不整脈とは


不規則に脈がゆっくりになる、速くなる、時々飛ぶといった症状は不整脈の可能性があります。
手首の内側の橈骨(とうこつ)動脈に3本指を置いて脈を計ることが一般的です。

脈拍数は成人であれば1分間におおよそ50-60以上100未満であれば正常範囲です。
不整脈にも種類があり、1分間の脈拍数が50-60以下の場合を「徐脈」、100以上の場合を「頻脈」と呼びます。

徐脈であっても、脈拍数以外に問題なければ心配することはありません。
また、運動している時や、不安・興奮を感じた時などに頻脈が起こることがありますが、時間経過により正常な脈拍数に戻ります。
運動や緊張などに脈が速くなるのは「生理的頻脈」とで、誰にでも起こります。

また、「期外収縮」という名前の不整脈になる方が多いです。
手や首で感じる脈は心臓の拍動による血液の移動で感じるものですが、時々拍動のリズムが不規則になり、脈のリズムも崩れることがあります。
期外収縮は、年齢が上がるにつれて発症しやすくなります。

不整脈でよくある症状

徐脈の場合には、息切れ・めまい・失神といった症状が見られます。
また、頻脈も同様に息切れ・めまい・失神、さらには胸の痛みなどの症状が出ることもあるのです。(失神することはまれです。)

その他、期外収縮の場合には、脈が飛ぶ、一瞬ドキッとする、一瞬胸が詰まるといった症状があります。(br) 中には一瞬だけ痛みを感じる患者さんがいます。

死に至る不整脈


「不整脈なのは心臓が悪いのが原因なのかも知れない」などの不安を感じるかもしれませんが、症状がない場合にはほぼ心配いりません。

一方で、命にかかわる不整脈もあるのです。それが「心房細動」です。

心臓を上部を構成する心房が不規則に拍動する状態で、心臓から脳や体全体に血液を送る機能が低下し脈もバラバラに打つようになります。
結果、動悸などが起こり、血液がうまく循環しなくなって酸素が脳に行き渡らないため、意識を失うこともあります。

長期にわたって心房細動が起こると、心房に血栓ができることがあります。
血栓が心臓の血管に詰まると心筋梗塞を発症するほか、心房細動によって意識を失い、そのまま突然死することもあるのです。

こうしたことから、心房細動は「致死性不整脈」とも呼ばれています。
不整脈による息切れ・めまい・失神・動悸などの症状がある場合には一応注意しましょう。

また、徐脈も頻脈も症状が出ていなければほとんど心配する必要はないものの、不整脈が心臓に負荷をかけていることには変わりありませんし、心不全や脳梗塞(心臓でできた血栓が血流により脳に運ばれて脳の血管が詰まるなどで起こること)を招く可能性もあります。

若い人が不整脈になる原因は?


10代などの若者に不整脈が起こることも珍しくありません。不整脈はストレスなどによっても起こります。若者が不整脈になる主な原因を紹介します。

心臓に関する疾患がある

冠動脈疾患・心臓弁障害・心不全・先天性心疾患など、心臓に関する疾患がある場合、不整脈が起こりやすい傾向にあるのです。

過労・ストレス

自身の持つ疾患とは関係なく、過労・ストレスが原因で不整脈が起こることも少なくありません。
強いストレスや長期にわたるストレスは、交感神経を優位にし、心臓のリズムが崩れて不整脈を引き起こすことがあるのです。

睡眠不足

睡眠不足も、過労と同様に体にストレスをかけます。勉強・部活・仕事・家事・育児など忙しくなると、睡眠不足になり不整脈が起こることがあります。

不整脈は循環器科へ

不整脈の症状が既に出ていたり、不整脈のような症状が頻繁に起こっていて心配だったりする場合は病院の受診をおすすめします。
不整脈に関することは、心臓や血管の専門医である「循環器内科」にご相談ください。

まとめ

不整脈には様々な種類があり、若者であっても過労・ストレス・睡眠不足などを原因として起こることがあります。
心配のいらない不整脈も多い一方で、不整脈による息切れ・めまい・失神・動悸などの症状がある場合には、命に関わることもあるため注意が必要です。

不整脈が気になる場合には、早めに循環器内科を受診し、心電図や心エコー検査、血液検査などを受けることをおすすめします。