギー抑制(※)
があるという研究結果があります。
(※乳児のアトピー性皮膚炎の症状の緩和)
参考:ロイテリ菌とは?ADI.G
ロイテリ菌は子どもにも効果がある
ロイテリ菌はヒト由来の乳酸菌であり、ロイテリ菌による副作用は確認されていないため子供にも安心して使用できます。
子供がロイテリ菌を摂取した場合の効果として、アトピー性皮膚炎の予防、新生児の水様便の減少、大人同様歯周病の予防、口臭の予防などが挙げられています。
ただし、ロイテリ菌の摂取方法によっては副作用が生じる可能性があるので注意しておきましょう。
ロイテリ菌配合ヨーグルトの場合、過剰摂取による腹痛や下痢、ヨーグルト中の糖分による虫歯や糖尿病の可能性があります。
そのほか、タブレットを喉に詰まらせてしまう危険性やパッケージのを誤飲してしまう可能性があります。
特に小さい子供に取り入れる時には砂糖不使用のタブレットにする、小さい子供が舐めている間は目を離さないようにして取り入れる等がおすすめです。
まとめ
歯周病や口臭はお口の中にいる菌の増殖が原因です。
ロイテリ菌は歯周病菌や口臭の原因菌の増殖を抑制することで、歯周病の緩和や口臭の改善へと役立ちます。
ロイテリ菌を取り入れるだけでも効果がありますが、歯のクリーニングやお口の環境を整えることでより一層の効果が期待できます。
いつものお口のケアに+1ステップ、ロイテリ菌を追加してみてはいかがでしょうか!