口臭が発生する原因

①口内が乾燥している

口臭は、お口の中が乾燥している状態だと発生しやすいです。
寝ている間は唾液の分泌量が減り細菌が繁殖しやすくなるため、起床時に口臭が強くなることがあります。

また過度な緊張を感じストレスを抱えた時もお口の乾燥に繋がるので口臭の原因となることがあります。
他にも、加齢に伴い唾液量が減ることも口臭の原因となります。

②口内に汚れが残っている

歯磨きがきちんとできておらず、お口の中に磨き残し(プラーク)がある状態も口臭に繋がります。
また鏡をみて舌の上が白くなっている方は、「舌苔」が原因である場合があります。

歯をしっかり磨けていても意外と忘れがちな舌のお手入れ。
新陳代謝で古くなり剥がれた粘膜などのタンパク質をプラークや舌苔の中にいる細菌が分解すると口臭のもとになるガスが発生します。

③病気を発症している

お口の病気である歯周病はその原因であるプラークが細菌の塊なので口臭に直結します。
特に歯周病菌はタンパク質を分解するときに腐敗臭を伴う強烈なにおいを生み出します。

またむし歯が原因で口臭となることもあります。

歯の内部にある象牙質は3割ほどがタンパク質でできているのでむし歯が進行するとこのタンパク質が細菌により分解され、においを発生させます。

他にも糖尿病といった全身の病気によって起こる口臭もあります。

口臭外来における治療の流れと治療内容

口臭外来における治療の流れ

口臭外来では、ガスクロマトグラフィーや口臭測定器といった専用の機械を使って口臭を測定する方法と機械を使わずに検査者(歯科医師や歯科衛生士)の嗅覚で判定する口臭官能検査といった方法があります。

口臭外来では一般的に次のような流れに沿って治療を行います。

①問診

全身疾患の有無、タバコや飲食物などの嗜好品、睡眠時間やストレス度といった日常生活、口腔清掃の習慣などについての問診を行います。

またいつ・どんな時に口臭が気になるのか、来院に至った経緯などについての相談も行います。

②口腔内診査・口臭測定検査

むし歯や歯周病はないか、粘膜や舌の状態について確認します。
また口臭測定器や検査者の嗅覚により口臭測定を行います。

③診査・測定結果の説明

実際に口臭があるのか、あると判定された場合の原因、その後の治療の流れについて説明があります。

④治療

原因がお口の中にある場合、歯科医院にて治療を進めます。
口臭の原因として最も多いのはお口の中の状態に由来する口臭で、全体の80%以上を占めるとも言われています。

⑤定期検診へ

原因を取り除き口臭治癒の確認後、定期的な検診・メンテナンスへ移行します。

口臭外来で実施している治療内容

口臭の治療は、原因によって内容が異なります。

〖歯周病が原因の場合〗

歯石取りやブラッシング方法の見直しなど歯周病の治療を行います。
歯周病治療はその進行程度によりかかる期間や費用が異なります。

重度に進行している場合は外科的な治療が必要になることもあり、1年程の期間を要することもあります。

〖むし歯の場合〗

むし歯が小さい場合はレジンの詰め物をするだけで済み1回で終わることもありますが、口臭の原因となるほどのむし歯はそれ以上に進行していることが多く、また多数歯に渡る可能性もあります。

むし歯が歯の内部にある神経の部屋まで達している場合は歯の根の治療を進め、根の治療が終われば土台を立ててかぶせ物を入れる流れとなり1本の歯を治すまでに複数回、1か月以上かかることがあります。

このように、原因に応じて治療を進めていきますが、治療が終わったからといって安心はできません。

口臭治療の根本は、においの原因となっているプラーク(細菌の塊)を取り除くことですので、治療と並行して毎日のセルフケアを徹底することが非常に重要となります。

口臭を予防するために

歯磨き・舌磨きを徹底する

おうちでの歯磨きが丁寧に行えていないと細菌が繁殖し口臭の原因となります。

歯ブラシでのブラッシングでは、歯と歯ぐきの境目奥歯の噛み合わせの溝ににおいの原因となるプラークがたまりやすいのでより重点的に磨きましょう。

また歯と歯の間のプラークは歯間ブラシやデンタルフロス(糸ようじ)で取り除きます。
他にも舌苔がにおいの大きな原因となっていることがありますので、舌ブラシを使って奥から手前にかき出すように取り除くことが大切です。

生活習慣を整える

ストレスや疲れがたまると唾液の分泌量が低下し、乾燥から口臭に繋がります。

睡眠や食事、適度な運動は身体の健康だけでなく口臭予防にも繋がりますので規則正しい生活を心掛けてみてください。

唾液量を増やす工夫を行う

唾液量を増やすためにはガムなどをかむことも対策として挙げられます。
食事の際はかむ回数を増やしましょう。

また水を頻回に分けて飲んでみるのもいいでしょう。(一度に大量に飲んでも尿として排出されてしまいますので1日1~1.5リットルを目安に少量ずつを数回に分けることがポイントです。)

また、お顔周りにある三大唾液腺を指で押して刺激し、唾液の分泌を促す方法もありますよ。

まとめ

このように口臭の原因は様々で、原因に応じた治療、対策をすることが大切です。
口臭が気になる場合はブレスケア製品などでごまかすのではなく、根本的な原因を除去するために適切な治療を受けられることをおすすめします。

一方で実際には口臭がないものの本人のみが口臭を気にしてしまう仮性口臭症というものもありますので気になる場合は一度歯科医院での口臭外来を受診してみましょう✩