1.美容液は本当に必要なの?

この疑問に答えるために、スキンケアを“食事”に例えて考えてみましょう。普段、皆さんがされるスキンケア(洗顔・化粧水・クリーム)を3回の食事だとすると、美容液はサプリメントの位置付けになります。つまり、絶対に摂らないといけないわけではないけれど、摂ると身体に良いというアイテムです。

私が思うに、普段のスキンケアで十分肌の状態が良い方には美容液は不要です。しかし、年齢を重ねて、「今までのスキンケアでは肌の調子が上がらない」「なんだか物足りない気がする」と感じたら、美容液を取り入れても良いタイミングでしょう。

ただし、注意しないといけないことが1つあります。サプリメントは食事の補助をする立ち位置であり、それだけで食事の面から健康が成り立たないのと同様に、スキンケアも美容液だけでは成り立ちません。「テクスチャーが化粧水に似ているから」「有効成分がたっぷり入っているから」という安易な考えで、美容液1つで片付けようとしないでくださいね。基本は毎日のスキンケア(洗顔・化粧水・クリーム)がベースにあります。

2.そもそも美容液とは?

「この美容液には保湿成分がたっぷり入っています!」という謳い文句をよく聞きますよね。実際、美容液は他のスキンケアアイテムと比べて高価なことが多いです。しかし、改めて考えると、そもそも美容液とは何でしょうか。

実は、美容液には明確な定義がありません。(化粧水や乳液、クリームには、きちんと成分の配合割合が定義されています。)そのため、有効成分が本当にたっぷり入っている美容液もあれば、ほぼ水という美容液もあり、美容液1つをとっても幅が広いのが実態です。

ご自身に合った美容液であれば問題ありませんが、「美容液だから効果がある!」「高いから良い!」という思い込みは捨てて、使った後に本当に効果を実感できるかどうかを大切に選んで欲しいのです。

そんな美容液の歴史を振り返ると、昔は「全てのお悩みに効きます!」というものが多く、「シミ、シワ、たるみ、乾燥、何でも任せて!!」という美容液が大半でした。しかし、最近の美容液のトレンドはお悩み特化型に移り変わったように感じます。例えば、「シミならコレ!」「保湿ならコレ!」と言った具合に、各ブランドが1つのラインナップの中で、お悩み別に複数の美容液を販売しています。

私はこのトレンドに賛成です。どの美容液が自分に必要なのかを考えることで、「何となく顔がパッとしない」というぼんやりとしたお悩みから、「私は今乾燥が気になるから、保湿に注力しよう!」と言った形で、ご自身の顔と向き合うチャンスになるからです。本題とは少し外れますが、「生活感のある顔」というのはこういった細かな部分に目を向けているかどうかの意識だとも思います。

3.効果的な美容液の使い方

基本の食事が疎かだとサプリメントが効果を発揮しないのと同様に、まずは朝晩の洗顔・化粧水・クリームをしっかりします。特に、忘年会や新年会のシーズンは飲み会が続き、夜の洗顔が億劫になることもありますね(笑)面倒になる気持ちはよく分かりますが、どんなに疲れて帰ってきても、必ず基本のスキンケアはしてください。

1日経ったメイクは酸化していたり、脂やホコリと混ざっています。夜洗顔をせずそのままで眠るというのは、雑巾を顔にのせたまま眠るのと同じくらい不衛生なことです。

その上で、美容液を使うなら、化粧水の「後」が効果的。ブースター美容液と言われるものなら、化粧水の「前」に塗布します。ブースターとは導入美容液とも呼ばれ、その後に塗る化粧水などの浸透を高める効果があります。

あまりにも乾燥がひどく化粧水が浸透しない場合は、オイルがブースターの代替になります。洗顔後、軽くタオルで押さえ、手のひらに1、2滴垂らしたオイルを顔に広げます。その後、化粧水を使うと、化粧水の入りが格段にアップしますので、ぜひ試してみてください。

化粧水の後は、同じオイルで、蓋をするようにさらに1-2滴重ねます。オイル1つでブースターとクリームの役割を果たすので、保湿効果も抜群!今まで美容液を使ったことがないけど興味はある方や、アイテムを増やすことに抵抗がある方におすすめです。

4.まとめ

いかがだったでしょうか。この記事が美容液の使い方に役立ち、「取り入れてみようかな」とか「まだ私には不要だったんだ!」など、あなたの気づきになれば幸いです。美容液を取り入れる前に、まずは基本のスキンケアを見直すのも良いことです。

その上で「もっと肌を労りたいな」と思ったら美容液に挑戦するのも良いでしょう。なお、美容液の効果を実感するには少なくとも1-2ヶ月(年齢が上がる程、もう少し長く)かかります。焦らずコツコツと肌を育みましょうね。