歯磨き粉に含まれる「界面活性剤」
アルコール消毒が不足しているころ、物の消毒には界面活性剤でもよいと聞いたことはありませんか？
界面活性剤は食器用洗剤やシャンプー、一部の掃除用洗剤などに含まれており、水で薄めて使用することで消毒することができます。
新型コロナウイルスに効果的な界面活性剤ですが、実は歯磨き粉にも含まれています。
市販の歯磨き粉の多くには磨いた時に泡立つ発泡剤として、界面活性剤「ラウリル硫酸ナトリウム」が配合されているんです。
岡山理科大学の実験で、この歯磨き粉に含まれるラウリル硫酸ナトリウムもコロナウイルスを不活性化することがわかりました。
歯磨き粉がコロナウイルスを不活性化する
岡山理科大学の実験では、新型コロナウイルスとラウリル硫酸ナトリウムが含まれる歯磨き粉を混ぜ合わせてから一定時間反応させました。
その結果、ラウリル硫酸ナトリウムを含む歯磨き粉が99.9%のコロナウイルスが不活性化したという結果が認められました。
また、同濃度のラウリル硫酸ナトリウム水溶液とラウリル硫酸配合歯磨き粉で実験した結果、ラウリル硫酸配合歯磨き粉のほうがウイルスを不活性化する効果が高いという結果に。
界面活性剤だけでなく、界面活性剤が含まれた歯磨き粉のほうが消毒効果が高いのは驚きですよね。
これは、歯磨き粉に含まれているその他の成分とラウリル硫酸ナトリウムが反応することでより効果が高くなっているのではないかと推測されています。
歯磨きはコロナ対策に有効か
以上の実験から、歯磨き粉を使った歯磨きが新型コロナウイルスの予防に繋がると考えられますね。
あくまで実験は試験管の中での結果ですが、お口の中に入り込んだ新型コロナウイルスを歯磨き粉を使った歯磨きで消毒できる可能性は十分にあるといえるでしょう。
もしも歯磨き粉による新型コロナウイルスの不活性化効果が無かったとしても、歯磨きは新型コロナウイルスの予防効果として注目されています。
お口の中に入り込んでしまった新型コロナウイルスを、歯磨きで取り除きましょう。
一方で、歯磨きによるクラスターが報告された事例もあります。
歯磨きをするときに唾液や歯磨き粉が飛び散っていると、クラスターを発生させてしまう可能性があるのです。
歯磨きをするときは、
・歯磨き粉・歯ブラシは共有しない
・換気をよくする
・飛び散らないように口元をタオルなどで覆う
・歯磨きをしながらおしゃべりをしない
・うがいの時はそっと吐き出す
などに気を付けてみてくださいね。
ラウリル硫酸ナトリウムが配合されている歯磨き粉を選ぼう
歯磨き粉を使った歯磨きで新型コロナウイルスの感染予防をするには、ラウリル硫酸ナトリウムが配合されている歯磨き粉を使うようにしましょう。
ラウリル硫酸Naと表記されていることもあります。
市販の歯磨き粉は、商品によって配合されている成分がさまざまです。
ラウリル硫酸ナトリウムは泡立てる効果があり、口の中が泡でいっぱいになってしまわないようにと歯磨き粉によっては配合されていない場合もあります。
ラウリル硫酸ナトリウムが配合されていない歯磨き粉では、新型コロナウイルスの不活性化は期待ができません。
新型コロナウイルスの感染予防を考えるならば、ラウリル硫酸ナトリウム配合の歯磨き粉を選んでみてくださいね。
まとめ
新型コロナウイルスは軽症ならば風邪と同程度という見解がありますが、重症化のおそれや後遺症などのリスクも十分にあります。
過度に怖がる必要はありませんが、感染対策は続けていきたいところですね。
アルコール消毒やマスクなどの感染対策に加えて、毎日の歯磨きでも新型コロナウイルスの感染対策をしてみませんか？
