口の中の病気が全身に拡がる?知っておくべき症状と予防法

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口腔内疾患の代表である虫歯と歯周病。どちらも口の中の細菌が原因で起こる感染症です。問題なのは、病気を放置すれば歯が無くなるだけでは済まないということ。口の中の菌が全身に拡がり、時には命を脅かすような病気を引き起こす可能性があります。この記事では、口の中の感染症が全身に拡がると起こる、具体的な症状と予防法についてご紹介します。

口の中の感染症が全身に拡がると何が起こる?

口の中で感染症が起こる主な理由は、乱れた食生活習慣や不十分な歯磨きなどで口の中の細菌が増えるためです。虫歯の原因となる菌が増えれば虫歯になりますし、カビが増えれば舌が真っ白になります。

そして、虫歯や歯周病が進行すると歯の周囲に膿(うみ)が形成されます。この膿の中にも虫歯や歯周病の原因となる菌が多く存在します。さらに放置すると全身に拡がり、危険な病気に発展することがあります。

骨髄炎・・・歯の周りの骨に菌が感染して起こります。
海綿静脈洞血栓症・・・血管に菌が感染して起こります。
蜂窩織炎(ほうかしきえん)・・・顎骨の表面にある皮膚や脂肪に菌が感染して起こります。
耳下腺膿瘍・・・耳の前にある唾液腺に菌が感染して起こります。
敗血症・・・血管内に侵入した菌で免疫機能が過剰に反応して生命を脅かすような危険な状態に陥ります。

これらの病気になることはまれですが、口の中の病気を放置することで起こる病気で、誰にでも起こる可能性は十分にあります。また、これらの病気になった場合、一般の歯科医院での対応だけでは不十分なことも多く、口腔外科のある病院に入院して治療する必要性が高いでしょう。

口の中の感染症が全身に拡がるとどんな症状が出る?

口の中の病気が全身に影響することがまれだとしても、一度全身に病気が拡がると大きな悪影響を及ぼします。この章では、口の中の感染症が全身に拡がるとどんな症状が現れるのかを紹介します。

・舌と口の痛み
・顔、首、頬の腫れ
・皮膚のかゆみや焼けるような感覚
・吐き気や嘔吐
・発熱
・強い頭痛
・ものが二重に見える(複視)
・瞼が下がる(眼瞼下垂)
・呼吸困難
・意識混濁

例えば、親知らずは一番奥の歯で磨きにくいので、歯や歯茎に歯垢(プラーク)が溜まりやすく、口の中のトラブルが非常に起きやすい部分です。親知らずの周囲で感染が拡がり、頬が腫れることが多々あります。

親知らずによる腫れが治らず、ずっと放置していくと、菌が顎の骨に拡がり骨髄炎、首まで拡がると蜂窩織炎、さらに拡がると縦隔炎になり、呼吸ができなくなることもあります。

口の中の症状に加えて、上記で紹介した症状もの当てはまるなら、できるだけ早い段階で歯医者さんを受診しましょう。

口の中の病気を予防するには?

最も良いことは虫歯や歯周病などの病気にならないよう予防することです。上で紹介した痛みや腫れなどの症状で辛い思いもせずに済みます。以下、口の中の病気を予防する方法を紹介します。

・1日2回以上、フッ化物入りの薬用歯磨き粉で歯を磨く
・歯磨き後30分は飲食禁止、口をゆすがない
・1日1回はフロスや歯間ブラシを使う
・歯医者さんで定期検診を受ける


「これらのポイントを一度に実行すること難しい」という方は、少しハードルを下げるとよいでしょう。例えば、フロスや歯間ブラシの回数を2~3日に1回使用する、1日の間食を1回減らすなど、自分のできる範囲で実行しましょう。無理なく続けることが予防歯科を習慣化させるポイントです。

口の中の病気は早期発見・早期治療が何より大切

口の中の病気が口の中の菌による感染症であれば、菌を取り除くことで症状もすぐに改善します。虫歯であれば歯を削れば治りますし、歯周病であれば歯の周囲に付着している歯垢を取り除くことで腫れや痛みは引きます。その結果、口の中の菌が全身に拡がって症状が出る可能性は低いでしょう。

つまり、口の中の菌が全身に拡がる前に治療すればすぐに治るということです。口の中の違和感に気づいたタイミングで歯医者さんを受診することは、早期回復も可能ということ。結果的に治療回数も少なく済みます。

最も大切なのは、虫歯や歯周病にならないように、口の中を常に清潔に保つことです。1回の歯磨きの時間を長くする、磨きにくいところはワンタフトブラシを使って磨くなど、口の中を清潔に保つためにできることは沢山あります。ご自身でできることに加えて、歯医者さんで定期検診を受けることが重要になってきます。歯の専門家からのアドバイスを実践すれば、清潔な口腔内をキープすることができますよ。

歯科医師:古川 雄亮 先生
歯科医師:古川 雄亮 先生

国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事。

歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

[参照URL] https://www.nature.com/articles/s41598-019-51077-0

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