シェーグレン症候群とは?

シェーグレン症候群とは、唾液や涙を作る腺組織を身体の抗体が攻撃をして炎症が起きる自己免疫疾患の一つで、国の指定難病(特定疾患)です。シェーグレン症候群は大きく分けて、他の膠原病(※1)の合併が見られない一次性のものと、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの膠原病を合併する二次性のものがあります。

さらに、一次性シェーグレン症候群は3つの病変に分けられます。
1つ目が、唾液や涙が出にくいという乾燥症の症状のみ起きている状態で、一次性シェーグレン症候群のうち約半数の方が当てはまります。
2つ目が、リンパ球浸潤・自己抗体・高γグロブリン血症などによる病変が全身の諸臓器におよぶものです。こちらも統計的に約半数の方に当てはまります。
3つ目が、悪性リンパ腫や原発性マクログロブリン血症を発症した状態で、約5%の方に見られるものです。

このような症状が起きるシェーグレン症候群は、特に中年の女性に発症しやすいと報告されています。一次性シェーグレン症候群は特に性差が大きく、男女比は報告によって差がありますが、1:9〜1:20と女性に多いことが特徴です。発症年齢は50歳代が多く、それ以外にも子供から高齢者まで発症の可能性があります。

シェーグレン症候群の症状は非常に様々で、ほぼ健康的に暮らしている方もいれば、重度の口腔乾燥症に悩まされる方もいるなど、症状の度合いも個人差があります。

※1…膠原病(こうげんびょう)とは、共通する性質を持つ病気の総称。シェーグレン症候群は、関節リウマチ・全身性エリテマトーデス・強皮症・皮膚筋炎などの病気と合併する場合があります。

シェーグレン症候群の症状

シェーグレン症候群が発症すると、以下のような症状が起こります。

・ドライマウス(唾液が出ない・口が渇いて会話を続けられない・虫歯が増えたなど)
・ドライアイ(涙が出ない・目がかゆい・目が痛い・よく見えないなど)
・鼻腔の乾燥(鼻が渇く・鼻から出血があるなど)
・記憶力低下
・疲労感
・鬱傾向
・頭痛
・肌荒れ
・脱毛
・関節痛 など

ドライマウスで長期間歯科通院していませんか?

ドライマウスでの歯科通院は、虫歯や歯周病の予防・誤嚥性肺炎の予防などに効果的です。しかし、長期にわたり通っているけれど治らない場合や、ドライマウス以外に目が乾くなど上記のようなシェーグレン症候群の症状に当てはまる項目がある場合は、一度シェーグレン症候群ではないかどうかの診断を受けてみると良いかもしれません。 リウマチ・膠原病を取り扱うクリニックであれば、詳しく診断してもらえます。

シェーグレン症候群の治療方法

シェーグレン症候群は、今のところ根本的な治療方法が確立されていない、国の指定難病です。そのため、患者さんそれぞれの症状を和らげ、疾患の進展を抑えるための対処療法を行っています。具体的には、ドライアイに対して点眼薬を処方する、ドライマウスに対して唾液分泌に有効な薬剤や人工唾液スプレーを処方する、膠原病が合併している場合はその治療を行うなど、症状に合わせた様々な治療があります。

シェーグレン症候群と診断されれば医療費の助成が受けられることがあり、自分自身に適した治療を探すための手助けになるかもしれません。

日常生活で気を付けること

ドライマウスやドライアイなど、症状によっては日常生活に困難をきたし、気分が落ち込むこともあるでしょう。そうならないように、以下のようなことに気を付けて行動することが大切です。

・部屋を乾燥させない
・ストレスのかかることをさける
・軽い運動を楽しむ
・歯磨きを丁寧に行う
・規則正しい生活を送る など

まずは専門医を受診し、シェーグレン症候群を正しく理解して対策することが重要です。病気にかかった場合には、うまく付き合っていくために、できることから始めてみましょう。

おまけ:シェーグレン症候群の診断方法

シェーグレン症候群が疑われた場合の診断・検査についてご紹介します。診断基準として、厚生労働省から1999年に発表された「シェーグレン症候群改訂診断基準」というものがあります。 下記項目を診断するために、複数の検査を受ける必要があります。

(1)生検病理組織検査で次のいずれかの陽性所見を認めること
 (A)口唇腺組織でリンパ球浸潤が1/4m m²当たり1focus以上
 (B)涙腺組織でリンパ球浸潤が1/4m m²当たり1focus以上

(2)口腔検査で次のいずれかの陽性所見を認めること
 (A)唾液腺造影でstage I(直径1mm以下の小点状陰影)以上の異常所見
 (B)唾液分泌量低下(ガムテスト10分間で10mL以下、またはサクソンテスト2分間2g以下)があり、かつ唾液腺シンチグラフィーにて機能低下の所見

(3)眼科検査で次のいずれかの陽性所見を認めること
 (A)Schirmer試験で5mm/5min 以下で、かつローズベンガルテスト(van Bijsterveld スコア)で陽性
 (B)Schirmer試験で5mm/5min 以下で、かつ蛍光色素(フルオレセイン)試験で陽性

(4)血清検査で次のいずれかの陽性所見を認めること
 (A)抗SS-A抗体陽性
 (B)抗SS-B抗体陽性

以上1・2・3・4のいずれか2項目が陽性であればシェーグレン症候群と診断されます。