超音波検査とは?

超音波検査とは、人の耳には聞こえない高い周波数の音波を対象物に当て、反射した音波の強さや反射するまでの時間などさまざまな情報を元に映像化(画像化)する検査方法です。
「エコー検査」と呼ばれることもあります。

安全に全身の検査が行えます。しかし、超音波は骨やガス(空気)にぶつかった時も反射してしまうため、骨に覆われている臓器やガスが多く含まれる肺には適していません。
また、検査時には検査器具(プローブ)と肌が密着するよう「検査用ジェル」を肌に塗布してから行います。

超音波検査は、心臓や肝臓、胃など腹腔内臓器の異常の有無や、乳腺やリンパ節の異常の発見、血管や血液の流れの異常を発見するために使用されています。
また、妊娠時にお腹の中の赤ちゃんの状態を確認するためにも使用されます。

超音波検査のメリット

被曝の心配がない
超音波検査は音波を用いた検査です。レントゲンやCTとは異なり、放射線を使用しない検査のため被曝する心配がありません。

繰り返し検査を行うことができるほか、小さなお子さんや妊娠中の方でも安全に検査を受けることができます。

短時間で行える
特別な事前準備が必要ないため、短時間でさっと行うことができます。部位によりますが、基本的に10~15分程度で検査が終了する傾向にあります。
(腹部の超音波検査を行う場合、前日からの食事制限が指示されることがあります。)

検査結果がすぐに見られる
超音波検査は、検査をしているその場で患部の画像が表示されるため、待つことなく検査結果を知ることができます。

ただし、検査技師が撮影した画像を後に医師が確認して診断を行うケースや、専門医の診断が必要なケースでは、結果が出るまでに数日かかることがあります。

麻酔の必要がない
超音波検査は身体への侵襲性が低いため、痛みを伴うことが少ない検査です。
身体の表面に検査機械を押し当てるわずかな痛みを感じる方もいますが、基本的には痛みはないため、麻酔を行う必要もありません。

しかし、超音波検査には苦手なケースもあります。
上記でもご紹介した通り、骨に覆われている組織の検査やガスの多い臓器の検査が不得意です。
また、超音波は脂肪にも反射してしまうため、皮下脂肪が多いかたでは正しい検査結果が出ない傾向にあります。

超音波検査の種類

腹部超音波検査(腹部エコー)

腹部超音波検査は、腹部の表皮から超音波検査器具をあて、腹腔内臓器(肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、腹部血管)に対して行う超音波検査のことです。

横腹、背中側などさまざまな方向から超音波検査器具をあてるケースもあります。

【腹部超音波検査でわかること】
・肝臓

肝腫瘍、脂肪肝、肝血管異常、肝内石灰化、肝内胆管拡張、気腫 など

・胆のう
胆管拡張、胆管気腫、胆管結石、胆のう気腫、胆のうポリープ など

・膵臓
膵萎縮、膵腫瘍、膵石、膵嚢胞 など

・腎臓
腎委縮、腎盂拡張、腎血管筋脂肪腫、腎腫瘍、多発性嚢胞腎、腎嚢胞 など

・その他腹部疾患
胸水、心嚢水、脾腫、脾腫瘍、腹水、腹部大動脈瘤、リンパ節腫大 など

心臓超音波検査(心エコー)

超音波検査によって、心臓の動きや大きさ、形、血流などを検査できます。
心室や心房の大きさ、厚さ、弁の動きなど、心臓の内部の観察も可能です。
異常を見つけるだけでなく、異常の状態によって治療方法の選択に役立てられています。

超音波検査器具を当てている部分に向かって流れてくる血流と、遠ざかっていく血流を色分けして表示する「カラードップラー法」と呼ばれる検査方法を行うことで、心臓の中の血液の流れも観察することができます。

【心臓超音波検査でわかること】
心不全、不整脈、心筋症、弁膜症、心筋梗塞、心臓肥大、拡張型心筋症、弁狭窄症 など

血管超音波検査(血管エコー)

頸動脈や腹部大動脈、上腕静脈など全身の動脈、静脈を調べることができる超音波検査です。

血管内部の異常が発見できるため、高血圧の方や高脂血症の方、糖尿病の方など血管内に異常が起こりやすい疾患の方に検査を受けてもらうことが特に有益であるといわれています。

大きな災害時に「エコノミークラス症候群(肺血栓塞栓症)」を起こしていないかどうかの確認に使用されることもあります。

【血管超音波検査でわかること】
動脈硬化、血管狭窄、脳梗塞の原因の有無、動脈乖離、静脈血栓、静脈瘤 など

泌尿器超音波検査

主に膀胱、尿管、前立腺、精巣、子宮・卵巣の異常がないかを確認する検査です。
腎臓は腹部超音波検査のほかに、泌尿器超音波検査に含まれることもあります。

泌尿器系の超音波検査は、膀胱に尿を溜めておくことで検査がスムーズに進む臓器が多いとされています。
排尿は検査の1時間前までなど決められていることがありますので、医師の指示に従って検査前のトイレに行く、水分を摂取するようにしましょう。

【泌尿器超音波検査でわかること】
・膀胱、尿管
膀胱腫瘍、尿管結石 など

・前立腺
前立腺肥大、前立腺腫瘍 など

・子宮・卵巣
子宮筋腫、子宮内膜症、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣嚢腫、卵巣腫瘍 など
(経膣エコーでは、卵巣茎捻転や卵巣出血も診断可能)

・精巣
精巣腫瘍、精巣捻転、精巣上体炎 など

乳腺超音波検査(乳腺エコー)

近年、マンモグラフィに併せて健康診断に取り入れられることが増えているのが「乳腺超音波検査(乳腺エコー)」です。

マンモグラフィに比べて細かい石灰化が確認しにくいというデメリットがありますが、痛みがなく簡易に受けることができるほか、年齢が若い人は乳腺量に個人差が大きくマンモグラフィで発見できない小さなしこりを見つけやすいなどのメリットがあり、若年層への検査が推奨されています。

【乳腺超音波でわかること】
乳腺のう胞、乳腺線維腺腫、カルシウム石灰化、乳管拡張、乳腺症 など

甲状腺超音波検査(甲状腺エコー)

甲状腺超音波検査では、甲状腺内部の異常の有無を確認します。

甲状腺とは、首ののどぼとけの下にあり、甲状腺ホルモンをつくっている器官です。甲状腺ホルモンのバランスが崩れると、頻脈、体温の上昇、多汗などさまざまな症状が現れます。

【甲状腺超音波検査でわかること】
甲状腺のう胞、甲状腺腺腫、バセドウ病、橋本病、甲状腺炎 など

超音波検査を有用に使おう

超音波検査は様々な部位、臓器の検査が可能であり、がんや腺腫など多くの病変を発見・診断するのに役立っています。

被曝する心配がなく、痛みや前後の制限も少ない超音波検査は、患者さんが安心して気軽に受けることができる検査といえるかもしれません。
身体に異変や違和感を感じている方は、超音波検査を検討してみましょう。

また、定期的に超音波検査を受けることで、病気の早期発見へとつながります。
超音波検査を取り入れている健康診断を選び、身体的疾患の不安や心配の少ない健康的な生活を目指してみてはいかがでしょうか。