頭痛を引き起こす歯の病気


頭痛を引き起こす原因となるお口の中の病気には、虫歯、歯髄炎、歯周病などがあります。

虫歯

虫歯とは、歯垢(プラーク)中の細菌によって歯が溶かされる病気のことです。

一度むし歯が進んでしまうと治療しない限りは自然には治りません。
また削って詰め物やかぶせ物の治療をしたとしてもしっかり磨けていないままだとまた二次的にむし歯になる可能性があります。

歯の内部には神経の部屋があり、むし歯が進行すると周辺の神経にも痛みが伝播し頭痛を引き起こすことがありますよ。

歯髄炎

歯髄炎とは、歯髄と呼ばれる神経や血管を含む組織が虫歯や外傷などにより感染したり壊死したりする病気のことです。

歯髄炎には、早い段階で治療をすれば元の状態に戻ることのできる可逆性歯髄炎と歯の神経を取り除く根の治療が必要となる不可逆生歯髄炎があります。

後者の不可逆性歯髄炎になり炎症が悪化すると頭痛を伴うことがあります。

歯周病

歯周病とは、歯ぐきやその周りの組織が炎症を起こしたり、歯を支えている骨である歯槽骨が溶けたりする病気のことです。

歯周病はSilentdisease(サイレントディジーズ)とも呼ばれるように、気づかないうちに静かに進行し、気づいた頃にはかなり重症になっていることもある病気ですが、細菌の増殖により急速に炎症が広がる場合もあります。

むし歯同様、患部周辺の神経に痛みが広がり、関連痛が発症するので歯周病により頭痛が発生することがあります。

歯の病気以外の頭痛の原因とは


上記以外にもお口の中由来で起こる頭痛があります。

上顎洞炎によるもの

頬骨の下にある上顎洞という空間に膿が溜まる病気のことです。
蓄膿症で膿が溜まるのもこの上顎洞という部分にあたります。

歯の病気が原因でこの部分に膿が溜まり炎症が起きる病気を歯性上顎洞炎といいます。
頭痛の症状に加えて鼻づまりなどを伴う場合はこの病気が疑われることがあります。

顎関節症によるもの

顎関節症とは、顎関節の痛みや口の開閉に支障をきたす病気のことです。

左右どちらか片側で噛むことが多い、頬杖をつく癖がある、寝ている間に歯ぎしりをしていることなどが原因で発症することがあります。

顎関節症により咀嚼筋の緊張が生じると頭痛を引き起こすことがあります。

歯ぎしりによるもの

歯ぎしりとは、寝ている間に顎を動かしてギリギリしたりくいしばったりしている状態のことを言います。

繰り返される歯ぎしりにより歯に力が加わって歯の表面のエナメル質が薄くなり知覚過敏を発症すると痛みを感じることもあります。

歯に痛みを感じた場合は何かしらの原因があることが多いのでむし歯か知覚過敏かを見分けるためにも歯科医院の受診をおすすめします。

歯ぎしりによる知覚過敏が原因で頭痛を引き起こすことがありますよ。

歯科矯正によって頭痛が起きるケースも

歯列矯正中は装置により歯が移動させられるので引っ張られたり押されたりすることにより痛みが起こり、頭痛を伴うケースがあります。

また矯正中は歯が動いていることから揺れが生じやすい状態です。
固いものを食べたことにより歯がぐらつき神経が痛むことで頭痛が生じることもあります。

また歯列矯正による精神的なストレスで頭痛を感じることもありますよ。

頭痛を伴う場合は早めに歯科医院を受診しよう


頭痛を伴い、お口の中に原因がありそうな場合は早めに歯科医院を受診しましょう。

仮に、一度痛みが感じられなくなった場合も静かに病気が進行している可能性があります。
その後また月日が経過したのちに受診した頃には手遅れとなっていることのないようにも早めの対応が大切です✩

歯の病気の進行が防げる

歯の痛みと同時に起こる頭痛は歯に原因がある場合があります。

痛みに対して鎮痛剤で対処する方法もありますが、根本的な解決にはなっていないかもしれません。

放置すると、さらなる頭痛につながる可能性があるだけでなく他の歯や歯ぐきの病気に波及する恐れもありますのでなるべく早く歯科医院を受診しましょう。

歯以外の病気の早期発見につながる

歯周病の全身疾患との関係はよく知られるようになってきていますが、お口の中の病気から全身の病気へ悪影響を及ぼすことがあります。

頭痛をきっかけに歯科医院を受診することで全身的な病気の早期発見に繋がることもありますよ✩

まとめ

以上のように、お口の中の状態が原因で頭痛が発生することがあります。
ツラい頭痛ですが、鎮痛剤を飲んで対処するだけでは根本の解決には繋がりません。

早めの対応で歯科医院を受診し、早期発見・予防に努めましょう✩
原因がお口の中になくても定期的に歯科医院を受診することでお口や全身の健康管理に繋がります♩