あなたのご家庭は避難袋を用意していますか?

避難袋を用意していますか?

大きな災害は、いつ起こるかわかりません。予報が出る大雨や台風でも、想像以上の規模になって自宅が被災することもありえます。

非常時に持ち出すべきものをひとつの袋やリュックサックなどにまとめておけば、いざという時に慌てることなく避難できます。

避難袋に入れておくものとしては、

・飲料水、食料品
・貴重品(現金、印鑑、健康保険証など)
・救急品(包帯、常備薬など)
・防災グッズ(携帯ラジオ、懐中電灯、携帯電話の充電器など)
・衣類
・衛生用品

などが挙げられます。
そのほか、ご家庭に応じて必要なものがあるか、普段から話し合ってみるといいでしょう。

残念なことに、避難所での盗難は多いようです。
貴重品は、ウエストポーチなどを使って常に身に着けておけるようにしてみてくださいね。

避難所で着替えや汗を拭くときなどにプライバシーの確保が難しいことも。
プールタオルやポンチョのように全身を覆うことができるグッズを用意しておくといいかもいしれませんね。
防水の物にしておけば、防寒やレインコートとしても便利です。

そのほか、普段はコンタクトレンズを使用している方も、眼鏡を用意しておきましょう。
コンタクトレンズを付け替える際に手洗いが必要ですが、その水も限られてしまうかも。
不衛生な状態で目を触り、炎症を起こしてしまっても処置が難しい可能性が高そうです。

避難所では水や物資が限られているかもしれません

避難所では水や物資が限られているかもしれません

災害発生後に国や自治体の支援が機能し始めるのは概ね4日目以降とされており、それまでは自治体が保管している備蓄を使うことになります。

しかし、それだけでは水や食料の供給が充分でない場合も考えられるほか、個々人が必要とする物資を用意できない可能性もあります。
そのため、普段通りの生活を送るのは難しいと思った方がよいでしょう。

例えば、日常的に使用しているトイレも、水が流れないと衛生的な問題が発生します。
さらに、大勢が集まる避難所ではプライバシーの確保も難しくなり、大きなストレスを抱えながら過ごすことになるかもしれません。

避難時に口腔ケアが必要な理由

避難時に口腔ケアが必要な理由

避難場所での生活において後回しになりがちなのが、歯磨きなどの口腔ケアです。
歯ブラシや水もない状況では、口の中を清潔に保つのが困難です。

「ちょっとくらい歯を磨かなくても健康に影響はないだろう」と思われる方もいるかもしれません。

しかし、口腔ケアができない状況では、口の中の渇き、口臭、口内炎や歯肉炎、さらには歯痛など、あらゆるリスクが上昇します。
虫歯にかかっている方は、症状が進行するリスクをより高めてしまいます。

高齢者の場合は、入れ歯などの義歯を紛失してしまうことも考えられます。
これでは普段どおりに食事をとれなくなるほか、誤嚥性肺炎を招きやすくなるので注意が必要です。

避難所では入れ歯の管理も大切

義歯を紛失しないようしっかり管理するほか、普段からかみ合わせを調整しておきましょう。
また、避難場所で「お口の体操」を行い、口腔機能が低下しないように努めることも大切です。

お子さんにとって大きなリスクになるのは、避難所の食事です。
お菓子やチョコレートなど簡易的で甘いものが供給される場合が多く、虫歯を発症しやすい傾向にあります。

また、日常のリズムを奪われることは、お子さんにとって非常に大きなストレスになります。

お子さんの言うことに傾聴することも大切ですし、普段の習慣をなるべく崩さないように保つこともストレスを軽減させる方法のひとつです。
避難所の中やその周辺など、安全が確保できる場所で遊ばせるほか、おもちゃを与えることも日常を取り戻す工夫です。

こうすることで、お子さんが精神的な安定を図ることができます。

避難袋に入れておきたい口腔ケアグッズ

 避難袋に入れておきたい口腔ケアグッズ

水が充分に使えない状況でも使用できる口腔ケアグッズをご紹介します。

歯ブラシは避難袋にぜひ入れておきたいグッズのひとつです。
歯肉などが痛む可能性を考慮し、柔らかめの歯ブラシを選ぶとよいでしょう。
立てて保管ができないので、穴の開いたブラシケースなどに入っていると安心です。

また、水が使えないときでも口をゆすげるよう、ノンアルコール系のマウスウォッシュもぜひ用意してください。
携帯できる小さなものも販売されているほか、イソジンガーグルなどのうがい薬も洗口の際に効果的です。

キシリトールガムも非常時に持っておきたいグッズです。
ガムを噛むとたくさんの唾液が出てきますが、これが口の中の汚れを洗い出します。
ガムがない場合は、耳の下あたりをマッサージすると唾液が分泌されます。

避難袋におすすめのグッズ

避難場所で歯ブラシがない場合は、少量の水でしっかりうがいをするか、ハンカチやアルコールを含まないウェットティッシュなどの布を指に巻いて歯の汚れを落とすという方法があります。

普段は歯磨き剤などを使っているという場合は、避難場所では注意が必要です。
歯磨き剤は口をゆすぐときにたくさんの水を必要としますので、水が少ない場合は使用せず、上記のようなケアで対処するとよいでしょう。

避難袋では後回しになりがちな口腔ケアグッズですが、虫歯や誤嚥性肺炎などのリスクを避けるためにもぜひ用意しておきたいものです。

スペースを取らないコンパクトなアイテムも多数あるので、避難袋を見直す際に検討してみてはいかがでしょうか?