セカンドオピニオンとは


患者さんが納得のいく治療を選択できるように、現在治療を受けている主治医とは別に、異なる医療機関の医師の意見を聞いたり、診断を受けることを「セカンドオピニオン」といいます。
「第2の意見」と呼ばれることもあります。

セカンドオピニオンは転院すること、と思っている方も多いようですが、セカンドオピニオンとは主治医以外の医師の意見を聞くことです。
日本ではあまり馴染みのないセカンドオピニオンですが、欧米では当たり前のものとして患者さんが持っている権利だと周知されています。

通常、患者さんは受ける医療行為を自分自身で決定する「インフォームドコンセント」という考え方があります。
患者さんが自分で決定するためには、受ける治療について医療従事者から説明された内容を十分に理解することが必要です。

受けた説明について納得できない場合や、より良い治療を探してほかの医師の意見を聞くことが「セカンドオピニオン」なのです。

≫インフォームドコンセントについてはこちら

主治医との関係悪化を恐れてセカンドオピニオンを言い出せない患者さんも多いようですが、セカンドオピニオン制度の利用は患者さんの誰もが受けることのできる権利です。

自身の病気や治療方法を理解し、選択するうえでも有効なシステムなので、セカンドオピニオンについて良く知り、必要に応じて取り入れましょう。

セカンドオピニオンを受ける理由


セカンドオピニオンを受ける、というと「今の主治医に不信感がある」「主治医には内緒でほかの病院で診てもらいたい」というもののように思いますが、必ずしもそうではありません。
患者さんが今の治療に対してより理解を深め、納得するための仕組みといえます。

治療を受けていて、このように思ったことはないでしょうか。

・主治医の診断についてほかの医師の意見を聞きたい
・治療の選択をするよう言われたが、なかなか決められない
・治療の説明で分からない、納得いかない部分がある
・ほかに治療の選択肢がないか知りたい

このように、自身が受けている治療や現在の身体の状況を理解したうえで、疑問を感じたり決められないときに、セカンドオピニオンを利用します。

「なぜ主治医がこの治療方法を勧めるのか」などがわからないままほかの治療機関で話を聞いてしまうとかえって混乱するおそれがあります。
まず、セカンドオピニオンを受ける目的を明確にしましょう。

セカンドオピニオンを受けるためには



セカンドオピニオンを受けるための流れとしては、一般的に以下のような手順になります。

1.主治医に伝える

セカンドオピニオンを受ける目的を自分自身の中で明確にしたら、まずは主治医にセカンドオピニオンの希望を伝えます。

「主治医には内緒にしたい」と考える方もいるかと思いますが、それでは正確なセカンドオピニオンを得られなくなります。
必ず伝えるようにしましょう。

2.相談先を決める

セカンドオピニオンの相談先を決めるポイントとして、現在受けている治療を取り扱っているか確認することが大切です。
また、セカンドオピニオンでの受診ができるかチェックします。

セカンドオピニオンを受ける病院に迷ったら、主治医に相談してみるのもよいでしょう。

3.相談内容をまとめる

セカンドオピニオンの相談先が決まったら、相談したい内容を紙に書き出すなどしてまとめておきましょう。
初めて訪れる医療機関であることがほとんどですので、慌てないよう事前に話したいことを決めておきます。

4.紹介状や診察記録などをもらう

現在受けている治療状況の記録、病理レポート、レントゲンなどの画像検査結果などがセカンドオピニオンでも必要となるため、主治医に資料を用意してもらう必要があります。

相手の医療機関によっては、必要な書類が決まっていることもあるので、事前に確認します。

5.セカンドオピニオンを利用する

紹介先でセカンドオピニオンを聞きます。

6.主治医と治療方法を再検討する

セカンドオピニオンの内容について、主治医と共有します。

セカンドオピニオンによって提案されたほかの治療方法を選択した場合、ほかの医療機関で治療を始めることもあります。

主治医がセカンドオピニオンの内容を受けて治療方針を変更することもあります。

【Point】
病院によっては、通院し治療を受けている患者さんを優先するためにセカンドオピニオンのための受診を制限していたり、完全予約制にしている場合などがあります。
また、セカンドオピニオン外来を設置していることがあります。

セカンドオピニオンを受けることを希望する病院を決めたら、事前に病院にコンタクトをとり、セカンドオピニオンを受けることができるかどうかを確認してみましょう。

また、受けられる場合は必要な書類を確認したり、家族の同席を希望する場合は同席者の人数を伝えるなど準備をしておきましょう。

セカンドオピニオンによくある誤解

セカンドオピニオンで多くの方が「担当医を替えて転院すること」だと勘違いされています。
セカンドオピニオンは、担当医や病院の変更を意味するものではありません。
現在の担当医や病院のもとで治療を受けることを前提として、第三者の意見を聞くというものになります。

また、主治医に気を遣うあまり、セカンドオピニオンの希望を言い出せないというケースもあります。
セカンドオピニオンを伝えて不機嫌になるような医師もいるかもしれませんが、それは上記でご紹介した「インフォームドコンセント」の面で良い医師であるとはいえません。

診断に自信があるため不機嫌になる医師や、必要な資料を渡さないことでセカンドオピニオンを受ける権利を妨げようとする医師も残念ながらいます。
そうした面で不信感があり、ほかの医師にかかりたいという場合は、転院・転医ということになるでしょう。

大切なのは、患者さんと医師が本音で話し合える関係を構築することです。
「医師にこんな話をしていいのかな」と遠慮すると、医師も患者さんの気持ちが見えず、結果的に納得のいかない治療を続けることになります。

セカンドオピニオンを希望する場合は、なぜセカンドオピニオンを受けたいかなど要点を絞って主治医に伝えるようにしましょう。

医師の話をよく聞いて患者さんが選びましょう


主治医の意見(ファーストオピニオン)に不信感が残っていると、セカンドオピニオンでも同じ意見だったときに「そんなはずはない」とはねつけてしまうケースもあります。
それとは反対に、セカンドオピニオンの診断結果がネガティブなものだったため、頭ごなしに否定してしまうということもありえます。

ご自身が疑われている病気や似た症状について、気になるポイントを明確にしておきましょう。
そうすることで、誤解することなく医師の話に耳を傾けられるのではないでしょうか。

治療方法には、複数の選択肢があります。
ファーストオピニオンとセカンドオピニオンで内容が違うからといって、どちらが正解でどちらが間違っているというわけではないケースもあります。
セカンドオピニオンを複数の医療機関で受けることもできるので、医師の意見をよく聞いたうえでさらに意見を聞くことを検討してもよいでしょう。

セカンドオピニオンは無料ではない医院も多くあります。
有料の場合、公的医療保険の適応外です。
医院によって金額設定が大きく異なりますので事前にHPなどでいくらかかるかを確認しておきましょう。

治療方法を選択するうえで大切なのは、患者さん自身が納得したうえで治療を受けることです。
そのためにも、主治医との信頼関係は非常に大切です。主治医の意見をしっかり聞いて、疑問や悩みを明確に伝えましょう。

医師と患者さんとのコミュニケーションによって、セカンドオピニオンをより効果的に利用できるようになります。