検査でわかる!虫歯になりやすい人、なりにくい人

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私たちのお口の中は、虫歯菌の数や唾液の量などが一人ひとり異なります。こうした環境の違いによって、虫歯にかかるリスクに差が生じてきます。「歯をしっかり磨いているのに虫歯になる」という方もいるかと思いますが、それは歯磨きそのものが悪いのではなく、お口の環境に原因があるかもしれません。

お口の中の状態が気になるという方におすすめなのが「カリエスリスクテスト」です。虫歯になりやすいとされるお子さまのお口の中のチェックも可能です。お口の環境を正しく認識し、今後のケアに活かしてみませんか?

①よく磨いている人でもかかってしまう虫歯。原因はお口の環境かも?

「セルフケアにこだわっているのに頻繁に虫歯になる」「子どもの仕上げ磨きをがんばっているのに、虫歯ができる」。隅々まで歯を磨いているにもかかわらず、虫歯にかかってしまうことがあります。「まだ磨き方が足りないせいだろうか」と思われるかもしれませんが、歯磨きの方法だけが原因とは限りません虫歯にかかってしまうのは、お口の中の環境に起因するかもしれないのです。

私たちの口内には、唾液のほかに虫歯菌が存在しています。虫歯菌はお口の中で常在しており、両者は虫歯リスクと密接に関係します。虫歯菌や唾液の量、唾液pH(酸性かアルカリ性かを示す値)を調べ、虫歯リスクを判定するのが「カリエスリスクテスト」です。

②「カリエスリスクテスト」は虫歯リスクを測定する検査

「カリエス」とは虫歯やう蝕を意味する用語。虫歯にかかりやすい方だけでなく、今後虫歯ができるのではないかと心配している方にもおすすめの検査です。

カリエスリスクテストには唾液検査虫歯菌検査が含まれており、これらの数値化されたデータをもとに虫歯のリスクを4段階で判定します。虫歯菌の量や唾液の量などを正しく知ることで、その人に適した虫歯対策を立てることが可能になります。歯はしっかり磨いてきたけれどそれ以外の対策は知らないという方や、矯正器具などを歯に装着していて虫歯が気になるという方も、虫歯リスクを知ってより良い対策を考えてみてはいかがでしょうか。

③虫歯菌の量はどのように調べるの?

虫歯菌のひとつであるミュータンス菌は歯の表面に付着して増殖し、酸を放出して歯を溶かします。この虫歯菌の数が増えすぎないようにコントロールすることが、歯を守るためにとても大切です。このほかにラクトバシラス菌と呼ばれる、ミュータンス菌より歯を溶かす力が強い虫歯菌もあります。この菌は通常、お口の中の細菌の約1%しか存在しませんが、虫歯のできたところに停滞して虫歯の進行を促進するとされています。

虫歯菌の数を調べる検査方法としては、検体となる唾液を培養して測定する「Dentocult-SM」や「ミューカウント」などがあります。この2つの検査は、虫歯菌の中でも「ミュータンス菌」の数を検査するものです。また、唾液を検体としてpH指示薬による色の変化から虫歯菌の酸産生能を判定する「RD test」、唾液ではなく歯垢から酸産生能を判定する「Cariostat (CAT21)」などがあります。酸産生能とは「虫歯菌が酸を放出して歯を溶かす力」のことで、歯垢は綿棒などで歯の表面から採取し、培養することで酸産生能を調べます。

培養することで虫歯菌の数をより緻密に調べるものから、数分で検査結果が出る簡易的なものまで幅広い検査方法があるので、歯科医師に相談するとよいでしょう。

④唾液の量・性能の検査方法は?

唾液には殺菌作用があります。口内で充分に循環していれば、自浄作用や歯の再石灰化などが促進されて虫歯になりにくくなります。また、唾液が持っている緩衝能という機能には、酸性により歯の表面が脱灰する状態を中性に戻していく作用があります。この緩衝能も測定することができます。

唾液の量は、お口の中を刺激した時と安静にした時で唾液の量を測る「唾液流量テスト」で判定します。具体的には、チューイングガムを3~5分間噛んで刺激し、唾液の量を測ります。5分間ガムを噛んで唾液量が5ml以上であれば正常、3.5ml以下だと非常に少ないという判定になります。

唾液の緩衝能の判定は、検体となる唾液を試験紙に垂らして色の変化を調べる「CRT buffer」などの方法があります。色が黄色であればリスクが低く、緑色、青色となるに従って虫歯のリスクが高いと判定されます。

⑤口内環境を正しく把握し、より良いセルフケアへ!

カリエスリスクテストの結果は、虫歯の発生とどのような関わりがあるのか判定するのに役立ちます。歯科医師のアドバイスをもとに生活習慣の改善、歯科衛生士からお口の中に合った歯磨き指導などを受けることで虫歯のリスクを減らすことが期待されます。カリエスリスクテストは簡易的な検査もあるので、正しい口腔ケアを始めるきっかけにもなります。

虫歯の原因には、ご本人の歯質、虫歯菌、それに経過している時間、食事など、さまざまな要素が絡んできます。一人ひとり異なる虫歯の原因を把握し、その人に適した口腔ケアを続けていくことが大切です。矯正装置を付けているため歯を磨きにくく心配という方も、検査結果を受けて担当の歯科医師と対応の必要性について相談するとよいでしょう。

また、お子さまの虫歯が心配な方もリスクを知ることで、生活習慣や食生活の改善などに役立てられるという面もあります。

*上記で紹介した虫歯のリスク検査は保険適用になりません。

歯科医師:古川 雄亮 先生
歯科医師:古川 雄亮 先生

国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事。

歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

[参照URL] https://www.nature.com/articles/s41598-019-51077-0

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