子供用歯ブラシの種類、特徴ついて

歯ブラシは大きく分けて大人用の歯ブラシ子供用の歯ブラシがあります。

子供用歯ブラシ

子供用歯ブラシ

子供用には、乳幼児が使用する「乳歯列期用歯ブラシ」があり、乳幼児の小さなお口に適した小さめのヘッド(毛が付いた歯ブラシ先端)のサイズで作られています。

中でも歯が生え始めた頃~2、3歳くらいの自分で歯磨きを十分にできない時期のお子さんには握りやすい仕様です。

また、お口に入れた時の不快感が少ない設計も施されています。
お口の中に歯ブラシを入れることの不快感、恐怖感をなくす目的の歯ブラシです。

また、3~5歳頃にはぐちゅぐちゅうがいができるようになってきます。
この頃から自分で歯を磨く習慣を付けていきましょう。

乳歯は永久歯に比べてエナメル質が弱く、硬めのブラシで強く磨いてしまうと歯の表面に傷が付きやすくなります。
そのため、子供用歯ブラシは毛先が柔らかめに作られているものもあります。

大人用歯ブラシでも問題なく使えるお子さんもいらっしゃるかもしれませんが、歯を守るためにも子供用歯ブラシの使用をおすすめいたします。

3−5歳頃になると、立ったり歩いたりができるようになり、歯ブラシをお口に入れたまま動き回ってしまう可能性があります。

万が一歯ブラシをくわえたまま転んだり、ぶつかったりすると大きな事故につながります。

ケガをしにくい歯ブラシなど安全性に考慮した歯ブラシが発売されていますので、安全な歯ブラシを選ぶこともポイントです。
お子さんがケガをしないよう、声掛けや見守りを行ってくださいね。

6~10歳の歯ブラシ

6~12歳くらいのお子さんには「混合歯列期用歯ブラシ」があります。
混合歯列期とは、乳歯と永久歯が両方生えている期間のことです。

第一大臼歯や第二大臼歯が生えてくるため、奥歯まで磨けるように、ブラシと持ち手をつなぐ部分が乳歯列期用より長めに作られています。

全て永久歯に生え変わると大人用の歯ブラシへを使うようになりますが、混合歯列期用は子供用歯ブラシから大人用歯ブラシへスムーズに移行できるようにするための歯ブラシといえるでしょう。

残っている乳歯を傷付けないように、大人用歯ブラシに比べて少し柔らかめの毛先となっています。
自分自身で磨けるようにしていくトレーニングが大切な期間ですが、歯磨きを嫌がる、面倒くさがる傾向にあるのも6−12歳頃の特徴です。

一緒に歯ブラシを選びに行くことで、お子さんがお気に入りの歯ブラシを見つけられたら、歯磨きがスムーズに進むかもしれません。

仕上げ磨き用歯ブラシ

仕上げ磨き用歯磨き

子供用の歯ブラシとして他にも、保護者が仕上げ磨きをするための「仕上げ磨き用」の歯ブラシもあります。

ブラシ部分は子供の歯に合わせた硬さですが、大人である保護者が持ちやすいように持ち手が長めに作られていたり、口に入れた時の違和感が少なく済むようにブラシ部分が小さめになっている、ブラシ部分と持ち手をつなぐ部分に角度がつけられているなど、保護者にとって使いやすい形を考えて作られています。

仕上げ磨きは嫌がるお子さんが多いですが、保護者が使いやすく、素早く磨ける歯ブラシを選ぶことで仕上げ磨きが楽になるかもしれません。

大人用歯ブラシの特徴、選び方について

大人用歯ブラシの特徴、選び方について

乳歯が全て抜けたら「永久歯列期用」の歯ブラシを使いましょう。

口の大きさや歯の大きさなどに合わせて、ブラシの部分は細部までさまざまな種類が用意されています。

選ぶコツとして、まず自分の歯茎の健康状態を確認してみてください。
軽~中度歯周病の方、歯茎に炎症がない方はブラシの硬さは「ふつう」がおすすめです。

もしも強く炎症を起こしている場合は「やわらかめ」を使ってみましょう。
やわらかめの歯ブラシは汚れを落とす力が少し弱いので、汚れが残ってしまっていないか鏡でよくチェックしてみましょう。

「かため」のブラシは歯茎や歯を傷付けてしまう可能性があるので強さに注意してくださいね。

歯ブラシの選び方について

また、ブラシ部分の大きさもさまざまです。
ブラシ部分が小さく、薄いものが奥歯まで磨きやすいとされています。
ですが、ブラシが当たる範囲も小さくなるため、1本1本ていねいにブラシを当てて磨きましょう。

ブラシ部分が大きいものは、歯全体に当てやすくなっています。
歯垢(プラーク)の取り残しが非常に多い方や、手に麻痺があるなどブラシを細かく動かすことが難しい方は大きめかつ少し硬めの歯ブラシを選ぶと良いでしょう。

歯ブラシの選び方に迷ったら、かかりつけ歯科医院の歯科医師または歯科衛生士に相談してみましょう。
お口の中の状態や、磨き残しの状態によって患者さんに合った歯ブラシや選ぶポイントを教えてくれるかもしれません。

歯ブラシの交換時期

歯ブラシの交換時期

長い間同じ歯ブラシを使い続けていませんか?
歯ブラシはお口の中に入れるため丈夫に作られており、壊れたから買い替えるということはあまりありません。

歯ブラシを買い替えるタイミングは「1ヵ月」です。
使い始めてから1ヵ月経ったら歯ブラシを交換しましょう。

1ヵ月を超えると歯ブラシに付いた菌が増殖したり、ブラシの毛先がすり減り丸くなって、歯磨きを十分に行えなくなるとされています。

また、買った最初はブラシが綺麗に整列していますが、使っていくことによって上下左右に広がっていきます。
毛先が広がってしまうと、歯にブラシが当たりにくくなり、清掃の効率が下がってしまいますので、1ヵ月経っていなくても交換してくださいね。

歯ブラシの保管方法

歯ブラシの保管方法

歯ブラシを使ってお口の中の汚れを取り除きます。

汚れを取り除くための歯ブラシにはお口の中にあった汚れや菌が付着しているため、保管の方法を間違えてしまうと、不潔な歯ブラシになってしまいます。

まず、歯を磨いた後の歯ブラシはよく洗い流して、汚れや菌を取り除くことが大切です。
流水に当てるだけではなく、指で優しく毛先を広げるようにしてブラシの毛と毛の間に入り込んでいる汚れまで洗い流しましょう。
洗った後はティッシュやペーパータオルでしっかりと水気を拭き取ることがポイントです。

次に、ブラシが上を向くようにして立てて保管してください。コップの中にブラシ部分を入れて保管していると、ブラシの毛が乾かず、菌が繁殖してしまいます。

歯ブラシは1本ずつ立てて保管

ケースを付けて保管、お風呂場や水気の多いところでの保管もブラシが乾きにくくなってしまうので避けてくださいね。
逆さにつるして保管する場合は持ち手の部分の水気がブラシにたまらないよう、よくふいてからつるしましょう。

また、家族の歯ブラシを同じコップに入れて保管したり、誰がどの歯ブラシかわからなくなることがないようにしましょう。
しっかりと洗っても歯ブラシにはお口の中の菌がついています。

歯ブラシを共有してしまったり、同じコップに入れていることで毛先が接触していると、歯ブラシを介して菌に感染してしまう可能性があります。
虫歯も歯周病も感染症です。
菌を移し合ってしまわないように、注意して保管しましょう。

電動歯ブラシ

上記でご紹介したのは手で動かして磨くための歯ブラシです。

「電動歯ブラシ」と一口に言われますが、電動歯ブラシは3種類に分けられることをご存知でしょうか? 種類によって歯を磨く効果や使い方が大きく異なります。

電動歯ブラシ

電動歯ブラシ

振動式歯ブラシ、などとも呼ばれる電気の力を利用してモーターを動かし、歯ブラシが自動で動くようにしている歯ブラシです。
ブラシ部分は動きますが単純に往復運動をするものであり、振動回数は少なく、手で磨くよりは効率的といったブラシです。

こちらはブラシの毛先が当たっている部分しか歯垢の除去は行えません。
電動歯ブラシの中では安価で購入ができます。

音波歯ブラシ

音波歯ブラシ

振動式であるほか、ブラシ部分から音波を発生させていることによって歯垢を除去できます。
毛先が当たっている部分のほかに、唾液などの水分も振動するため細かい泡が大量に発生し、発生した泡によってブラシが当たっていない2~3mm程度の範囲の汚れも除去できます。

毛先を当てることが難しい歯と歯茎の堺(歯周ポケット)の歯垢を取り除く効果が期待できます。
ブラシが振動するため、手で細かく動かす必要はなく、磨きたい部分にブラシを当てることに集中できます。

超音波ブラシ

超音波歯ブラシ

音波ブラシ以上に歯垢を取り除く効果が高く、電動歯ブラシや音波歯ブラシ出は除去できなかった菌や、虫歯菌が作り出す水に溶けないネバネバとした歯垢の元も取り除くことができます。

振動数も電動歯ブラシや音波ブラシに比べて非常に高く、効率的です。
また、超音波の効果によって歯茎が刺激され、骨や歯茎の細胞が活性化するため歯周病の改善に効果的だとされています。

超音波歯ブラシは性能は高い分、価格も高い傾向にあります。

タフトブラシ

タフトブラシ

通常の歯ブラシではブラシ部分が大きくて届かない、角度がついていないため届きにくい部分を磨くための部分磨き用歯ブラシです。

毛束が1つにまとまっており、歯と歯の間や歯と歯茎の境目が磨きやすくなっています。
歯並びが悪いところ、奥歯の奥、矯正装置の周り、前歯の裏など細かく磨きたい部分に適しています。

親知らずが歯茎から少し見えている場合も、タフトブラシを使うことで周りの歯茎を傷付けることなく磨くことができます。

まとめ

まとめ

歯ブラシはさまざまな種類があり、歯並びやお口の中の状態などよって適している歯ブラシは異なります。
自分に合っていない歯ブラシを使ってしまう事でお口のトラブルに繋がってしまう事もあります。

お口の健康は全身の健康へとつながります。
お口の健康を守るために、まずは歯ブラシの選び方について考えてみていただけたらと思います。

なかなか自分に合った歯ブラシが見つからない…という方は、担当の歯科医師や歯科衛生士にご相談ください。